どうしてこうしてちがうすがたで
今から12年前。
大学入試が終わったばかりのとき、家族に私はこう言われる。
「女の子なんだし、イメージ良い学校だから、良かったじゃない」
確かに、行きたかった学校ではある。
だがその喜び以上に「女の子だから」という言葉が引っかかった。
今から7年前。社会人2年目の私は早々と転職を決める。
表向きの理由は給与とスキルアップ。
でも本音は、少し違う。
セクハラが多くてそこで働くことが馬鹿ばかしくなったから。
退職時の課長の発言はどうしようもない。
「妊娠したんだと思った。女の子なんだし、そんなに仕事に頑張らなくたっていいじゃないか」
今から5年前、私の周りは少し早めの結婚出産ラッシュが始まる。
「やっぱりさ、パパみたいな人と結婚するのが女の子の幸せだよね」
母子家庭で育った私は、彼女のラインをそっとブロック。
会社の育休明けの先輩はこうつぶやく。
「後輩が出世してて、自分のほうができたはずなのに下の位置なのがつらい」
あぁ、その分の仕事を帰りたくても帰れず回しているのは私たちなのに。
もうとても女の子とは呼べない年齢にさしかかった私は、新しい時代を前にぼんやりと考える。
女の子だからって、何?
女の子を女の子たらしめているのは、なんだろう。
男性からの目線?社会システム?
案外それは、私たち自身の無意識の偏見、無知や優越感から来るものなんじゃなかろうか。
新しい時代まで、あと2週間強。
これから先の未来には、いったい何が起こりうるのか。
せっかく「女の子」に生まれたのであれば、せめてかしこく柔軟に駆けぬけてみたい。
タイトルはJASMINEの「One」から。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?