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【うなぎのう】志津可(西天満)
この世の中で「幸せ」を一番感じることができる食べ物とはと問われたら、僕は「うな重」と答える。今までにどれくらいのお店で食べただろうか。これからどれだけ食べることができるだろうか。そう考えるともう残された時間は少ないかも知れない。うなぎが絶滅危惧種として食べられなくなると言われて久しい。この命が尽きるまでに思い残すことなく「うな重」を食べておきたい。
もうすぐ四月だというのに大川沿いの桜はまだ一輪も花をつけていなかったけれど、花のない桜の下でたくさんの人が賑やかに花見をしていた。
北浜で働いていた三十代の頃、花見の時期は大川沿いに仕事場があったので昼休みにはよく川沿いを散歩したものだった。
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大川は「中之島」で北の堂島川、南の土佐堀川に分かれる。『江戸流鰻料理 志津可』は中央公会堂から「堂島川」を渡ったところにある。目印は弁護士会館、その前に店を構えている。
お店:四代目江戸流鰻料理 志津可
場所:大阪市北区西天満1-13-7
四半世紀ぶりに訪問。すでに四代目となっていた。
予約せずにひとりで新規で訪問。堂島川を眺める席に案内される。桜が満開だったら最高のシチュエーションだ。
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志津可では、ブランド鰻のパイオニア、大井川の幻の共水うなぎが数量限定で特選鰻重として食べられる。なので今回は特選鰻重(一匹/漬物・肝吸付 4,500円)を注文。
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鰻の蒲焼きが少なく感じるのは、共水うなぎが小ぶりだからだろう。志津可は江戸流鰻料理の名のとおり、蒲焼にする前に鰻を蒸す調理法。なので蒲焼きはあっさりとしながらもフワフワの食感、ご飯に対してタレが少し多めに感じたけれど、これは年齢、好みによるかな。
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おいしく完食。
食後、堂島川沿いを天満橋まで久しぶりに歩く。小さくておしゃれなカフェや甘味処がたくさんできていて自分の知っている頃よりも賑わい感がある。時代の移り変わりを感じた一日でした。
了
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