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「エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ」を観て。

原題:Eighth Grade
邦題:エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ

監督:ボー・バーナム(2018年)
映画監督デビュー作品!

あらすじ: 中学校卒業を1週間後に控える中、クラスで最も無口な子に選ばれてしまったケイラ(エルシー・フィッシャー)は、高校生活が始まる前に自分を変えようと決意し、クラスメートとSNSを通じて仲良くなろうとする。しかし、思いを寄せている男子にはどうアプローチすればいいかわからず、人気者のケネディには冷たくされ、お節介な父親にイライラしていた。



感想:とてつもなく刺さった。痛々しいほどに。

SNSが自己表現の手段。なんだそれ?と思う私たちより上の世代の人々の多くいるだろう。でも、ケイラのような子はたくさんいる。逆に、表現できる世界が広まったとプラスに考えて欲しい。SNSが存在してなければ、ケイラは壊れていたんじゃないかな。


理想の自分になることなんて不可能。でも、それに近づく為の努力は誰だってできる。それでいいじゃない。過程が大事なんだから。

パーティーでの疎外感、少し年上の人達といることの優越感、でもそれがいざ近づいてくるとゾッとしてしまう恐怖感。全てが刺さってきた。

ワタシ、なんでここにいるんだろ?と自問自答ばっか繰り返してしまうパーティー。ワタシ自身、大人数がとてつもなく苦手で、第三者目線になってしまい、一緒にキャーキャーできなくなる。だから食器洗いとかしてるほうが数倍心地いい。

高校でTwitterやInstagramが流行り始めたワタシ世代。当時の自分もなんか焦ってた気がする。高校とかって、カースト制が色濃いから、必死で上の層に行こうと頑張ってた。けど、ワタシには無理だった。イケイケ男子はただただ怖かったし、イケイケ女子とは何話せばいいかわからなかったし、でも変な注目のされ方はしたくないからみんなに合わせてヘラヘラ笑ってただけ。TwitterやInstagramの話題で人気になってたり。知るかよそんなこと。糞食らえって今なら言ってやりたい。あのときのワタシの理想なんてちっぽけなもんだった。しかもそれに近づこうと努力もしてなかった。ひたすら周りの目が怖かったし自分に自信を持てなかった。

年とったというのもあるのか、ある程度働いてわかってきたのか、少し自信がついたのか、色々とアホらしくなった。別に、全員と繋がってる必要はない。大事な人と繋がっていればいいやって。最後のケイラとゲイブのように。

お父さん最高によかったなあ。。言葉にしなくても伝わる!なんてことは少ない。なんなら、言葉にしないと伝わらないことのほうがほとんどだろう。箱を燃やしてるシーンでいちばん泣いたな。。 ワタシ自身も、誰かに勇気を与えられてるのかな。幸せと感じさせられているのかな。そうだったらいいな。

ケイラ役のエルシー、とてつもない演技力だわ。。卒業式で言いたいこといってスッキリしたときの笑顔がとてつもなく素敵だったし、ゲイブと話してるとき、ぎこちないけとものすごく可愛かったし、高校生になったであろう車の中でのケイラがとてつもなく大人っぽく美しく見えた。

監督ボー・バーナムは、撮影時はまだ27歳。まさしくスマホやSNS時代。彼だからこそ作れた作品。

思入れが強すぎる。素晴らしい作品。特に親世代に見て欲しい。



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