マゾ声楽家(イメージ版)
コンクリート打ちっぱなしの小さな牢獄に、澄んだ歌声が響き渡る。
照明代わりの蝋燭の炎が歌声による僅かな空気の流れを受けて、ゆらゆらと揺れている。
牢獄に捕らえられ白いネグリジェを着た女は、鉄格子のその先の、暖かい明かりの漏れる扉に向け、その扉が開かれるのを待つように、そして誰かを呼ぶように歌い続ける。
彼女にとって歌うことは自分を表現するための最大で最良の方法。
その才能を見初められ、とあるサディストにより動物同然に飼われ、この牢獄が彼女の生活空間となっている。自分の意志で自