寂寥

どこかに旅をして、旅先の宿を出るとき、私は、いつも悲しかった。

もう二度とここには来れないのだと思うと、悲しくて悲しくてしょうがなかった。

小学生の時、バドミントン部の合宿に行った時もそうだった。

それと合わせて、旅先から家に帰ったとき、見慣れないものがあると悲しくなった。

あの日、合宿から帰った私は、洗面所に見慣れない黄色いコップがあるのを見つけて、悲しくなり、涙を抑えされなかった。

それを見た人が言った。

「怒られたのか」

父に泣き顔を見られることが嫌だった。

私が「うん」と頷くと父は、続けた。

「言うこと聞かなあかんぞ」




怒られたわけではなかった。
怒られるようなことはしていなかった。







I hate myself.

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