ラムネ瓶に浮かぶ月

わたしの名前と、しーちゃんの名前の頭の1文字ずつをとって、綾と詩を。というユニット名に改めたのは6月のこと。リリーガーデニアは正直私たちのことをデフォルメし過ぎていた名前だなあと思う。綾と詩を。の方が、シンプルでしっくりくる。

しーちゃんもこの日のことをブログに書いてくれた。「綾乃ちゃんがほとんど準備を」なんて書いてあるけれど、この企画はしーちゃんの存在と支えがなかったら、これだけ素晴らしいものにはならなかったし、彼女がいてくれたからこそ、成し得たもの。
スペシャルカクテルのレシピもしーちゃんがミリリットル単位で考えてくれたんですよ。見た目も可愛いし。本当にラムネ瓶に月が浮かんでいるような。

実は間際にぎっくり腰になり、約一週間の間、そして当日も、身体も心も痛みで崩壊寸前だったのだけれど、なんとか耐えられたのも彼女のおかげ。本当にありがとう。

Set list
1.うたかた
2.甘露
3.ゴトウの曲
4.舟
5.赤い月/mina (Gt.佐々木慧太)
6.魚
encore.落日/東京事変
(Pf.伊藤詩織 Dr.早川峻)

わたしと音楽には、ある時から深い確執があるのだけど、ようやく其れを乗り越えられそうな予感と音楽に触れることの喜びに満ちたイベントだった。

私たちが最初に演奏した「うたかた」はしーちゃんがこの日のタイトルに合わせて作ってくれた曲で、音源を聴いた時の透明感と仄暗さはしーちゃんの今までの曲の中でも、私の中でどんぴしゃりと雷が降るほど好みだった。この曲、大好き。

3つめの「ゴトウの曲」は、わたしたちにしては珍しいタイプのアップテンポの曲。この曲も実は歌詞の中でタイトルコールを2回ほどしている。女の子が好きな人を追いかけて世界の果てでひとり、自分の犯した罪に囚われて永遠にワルツを踊る内容となっています(暗い)
歌詞はこちら

今回一番反響があったのは、Bungaの名物美人チーフminaさんの曲「赤い月」。minaさんのライブで聴くたびにちょっと民族的なメロディラインと憂いのあるコード進行、サビの歌詞に惚れ惚れしていて、とうとう自分でも歌いたいという欲求が首をもたげてしまったので、歌わせてもらった。ギターに佐々木慧太くんをもう一度呼んで。彼の即興スーパーコードアレンジで、より妖艶な美しさを帯びた曲になったと思う。ありがとう。しーちゃんのチェロの音色もこの曲にぴったりだった。わたしの感じたこの曲の魅力が、僅かでも届いていたら嬉しいな。

予定調和的に始まったアンコール(皆さんありがとう)では、伊藤詩織さんと早川峻さんと共に東京事変の落日を演奏した。原曲さながらのピアノとドラムのかけあいの中で歌えるというのは、なんとも贅沢で幸せなひと時だった。ありがとう。

「ラムネ瓶に浮かぶ月」

ノスタルジーを掻き立てる、ラムネ瓶の中に浮かぶ神秘の月。お月様はきっと、このイベントにやさしい光を降らせるために、夜空を留守にしてやってきてくれたんだろう。

この一夜の為に、音楽に関わること以外の記憶が薄れるほど曲をつくって演奏することや歌うことに没頭した。わたしにとって、とても特別な夜になった。来てくれた皆さんにとっても、そうであったら嬉しい。

ayano goto 19.Juillet.2015

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