ラムネ瓶に浮かぶ月

銀と鉛の海が溶けて
夕焼けで赤く爛れる空
星屑あつめ浜に敷き詰める
ラムネ瓶に浮かぶ月の夜

あなたの足跡辿って
世界の果てまで来た
眩い鳥たちの群れ
影をなくしたの

あの人 いけない人
もう戻れないから
虹色に輝いた
硝子玉 廻る

銀と鉛の海が溶けて
栗色の髪が焦がれる頃
待ち惚けの日々が報われるよう
見えない月に祈っていた

あなたの足跡辿って
世界の果てまで来た
盗んだ 硝子玉のかわりに 月

銀と鉛の海が溶けて
灯りをなくした夜がくる
ラムネ瓶に浮かぶ月の夜
溶けない氷を舐めるように

終わらないワルツを踊ろう

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