のんびり投資報告

Ⅲ 株式投資のポイントは米国市場、その背景を理解
                 
―世界の中の日本株を認識―
 日本株の動きを見ていると、常に米国株の影を追っているような動きとも見えますが、これは卑屈感たっぷりの見方と思われます。むしろ、日本株を意識せず世界の株式市場を語ることはできない、と思ったほうが良いと思われます。
確かに、世界経済の全体規模(GDP)を100(US$ベース)とすると米国は25%、中国は18%、日本は4,2%ドイツ4,1%、インド3,4%の現実がありますが、
一方、世界の株式市場をみると時価総額ベース(8月の米ドル基準)で米国61%、日本7%、英国3,9% 中国3,4%となり世界、日本は第二位です。英国は、当面横ばいEC復帰があれば伸長、中国は現体制が継続する限り凋落が続くと言われ期待値が高い国ではありません。今後も日本市場を抜きにして世界の株式投資は考えにくい現状が続くことは容易に想像出来ます。株価の相関度が高く、かつ日米証券市場を合わせると世界の70%近いシェア―となっているのです。日本市場は市場規模からして米国市場の10%強を誇ります。ポートフォリオマネジメントという視点からも10%強の割合は、大きな影響を及ぼします。ちなみに2023年、ニューヨーク市場と比べ東京プライム市場の上昇率はおよそ二倍の26%でした。そこに十分なポジションを持つかどうかは全体の成績に大きく影響することになるのです。

―外国人投資家主導の東京市場確立の歴史は25年前、四半世紀経過―
1985年金融バブルがスタートしたとされる年、外国人投資家の日本株保有比率は東証一部市場発行済み株式数の7%でした。バブル崩壊の1989年には5%でした。1989年の天井を付ける過程で2%を売却しました。その後失われた10年を経過する過程でコツコツと買いをすすめ1999年から2000年には19%前後になっておりました。10年間、外国人投資家は着実に日本株を買い増していたことになります。また回転数、売り買いの頻度が高いのも外国人投資家の特徴です。概ね日本人投資家の2倍程度でしょうか。持ち株比率の変遷、そして日々の売り買い状況をつぶさに見てゆくと2000年ごろには、東証一部市場の日々の売買代金の40%以上は外国人投資家によるものとなっていたことが類推されます。こうなると株価形成の主導権は外国人投資家が握ることになります。外国人投資家の東京市場の見方が個々の株価を通じて東京市場の上げ下げを演出してゆくことになります。東京市場とニューヨーク市場、年ごとの上昇率、下落率に関して多少のずれはあるもののまさに双子の兄弟といった動きで現在に至っております。四半世紀同じ動きとなっているのです。米国の市場で活躍する投資家は同時により高い成果を上げるための市場として無視できないのが現在の東京市場です。ちなみに東証プライム市場における外国人投資家の株式保有比率はその後さらに上昇、ここ数年は29%~31%前後を行ったり来たりしております。当然のことながら日々の売買代金で外国人投資家の占める割合、現在は60%~65%%程度と言われております。

―これからの投稿内容とタイミングについてー
NISA本格展開に合わせて投稿を開始しましたが、今までは外枠づくりの内容です。今後はもう少し具体的な形で日本株の個別銘柄に触れてゆきたいと思っております。月末の東証のデーターをもとに月初、5日から10日の間に投稿する予定です。A4一枚程度にまとめ継続的に市場と銘柄群をフォローするような形にする予定です。また、月一では少々間延びするので、その間に市場理解、銘柄選別に役立つ話をリラックスした形で投稿する予定です。皆様の“のんびり投資”に少しでも役立つことあればとの思いです。