お姫様になった日
娘の3歳の生活が残り2ヶ月となったある日、娘はお姫様になった
お食い初めは、NICU
まだ心臓の手術も終わらず、次に待つ食道閉鎖の根治予定も見えない中のことだった
初めてのクリスマス、心臓の手術直後でICUから出られず
ハーフバースデーは、食道の術後が悪くて鎮静がかかった中でNICUでお祝い
一歳の誕生日は、やっと自宅で
ただし、医療的ケアが多くて自宅からはあまり出られなかった
二歳、入退院を繰り返して予定を立てられなかったのと、猛暑で出掛けられず
三歳、世間を騒がせた感染症と、大きな手術を控えて外に出られず
七五三、術後のICU入りのため外出叶わず
折を見ていつか‥と思っていた中、ある日重い腰を上げた
そうだ、撮影に行こう
出かけて行ったのは、某有名スタジオ
NICU時代の同期のお友達が撮影に行ったときの体験を聞いてから、いつか行きたいと思っていた
少し季節をずらした七五三撮影として、和装と洋装を選択
心配事は色々
たとえば胃ろうの存在
他の子にはない、お腹で存在を主張するボタンは、娘の盛装を阻んでしまうだろうかと心配していたが、幸いにも被布のおかげて緩めの着付けでも問題なし
また当時は術後に落ちた体重が戻らずに、身長に対して細い体だったけれど、クリップや詰め物などで工夫して、本人が着心地の悪さを感じることのない、とても可愛らしいドレス姿になった
地毛が短くても、つけ毛でアレンジして貰えたので、繰り返す吐き戻しによるダメージが酷くて切ってしまった髪への未練が少し解消された気がする
着付け中や撮影中、娘を「医療的ケアのある子」としての扱いではなく「3歳の女の子」として対応して貰えたのがとてもありがたかった
もしかすると、そんな扱いは初めてだったかもしれない
激しい人見知りで固まってしまうことが多く、泣きすぎによる嘔吐の心配もあったけど、発揮されたプロの手腕に脱帽
自然で魅力的な笑顔が引き出された写真は一生の宝物
今年の誕生日前後で、また撮影を依頼するつもりでいる
一年経過した娘は、どんな表情を見せてくれるだろう
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