人生の重荷リリース④:母が宗教に入って生きづらくなった子供の話

~ 用語集 ~

吐き出し療法の試みで、「元エホバの証人の子供」体験を書き出しています。もう30年以上も昔の話ですが、書くことにかなり体力を消耗しています。あまり根を詰めすぎずに続けていきたいと思います。

書き進める中で、「信者特有の用語」が出てきます。

今回は、「用語」をまとめます。

※昭和50年代の話です。現在は少し違うかもしれません。

1.王国会館

信者が集う拠点。聖書の勉強が主な目的。私が通っていたところは、演台とパイプ椅子を並べた会場+出入口(靴箱)+トイレ+小部屋(あまり入ったことがないので記憶が定かではないが、畳的な座れる場所だったかも)という構成。

2.会衆

地区の集まりの単位。私がいたところは「市」単位だったので、「〇〇市」の「〇〇会衆」と呼ばれていた。近隣の会衆も「▲▲市」の「▲▲会衆」と呼ばれており、たま~によその会衆から兄弟(後述)が出張講演に来ていた。

3.集会

聖書の勉強会。兄弟(後述)や長老(後述)的な方が、聖書や教会の冊子を用い、聖書の教えを解説する。姉妹は2人1組で演台の横のテーブル席に座り、事前に作成した台本に沿ったトーク形式で聖書の一部を解説する。順番制。1回2時間。主たる集会は日曜日の午前で、王国会館で行われるもの。他に、火曜日の夜(19時~21時だったかしら)、木曜日の夜にも集会があり、これは「会衆」を細分化した「群れ」単位で行われる小集会的なもの。信者の個人宅で開催されるケースもあり。

週に3回も、子供にとっては決して面白くない勉強会に親の都合で通わされて・・・雨が降ろうが、風が冷たかろうが、自転車で20分(引っ越し後は30分くらい)かけて通っていました。とにかくこれが一番嫌でした。

この行動が「あそこの家の奥さん、子供を連れて夜な夜な出かけているみたいよ」的なご近所のひそひそ話のターゲットになり、「変な家」として遠巻きにみられる状況を招きます。

4.大会

年に1回行われる、大規模な集まり。複数の会衆が集まって大きなホールで催される。メインは各会衆の長老や兄弟の貴重な?!講演だが、寸劇なども挟まれていた。複数の県をまたいでの大規模なものだったと記憶している。私も何度か、電車で遠出した経験あり。会場の外では、手作りクッキーなども売っていて、いつもの集会より少しだけ楽しかった。兄弟の講演中は、手話の同時通訳もあり、暇な子供たちのお楽しみ(話はろくに聞いていないが、「人」とか「愛する」とか、手話のパーツを覚えたり推測したり)となっていた。ちなみに、この大会への参加を私の意志で拒否したことが、フェードアウトのきっかけ。この日の解放感といったら!今でもその日のことをよく覚えています。

5.自発奉仕

この教団の特徴かもしれない。文字通り、自発的な奉仕=ボランティアで労働力を提供すること。上記大会でも、事前に「自発奉仕募集」が行われ、清掃、クッキーづくり、クッキー販売(クッキーしか覚えていないようだ^^;)など、各自が申請し、無料でお仕事をするシステム。我が家も「事前のクッキーづくり」を何度か担当したことがある。材料は教団から配布され、手順に従って各家庭でクッキーを焼く。割れたものや少し焦げたものなど、味見と称して食べる(もちろん、母の承諾を得た後で)のが生きがいだった。結構おいしかった。

6.バプテスマ

キリスト教でいう洗礼のようなもの。水に頭まで浸かる儀式。この儀式を通過した人は、正式な「信者」となり、呼称が変わる。私も弟も受ける前に離脱したが、母は通い始めて4~5年くらいで受けていた。このイベントは「大会」で行われていた。兄弟姉妹の推薦とか必要だったと思う。私は母がバプテスマを受ける現場は見ていないが、当日着用していた水着をなぜか覚えている。

7.呼称(兄弟・姉妹・さん)

バプテスマを受けた男性は「〇〇兄弟」、女性は「〇〇姉妹」と呼ばれる。一般的な会話においては、「あなたは?」を「姉妹は?」と言ったりする。バプテスマを受けていない人は聖書研究生的な位置づけらしく、「〇〇さん」と呼ばれる。親に連れられて通っている子供は「〇〇ちゃん、〇〇君」。

8.長老

その会衆のリーダー的存在。私の知り得る限りでは、男性のみ。アメリカ発祥の宗教だからか、時代背景からかは定かではないが、「男性優位社会」が基本だった。

9.聖書

エホバの証人が使うのは「旧約聖書」と ×「新約聖書」←(間違えていました。「新世界訳」だそうです。一般的なキリスト教が用いている聖書とは異なるようです。)の2つ。私も買い与えられており、どちらも所持していた。ちなみに、集会が退屈だからといって、お絵かきや落書きをしたら「懲らしめ」られるため、書き込みは自分の名前程度。もちろん、今となってはどこにいったか、いつどのように処分したのかもわからない。

10.ものみの塔、目ざめよ

協会が定期的に発行している冊子。毎月、あるいは半月(月2回)ごとに発行されていたような気がする。時事トピックス的なものに絡めて、聖書の一節を引用して説明がついていたりする。集会でも度々使用され、伝道(後述)活動の主なツール。今でも、時折信者さんが冊子持参で伝道してくることがある。元エホバの証人の子供としては、「うわ、ものみの塔~」「うへ、目覚めよ~~~ひえーーー」って、苦い味のする言葉です。

11.伝道

布教活動。聖書と「ものみの塔」や「目覚めよ」の冊子を持参し、各家庭を1軒ずつ訪問する。目的は信者獲得。訪問はもちろん「善意」で「自発奉仕」。この伝道活動をする時間が多ければ多いほど、教団内での格付け(見えないマウンティング)が上になる。「正規開拓者」とか時間ごとに分かれていたようだが、よく覚えていない。私の母も、伝道活動を勢力的に行っている「開拓者」の「姉妹」から、「聖書のお勉強」を受けはじめたことが入信のきっかけ。

12.エホバ

この教団が信じている絶対神。

13.サタン

悪魔。エホバに背いた存在。信者はサタンに毒されないように信仰を保つことを求められる。

14.この世の人

信者ではない人の総称。「この世の人との交わり」=交友することは避けましょうとされている。ゆえにエホバの証人の子供は学校で孤立しやすい。

15.排斥

教義に背く行為をした信者を追放すること。信者は、この「排斥」を恐れている。「排斥」された元信者とは、挨拶も何もしない、接触はしてはいけないとされており、要は完全に無視されるシステムらしい。ちなみに私、弟、母は、自分からフェードアウト(離脱)したので、「排斥」されたわけではない。(「不活発」という呼び方だったかしら)よって、もしも信者と出会ったら、会話することは可能。もう会うこともないが。

16.ハルマゲドン

これもキラーワード。エホバを信じないサタンの側の人を、エホバが滅ぼすという終末説。火が降ってきたり、何やら恐ろしい絵で描かれていた。ハルマゲドンを生き延びるには、信者にならなくてはならない。伝道活動は、この世の人を一人でも多くハルマゲドンから救うため。

17.楽園

ハルマゲドンで悪い人たちが淘汰された後、不老不死の楽園がやってくる。信者はこの夢のお話を信じて、宗教活動を行っている。楽園では、過去に亡くなった人や動物も復活し、みんなで平和に暮らせる、とされている。

で、子供ながらに感じた素朴な疑問。

・信者でない父はハルマゲドンが来たら死んじゃうの?悲しい。

・死者がよみがえる、ってことは、過去の殺人犯とかもよみがえるの?それって楽園なの?

・不老不死というけれど、亡くなったお年寄りはどの状態で復活するの?おじいちゃんの姿で復活するの?

・死者がすべて復活したら、世界があふれちゃうんじゃない?(土地足りる?って思ってた)

いずれも、明確な答えは得られないまま、とにかく「ハルマゲドンを生き延びて楽園に行くために」日々、宗教活動(聖書の勉強と伝道活動)を行う、というのがエホバの証人の日常。

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