【妄想】ケモ耳世界は意外とディストピア?

sodayaさんのかわいいケモ耳物語を読んでて、ふと思いついた妄想設定を書き出してみる。ちなみにケモ耳(Kemomimi)とは、人間に獣の耳を生やしたキャラクターを意味する。(※私の妄想では、妖精や魔物など魔法が存在しない前提)

『鉄煙の森の恋』
今回の妄想の元になった同人誌です。何とぞ宜しくお願いします!

ケモ耳の世界線は、実は現実より遥かに科学技術が発達した世界で、人間自らが四つ足の陸生動物の箱舟として遺伝子を取り込み、人の形を維持したまま動物の姿の一部と特性・体質を発現させて「獣人」になった人々が遺伝子を継承した動物とより近い環境で生きる力を得て生活しているという感じなのではないか?
高度な遺伝子操作によって人型をかなりの確率で維持出来るが、何らかの原因で、例えば精神がダークサイドに堕ちるとか完全には防げない遺伝子変異で獣人型から獣本来の姿に侵蝕されるケースが稀に発生し、不可逆的症状なので早期発見で侵蝕を遅らせるもしくは止める必要がある。なので高度な医療へのアクセスは必須。末期症状の場合は完全に人間の形→特徴が発現していた動物の姿へ限りなく近くなり、中身も知性も理性もその動物そのものになってしまうリスクがあると妄想。動物そのものに変化してしまった元獣人は人間と獣人が管理する保護区に保護され手厚いケアの下、同じ動物達と共に余生を送る。完全に動物になってしまったので、獣人だった頃の記憶が残ってるかどうかは定かではない。たとえ獣人時代の知り合いが面会しに来ても、認識するかどうかは未知数。

でも、「ああっ!!覚えていてくれたのかっ!!友よ…」みたいなエピソードあると良いな。ファンタジーだからね!

ケモ耳獣人の暮らす世界では過去に一度、野生動物が次々と数を減らし絶滅が相次ぎ人間の数も減るほどの大惨事があって、全ての環境が復元されるまでの長い間、なるべく多くの生物を後世に伝えるため遺伝子を試験管に残すのみならず生存率の高い"人間"に組み込んで生体保存し獣人が生息域を分散させて完全消滅のリスクを軽減させる…のような大規模プロジェクトが進行中だったりするかもしれない。

上記の内容を深掘りし、ここからは完全に妄想で考えたことを語る。

具体的には、地球の環境が激変した中で生き残った人間達と(でも人工子宮技術は無く、宇宙関連の技術もおそらく滅びた)奇跡的に技術者が残っていたクローン技術と高度な遺伝子操作技術を人々は頼った。地球中の荒廃した自然を取り戻すには、残された人類では途方もなく時間がかかる。残った人類で再建して機能する都市は世界で数ヶ所くらい。まずはその人工都市を復興させ、人工都市とその周りを拠点として自然環境を復元させていこうと試みる。かつては厳しく制限されていた2つの技術だが、ケモ耳世界では自然環境の復元と生命の多様性の維持の為に使う事に。しかし、人類の生活維持(一定の文明と科学水準を保つのは莫大な資源コストがかかる。人間の食物、動物の飼料、資源の生産)と自然環境復元(森林や河川、海の土壌改善、植物の栽培・植林管理など)に人手を取られ、生物の維持保存は綱渡り状態。残存個体で人工繁殖するにも人手が足りないので、海棲生物や両生類、昆虫類を除いた生存している陸棲生物から人間に近い哺乳類の遺伝子をを取り出し、科学による資料保存と生体保存、つまり小規模の人工繁殖と並行して、現存する動物達よりも個体数が多くまだ遺伝子の多様性を保っている人間に、動物の遺伝子をタイムカプセルのように組み込んでなるべく長い期間、情報を伝えてく。映画『ジュラシックパーク』のように化石など遺伝子情報から生物をきちんと復元させる技術を確立させ、元の自然環境に還す事が出来る時期が来るまで ……という流れを想像した。ここでクローン技術と遺伝子操作技術が活躍するのだが、人間に対してそれらを使うのに最初は旧時代の倫理観を引きずる人々の反対にあった。

旧時代において、クローン技術と遺伝子操作技術の使い道は主に食物の大量生産とされ、「人間を極度に強化し複製、兵器転用する」事や「過度な遺伝子操作によるデザイナーズベイビーなど生命倫理的な問題がある使い方」「技術の犯罪利用、許可の無い無闇なクローン作成」は禁忌だった。だが今は大惨事から立ち直るのに残された人類同士で争ってる余裕は無いし、計画を長く続けるために必要な技術者の数はもっと必要だった。何より、地球環境は人類だけでは復元しきれず、「動植物が存在してこそ地球環境の循環・維持が出来ていて、我々は生かされていた」と皆が理解したから最終的に採用される。
計画承認後、最初の下準備として現役技術者と有志の弟子達のクローンを1人作り、技術者と弟子は計画遂行に身を捧げる覚悟をする。分身の子供達が彼らの代わりにもう一つの人生を他の家庭の養子として過ごす。技術者達の研究生活はあらゆる面から総力を挙げて支援され、多忙な仕事の合間に自身の家族やクローンとの面会は可能、クローン達は世界中に散らばり他の子達と同様に教育を受けて育ち、職業選択も家族を持つのも自由。技術者は生涯単身赴任状態で研究機関に住み込む。世界中から国籍男女問わず被験クローン作成用のサンプルの提供を受け、それらを元に「クローンから獣人を生み出す過酷な実験」を始めた。従来だったら人道や倫理に背くとして非難されるが、今や世界プロジェクトとしての監視下で成り行きを見届けられている。このプロジェクトを維持するためにかつての便利過ぎた技術によって成り立っていた生活水準を見直して人間にかかるランニングコストを削減、進んだ建築技術とリサイクル技術を応用してシンプルだけど高機能なインフラを整備。居住地をある程度密集させることにより管理もしやすくする。照明は電気と火の両方を採用。大惨事で激変した地球環境下で柔軟に対応する為には電気オンリーの生活は無理。人類が協力し合って、やがて過酷な研究の末に「安定した人間ベースの獣人」が誕生した。

こうして誕生した獣人達は生態が人間型なので、教育も家族形成も人間同様に行える。同じ言語を理解し、同じ教養を持っていて一緒に働ける。もちろん「基本的人権」もある。人間と獣人、違う種の獣人同士の家族形成も問題無い。ただし、獣人は「動物の性質と特徴を発現している」ので、「特別な医療体制」と「獣人特性管理法」が義務化される。特に「獣人特性管理法」は人間と獣人の安全を守る為に必要。主なポイントは、

・獣人や獣遺伝子を潜在的に有する人間に稀に生じる「侵蝕獣化(人型から獣そのものへ変化してしまう不可逆的症状)」に対応するため。

出生段階で獣遺伝子を保有しているかを登録義務化し、医療体制に反映する。

獣人特性由来の犯罪やトラブルに対応するため。

先述した通り、遺伝子のタイムカプセルの所在把握は必須だ。遠い未来に動物達を確実に復元し、元の環境へ戻してやる必要があるからだ。獣人達は基本的に人間と変わらない生活を選ぶ事も出来るが、発現した特性・体質によっては人工都市に住むより里山や森、人間にとって極端な環境に適応していて、そちらに居を構えて環境と共存しながら暮らす事が可能。それらを活かして遠隔地で環境再生事業に携わる獣人も多い。基本が人間なので、言葉も住居も衣服も文明的である。ただ、普通の人間よりも食べられる物が違ったり身体が丈夫だったり五感が敏感過ぎたりするので、生活や住処を工夫したり自然と人口密集地を避けて程よい距離を保ちながら共生しているだろう。

ファンタジーだからね!


ここまでケモ耳世界についての妄想にお付き合い頂きありがとうございました。お楽しみいただけましたでしょうか?
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