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噂の「きえーーーっ!」の人について

山岸凉子先生の凄さというのは、少女漫画の世界に狂気を何度もぶちこむ所。
絵も少女漫画の中ではピカ一に上手い。
体格の描き方等、本当に達者だと思います。
そして心理描写。
私はこの「天人唐草」という漫画を読んでトラウマになりそうと思い、2度めは中々読めなかったくらいです。子供の時でしたから。

あらすじを軽く云うと、女性と性と父親の育て方がテーマになっている作品です。
主人公は大人しく、父親の激しいしつけに我慢しながら育った女性岡村響子。
特にセックスにかんする事に厳しかった。

昔ながらの清楚な女性に育てたかったのだろうこの父親
実は倒れてみて分かったのだが、清楚とは正反対な女とずっと浮気をしていた。
普段父親が嫌いなタイプのはずの女と逢瀬を交わしていた。
混乱する響子は、やがて……


この女性は、随分前に空港で山岸凉子さんが出会った女性だという事を山岸さんが語っています。
一瞬なのだという事です。
こういう格好で
「キエーーッ」
と、言っていたとか。
で、この話しを考えたのだから

この女性がもし山岸さんが自分を目撃してこの漫画を書いたという事を知り、読んで
「これが自分の人生?」
と思う事が出来たとしたら
さぞかし怒るでしょうね。

名前は…別名だから良かったのか。

多分何十年も前のことなのでその空港の女性はもう存命していないかもしれない。
そして、彼女の人生は本当に全く違うであろう。
創作表現の人間はこういう事をしてしまうので、訴訟になる場合もある。
はすみという人は裁判で敗訴になった。

とにかくこれは、山岸さんの脳内で考えた岡村響子なのである。





で、性的に無理やり封殺されたまま大人になった女性の精神って本当にこうなるのかというと
分からないんですけど…とにかく一度読んだら忘れられません。


ちなみにうちの父親はこんな偽善者的に私を育てませんでしたよ。
良い父親とは言えなかったけれどね。




✴このnoteを書いているうちに、モデルになったらしい空港の女性の事が気になり、もしかしてこういう事を考えている読者は私だけなのでは?と思ってきました。

普段は聡明で優しい山岸さんだという事ですが…
この機会に空港の女性の訴えを
私が代わりにしたいと思いました。

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