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クソみたいな日記

明日は会社の健康診断。健康診断は嫌いだ。なぜか。前日に酒が飲めない、朝ごはん食べれない などといったことが、自分にとっては嫌なのだ。

中でも、自分が最も嫌なこと。それは、

検便」 である。

あれなんなん。する方も、見る方も、嫌に決まってんだろ。誰にメリットあるんだアレ。悲しみが連鎖していくだけだ。

そんで、めちゃくちゃ嫌なのが、「採便は3日以内」「2日分」ということだ。最悪すぎる。条件きついオブザきつい。

明日、健康診断の日は、朝食抜き。当日は採便できないと思われるため、僕は今日残り1日分を採便するしかなかった(昨日分は採取済み)。

前日の夜、僕はスケジュール帳の今日のところに「12時30分 うんこ」と記載した(僕はスーツを着て会社で働く会社員である)。
ちなみに、12時30分は会社の昼休み時間だ。

タスク達成のため、今日の朝は、ほうれん草とわかめ入りの味噌汁を食べ、昼はサブウェイに行き食物繊維的なものを身体に取り込んだ。抜群のコンディションで12時30分を迎えた。

そして会社のトイレの個室へ。採便キットに付属された、ナガセールという紙を、トイレに投下する。ナガセールは水に1分浸さなければならない。トイレの個室で便器の中に浸したナガセールをじっと見つめるという、謎の1分間を僕は過ごした。

ベルトを外し、ズボンを下ろし、着座する。

「 さっさと終わらせるぜ 」

そのようなセリフを心の中で言った束の間、脳に電撃が走った。

「 おしっこがしたい 」

できるのか? いや、駄目だろう。もし、ここでおしっこをして、ナガセールがアンモニアと化学反応を起こして、溶けてしまったとしたら。採便ができなくなってしまう。

そうだ。別のアプローチを試みよう。便の排出をする間、おしっこを我慢する。事が終わったら、おしっこをすればいい。よし、それだ。

「 ミッションスタートだ 」

しかし、ミッションを開始するも、なかなか遂行できない。今日わかったことだが、便の排出をする間、おしっこを我慢するというのは、不可能なのだ。チャレンジしたけど無理だった。会社のトイレの個室で、僕は世界の片鱗に触れてしまった。

もう、 致し方ない。個室を出て、小便器でおしっこを済ませ、その後に個室に行く。いや... 待て。もし、外に人がいたとしたら?
個室から急に出てきて、小便器でおしっこを済ませ、また個室に戻る。その姿を見られたら、変人確定だ。過激派だ。革命軍の将軍になってしまう。

「 ヒリヒリさせやがるぜ… 」


と心の中で僕は呟き、個室で外の様子を扉越しにうかがった。人の気配がした。足音がした。今はまだ行動を起こすべきではない。

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50秒ほどたっただろうか。

人の気配が消えた気がした。

今だ。やるしかない。

高速で動く。動いてみせる。

僕はベルトをせず、スラックスを手で押さえる形で外にでようとした。いちいちベルトを締めて外して...をやっていると、もたついて、その間に人がやってきてしまうと思ったからだ。

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「 いくぜ!! オラァァァァ!! 」

扉に手をかけ、個室から、いざ小便器へ。

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鏡の前で髪の毛を整える先輩社員がいた。
そこに いない と思っていた人が いた のだ。

めちゃくちゃびっくりした。

驚きのあまり、スラックスを持つ手が緩んだ。

スラックスはトイレの地面へパサリと落ちた。

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あぁ まるだしだ。

僕は、今日から。

変人で、過激派で、革命軍の大将軍だ。

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この話は、笑い話にするしかない。
そうやって書いたこの文章は
まるで クソみたいな日記 だ。

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