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眼科関連のおはなし👀

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お子様の近視進行抑制、ドライアイや疲れ目など大人の疾患についても解説しています。★予防医学に関する記事はこちらからどうぞ。https://note.com/4yourhealth
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なぜ怖い?子どもの近視に潜むリスクとは。近視進行抑制治療①

今週からは、私の専門分野「眼科」のお話を。「先生、“裸眼で遠くが見えづらい=近視”ということは、やはりメガネでしょうか?」…これに対する私の答え、それはメガネの説明だけではありません。 なぜでしょう? …近視治療において、今やメガネは、必要「最低限」のもので、「充分な治療ではない」からです。 お子さんのために、お父さんお母さんがしてあげられることは何か? その最新治療について、3回シリーズでお伝えします。 まずは、近視について正しく理解するところから始めましょう! 1

近視の進行をブロック、最強の打ち手を解説!近視進行抑制治療②

実は昨今、近視の「進行を抑制する」治療が、米国・欧州・シンガポールでは標準となっています。日本でも導入を始める眼科が増えているのをご存知でしょうか? 本日はその「近視進行抑制の最新治療」についてお伝えします。 1.メガネは必要最低限。かけても視力の悪化は進んでいく。ある研究で、メガネやコンタクトを【使用しなかったグループ】と【使用したグループ】の、2つグループの経過を観察しました。やはり、メガネやコンタクトを使用しなかったグループは、近視が悪化したという結果が出ています。

実践。太陽光で、視力低下をふせぐ!近視進行抑制治療③

日本では緊急事態宣言が明け、学校も再開、感染者数も落ち着いてきたようですが、当地シンガポールでは、まだまだ多くのお稽古や学習塾がオンライン、子どもの眼には厳しい環境が続いています。 今日は、子どもの近視を防ぐため、スグに出来ることを紹介します👀 【その1】20のルール、こまめに声掛けを! アメリカ眼科学会が視力悪化防止のために推奨しているのが「20のルール」。これは、「20分間、近くのものを見たら、20秒間、20フィート(約6メートル)先を見ましょう」というルールです。

「近視抑制治療」の本を執筆しました!

さて、noteでは近視抑制治療のシリーズを2回を書き終えましたが、実は今年2021年5月に、『クリニックではじめる 学童の近視抑制治療:最新エビデンスとエキスパートから学ぶ実用メソッド』という、本を執筆させていただきましたので、少しご紹介させていただければと思います。 今、これまでと比にならないくらい、眼科が連日予約でいっぱいの状況が続いています。ぶっ通しで診察しても、時間内に終わることが難しい毎日です。 これは皆さんお察しの通り、コロナ禍において、学童期のお子さんの学校

ミドルエイジ×眼のお疲れに。

今やリモートワークがニューノーマル。コロナ以降、眼の疲れを訴える人が途絶えません。常にパソコンやスマホを見ていなくちゃならない。そりゃあ眼だって相当疲れちゃいますね…! 1.眼の疲れって、なんの疲れ?私たちは眼の疲れを感覚的に感じています。 ではその時、眼の中では何が起こっているのでしょう? 人の眼は、見ている物(対象物)への距離によって、自動的にピントを調整するオートフォーカス機能を持っています。そう、まるでカメラで撮影する時自動的にピントが合うのと同じように。 その

現代人の悩み「ドライアイ」にお困りの方へ!

日本は乾燥の季節、シンガポールは常夏…共に暖房やクーラーの効いた室内でスマホやパソコンをしていると、無意識のうちに、目が痛くなったり、しみたり、徐々に見えづらくなっていませんか?それがいわゆる「ドライアイ」のサイン。その原因と対策をかんたんにご説明します! 涙は3層でできている。そのバランスの欠如がドライアイを招く ドライアイは、角膜を覆っている「涙」の蒸発のし過ぎが原因であるケースが多くみられます。実は涙は、大きく分けて、3つの層からできているのをご存知ですか(下記図参照

レーシックと老眼・緑内障の関係。

レーシックをした人も、きちんとケア・メンテナンスしてほしい「老眼や緑内障」について、シンガポールの情報誌に寄稿しています。 お役に立てたら、嬉しいです。 (写真拡大してお読みくださいね) (『マンゴスティン倶楽部』2月号より) ※noteは私的なメディアであり、勤務先の病院とは一切関係はございません。

症状が出たら、もう遅い。 それが「緑内障」。

人間ドックの眼科の結果、「要検査」と書いてあるのに、症状が特にないからと、つい後回しにしていませんか…? 眼科医として警鐘を鳴らしたいのが「緑内障」の発見です。 緑内障は、日本における失明原因の第1位。40歳以上の日本人の5%、つまり20人に1人の割合で緑内障の患者さんがいます。それほど珍しい病気ではないのですが、自覚症状に乏しいがゆえに発見が遅れがちなケースもあるのが現実。 今日はこの緑内障について簡単に解説してみようと思います。 1.緑内障とはどんな病気か? 私たち

老眼は眼内レンズで解消できる時代へ。~基礎から最先端治療を解説

名前が嫌ですよね、「老眼」って。 しかし残念ながら、誰しもに平等に訪れるこの老眼から、私たちは逃れることができません。  40代にさしかかると、裸眼視力がよく、眼鏡要らずだった方(正視)も手元がぼやけ、見えづらさを自覚することがあると思います。 これが、「老眼」です。 1.老眼とは。眼の筋肉は、遠く(無限遠)を見ている時がリラックスし、近くを見る時は筋肉を縮めてピントを合わせています。この眼のオートフォーカスの調整機能があるから、私たちは遠近不自由なく見ることができるのです