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フリーランスのチームは仕事の流通構造を変えるか?

フリーランスがチームで働くと、どんな良いことがあるのでしょうか?ひとりで寂しくない?たくさん人がいれば大きな仕事が取れるかも?仲良くなった人から仕事を紹介してもらえるかも?・・・色々あると思います。

ただ、フリーランスのメリットになっていると同時にクライアントにもメリットがあることが大切だと思います。

そこで今回、ランサーズ新しい働き方LABの企画として、フリーランスチームがなぜ必要で、フリーランスとクライアント両方にとって、どんなメリット、デメリットがあるのか?仮説を立てて検証してみたいと思います。

◆サマリー

長いので、ざっくりこの企画を説明すると下記の通りです。もしご興味があればこの先も見て頂けると嬉しいです。


目的:フリーランスチームで、上流から大きな仕事を取る
背景:最近、色々思っていることがある(下記)

  • フリーランスは下請けの末端で、損をしている事が多い?

  • フリーランスチームなら上流から仕事を取りやすくなる?

  • クライアントはフリーランスチームでコストダウンできる?

  • クライアントがフリーランスチームと取引するデメリットや障壁は多い?

  • でも、その解決方法はある?

  • 職種横断チームがフリーランスにとってメリットが大きい?

進め方:仕事を探して→人を探すという順番で進める。


◆実験の目的と背景

1.目的

この実験の目的は、仕事の流通構造の末端に位置しがちなフリーランスが、チームを組むことで、上流から大きな仕事を取ることです。

よくある仕事の流通構造(筆者作)

特に、大きな会社がエンドクライアントになる場合、フリーランスが直接仕事を受注するのは難しく、下請け経由で仕事を取るケースが多いと思います。

2.背景

では、そもそも今の流通構造はフリーランスにとって良くないのでしょうか?それを考え出した事が、今回の実験の背景です。

例えばですが、下記の4つのデメリットがあるのではないでしょうか?


フリーランスにとっての、今の流通構造のデメリット

  1. 単純に売上が減る(間に入った会社に利益が必要)

  2. エンドクライアントのニーズが理解しにくい(直接話せない)

  3. 仕事が単純化されている事が多い(直接話せない)

  4. 自分の実績として公開しにくい(ゴーストライター的な・・)


1.単純に売上が減る(間に入った会社に利益が必要)
例えば受注した会社が1,000万円で受けて、仮に全てを下請けに回すとしても、当然1,000万円未満で発注します。間に入る会社が多いほど、実際に手を動かすフリーランスの取り分は減ります。

2.エンドクライアントのニーズが理解しにくい(直接話せない)
3.仕事が単純化されている事が多い(直接話せない)
これは、デメリットでもあり、メリットでもあると思います。
エンドクライアントとの直接のやり取りは大変だと思います。期待値をコントロールしたり、クライアントがやりたい事を言語化したり、時にはクレームに対応したりと・・
つまり、直接やり取りをせずに、パッケージ化された仕事を粛々とするのは正直ラクです。間に入っている会社がしっかり仕切ってくださればメリットとも言えます。考え方次第だと思います。

4.自分の実績として公開しにくい(ゴーストライター的な・・)
もちろん多くの仕事には守秘義務があるので、いくら直接契約していたとしても、携わった仕事を実績として公開していいかはクライアントによるでしょう。しかし、フリーランスの契約先が下請けの会社であれば、あくまで自分にとってのクライアントはその下請け会社です。つまり、どれだけ大きなプロジェクトに関わろうとも、携わった仕事の内容はおろか、エンドクライアント名を他言することも許されない事が多いのではないでしょうか。


では、なぜそれができないのでしょうか?
クライアントに目を向けて、まずはそのデメリットを考え、その解決策として仮説を立ててみました。


エンドクライアントが、フリーランスと直接取引するデメリット&障壁

  1. 管理の手間

  2. 信用・リスク(契約面)

  3. 信用・リスク(品質面)

  4. 業界の慣習、過去の付き合い


1.管理の手間
フリーランス1人ができる仕事量には限界があります。そのため、上流から沢山の仕事を沢山のフリーランスに発注しようとすると、必然的に管理するフリーランスの数は増え、手間がかかります。
仮説1:フリーランスがチームを組んで窓口を一本化すれば、管理する対象は少なくなるので、解決できるのではないか?

2.信用・リスク(契約面)
1に近いですが、クライアントとして大企業を想定した場合、与信管理や契約書作成などは、個人との契約した事がない企業にとって、大きな障壁であり、例外の承認を得る手間はデメリットではないでしょうか。
仮説2:これは、ランサーズ経由の取引とすれば良いのでは?

3.信用・リスク(品質面)
納期や品質がしっかり担保されているのかという問題です。例えば大手の広告代理店であれば、一定水準の品質は期待できるでしょう。また、もし何らかの理由で発注先の担当者が退職したとしても、それをカバーできる体制が備わっている事が多いでしょう。フリーランスはここが極めて弱いと感じています。
また、ツールの問題も大きいです。会社の場合、仕事を効率的に進めるためのツールが揃っていることが多い事でしょう。しかし、フリーランスは個人なので余り高額なツールを持っていない事が多いと思います。
仮説3:フリーランスチームが一定の規模を持つ事で、もしもの時のバックアップ体制を作れるのではないか?ツール問題は、例えば法人を持つフリーランスが法人契約し、メンバーが使用できる仕組みを作る事ができないか?

4.業界の慣習、過去の付き合い
結局、一番大きな問題だと思います。発注担当者は結局今まで付き合いのある下請けを優先すると思いますし、ましてや個人集団への発注なんて想像すらしていないかも知れません。フリーランスチームを使うメリットを訴求する提案力や営業力が必要となります。
仮説4:かつてのフリーランスは職人気質な人が多かった印象ですが、最近は企画・提案力のあるフリーランスも増えているので、プロジェクトのフロントに立てるフリーランスが活躍できるのでは?

これらのデメリットや障壁をチームで解決するとともに、メリットの訴求も重要だと思います。


エンドクライアントが、フリーランスと直接取引するメリット

  1. コストダウン

  2. 斬新なアイデアが得られるかも?


1.コストダウン
これは大きいと思います。今まで1,000万円かかっていたコストが半分で済むかも知れません。

2.斬新なアイデアが得られるかも?
今まで長らく窓口となっていた下請け会社に比べると、フリーランスは新しい発想が多いのかも知れません。スキルの掛け合わせで面白いチームになる可能性もあるでしょう。

しかし、数字で示せる具体的なメリットは1.コストダウンだと考えています。



◆活動の概要

では、活動を進めるにあたって、どのようなチームを目指すのが良いのでしょうか?
フリーランスのチームも色々な形があると思います。しかし、チームを組む理由は大きく2つあると考えており「スキル・知識が足りない」「人手・時間が足りない」になるのではないでしょうか。

フリーランスの人の探し方(筆者作)

1.ひとりでできる
多くのフリーランスにとって、今までの働き方です。

2.アドバイザー・パートナー探し
スキルや知識が足りない仕事ですが、仕事量は多くないので、一時的にサポートに入ってもらうことで解決可能なケースです。(スポットコンサル、翻訳サービスなど)

3.仲間・お手伝い探し
自分でもできる仕事ですが、時間が足りないので、同じようなスキルを持っているフリーランスと組んだり、簡単な作業を外部に委託するケースです。(Webデザイナーチーム、データ入力の外部委託など)

4.職種横断チーム編成
案件に自分でできない仕事も含み、それでいて時間もないので、ガッツリと他職種のフリーランスと組むケースです。

数人で並走しながらひとつのプロジェクトに取り組むのがチームであれば、3と4がフリーランスチームになると思います。
その中でも今回私が狙いたいのは、4.職種横断チーム編成です。

クライアントの課題のスタート

なぜかというと、エンドクライアントに近い上流から仕事を獲得しようとすると、プロジェクトとして詳細な設計が出来ていない上流工程から携わっていく事が重要だと感じているためです。

何らかの課題感を持っているクライアントがいたとしても、具体的に何を行うべきかまでは定義出来ていない事が多いのではないでしょうか。
例えば、「新商品の売上を上げたい」という案件を獲得できれば、そのためのリサーチから始まり、その結果ECサイトで販売する事が相応しいと分かれば、そのサイト構築や運用まで、一気通貫で獲得できる可能性があります。

これを実現できるチームを編成し、実際に仕事を行う事を目指したいと思っています。

◆実験の測定方法

本来は定量的な測定をするべきなのですが、今回は下記2点を測定することで効果を検証したいと思います。

  1. フリーランスチームを編成することで、今まで知識やスキル不足が要因で獲得できていなかったような案件を獲得できたか?

  2. フリーランスチームで仕事を獲得した場合、エンドクライアントから仕事を獲得できているか?

◆スケジュール・進め方

案件探しから始めるので、企画の進め方とは逆になるかも知れないのですが、下記のプロセスでの進行を考えています。

7月:既存クライアント含め、職種横断チームが活躍できそうな案件を探す
8月:案件に参加して頂けそうなメンバーを探す/相談する
9月:チームを編成し案件に取り組んでみる

言うは易く行うは難しで、様々な課題が出てくると思いますが、まずはやってみたいと思います!よろしくお願いいたします。

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