創作譜面デザイナーが語る、maimaiにハマったワケ。
このブログは、maimai10周年を記念して企画された
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の参加企画になります!
maimaiを愛してやまない50名以上ものプレイヤーがmaimaiへの愛を語るこちらの企画。この記事の投稿時点でもすでに多くの記事が公開されています!
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7>1[4:2]/5>3[4:2],
1-6[4:2]/6v4[4:2],
7<5[4:2]/8>1[4:2]/4>3[4:2],
8-2[4:2]/1v3[4:2]/3-5[4:2],
8-5[4:2]/7V16[4:2]/6qq5[4:2],
❗️
すみません!maimai創作譜面の書式であいさつをしてしまいました💦
今書いたのは「こんにちは」っていう文字スライドです。(めちゃめちゃ無理矢理)
あ、まって、これ脳死で書いてたけど”わ”になってるやん。まあええか。
というわけで皆さんはじめまして、じょーじと申します。
(Twitter → https://twitter.com/4rtxxx)
はじめましてじゃない方がいるとすれば、”創作譜面の人”で認知されてるんじゃないでしょうか。
ほとんどの音ゲーで二次創作コンテンツとして流行っている「創作譜面」ですが、そのmaimai版として広く普及している”simai”というツールを使って、長年Youtubeや創作譜面のコミュニティーで発信活動をしています。
Youtubeチャンネル👇(たまにプレイ動画もあげてるよ〜)
このチャンネルのアップロード動画を”古い順”で見ると、創作譜面を始めたのは2016年の11月。今も月に4作品くらい制作しているので、6年間飽きもせずに創作譜面やってる、、、、暇かよ。歴代に作ってきた創作譜面は500譜面以上書いてるんじゃないかな。これ、本家デザイナーのそこそこの方々より多くない…?って感じで、人生の結構な時間をmaimaiとmaimai創作譜面に費やしてきた人間です。
さて、そんな譜面オタクである私なんですが、今回は
「maimaiの譜面レギュレーションの面白さ」
について語っていこうと思います!
創作譜面の界隈で細かいレギュレーション(=譜面制作における配置のルール)の話や”違憲”を6年も語り合ってると、
レギュレーションの素晴らしさや難しさへの理解がかなり深まってきます。一般のプレイヤーの方って、おそらくこのレギュレーションのことなんてほとんど考えないと思うんです。本当にトッププレイヤーの方でも、創作譜面を始めてみるとレギュレーションを完全に理解するのは50作品書いた後くらいだったりします。
つまりこの話は私にしかできない!!!!!!!!
そう思ったわけです。
前置き長くなりましたがそろそろ本題にいきます。
1. maimaiのレギュレーションの制約
まずひとこと言わせてください。
稼働初期の
コハD
天才
すぎだろ!!
そんなこと言われなくてもわかってると思うんですけど、maimaiのレギュレーションや筐体のサイズ、ノーツの要素、特に基本となる”ホールド” ”スライド” の仕様を固めた稼働初期のコハDチームマジですごいと思います。
なぜかというと、maimaiは多くの点で制限が多い音ゲーだからです。なのに面白いんです。今回はその中でも4点、お話しします。わりと言ってること当たり前のことなんですけど、改めて、ね。
①本当に手が2本しか使えない
maimaiと他の多くの音ゲーの最も違う部分は何かというと
指が使えないことだと思います。これにより、単位フレームあたりに捌けるノーツの要素がマジで2個しかないんですよね。
ってな感じで、maimaiの方が圧倒的におけるパターンが少ないはずなんですよ。
パターンだけでなく、高難易度を作る時のノーツの盛り方も難しそうですよね。
②スライドの軌道中はその手が他の音を取れない
これはよく創作譜面を作ってる時にぶち当たる壁なんですが、スライドが動いてる間は別のとこにタップを置けない=音が取れないんですよね。
こういう斬新なスライド(ちなみに、取り方わかりますか?笑)を置きたくなることがあるんですが、実はスライドの処理が終わるまでの間に全然別の音が鳴ってるんですよ…。音ゲーの高難易度ってやっぱり音取りまくりたいじゃないですか。でもこういう配置置きたくなると音は完璧に取れないんですよね。
CHUNITHMは前述の通り指が使えるのでこんなことができます。
まあちょっと例として適切かわからないんですけど、明らかにmaimaiは音取りという点で自由度が低いなって思います。
③お絵描きの自由度が低い
音ゲーってよく歌詞合わせで文字スライド置いたりするのが面白かったり、結構多くのプレーヤーが湧いたりするんですけど、、、、
maimaiも冒頭の挨拶みたいにこんにちわくらいはかけますが、あれを
・曲に合わせて置く(②と合わせて)
・すべての文字を再現する
ってなるとできないんですよね。("は"もどうやってmaimaiで書くんだ)
CHUNITHM以外にも音撃にはトレース(だったっけ)スマホ音ゲーのArcaeaなんかも判定に影響しない自由なノーツ要素があるので、maimaiはそこもシビアなレギュレーション。まあ、セガゲーの中では最古ですし、古い音ゲーの性質ってことだと思います。(弐寺はお絵描き要素皆無ですね)
④重力という制約
maimaiのもう1つ大きな性質として、縦向きの画面ということが挙げられます。
上下反転すると絶対にやりにくい譜面とかあるじゃないですか。
VIIIbit Explorerのサビとか、AMABIEのラスト(1,2,3,4,1,2,3,4,8,7,6,5,8,7,6,5,のとこ)とか、パンドラ白のラストとか上下反転で飛んできたらキレそうですよね。
多くの音ゲーが地面と並行な平面で判定パネルが設定されているのが基本ですが、maimaiは縦なんです。
上下の移動がついてくるのでおける配置も限られてきますね。
2. だけど、maimaiは面白い。
さて、いままで4つの制約をご紹介してきましたが、その中でなぜmaimaiが面白いゲームに仕上がっているのかを、前章と照らし合わせつつお話ししていきます。
まあ、結構誰でも知ってることを改めて述べるだけなんですが。
① 指なしの制約で考え抜いた、”流し”の概念。
1-①「本当に手が2本しか使えない」という制約の中どうやって要素を求めたかというと、みなさん周知の通り
流し
の要素だと思います。これ、maimaiとCHUNITHM以外で見たことありますか????すごくない??
この流しがあることによって、曲で32分の音(曲の1拍を8分割する音)が流れていても、忠実に音をとることが出来るんですよ。
さらには、流しにスライドを組み込むSchwarzschild Re:MASTER、Mutationのラストのように、流しの活用法もどんどん開拓されてますよね。
maimaiには物理ボタンがあるので、流しがあってもしっかりリズムを刻んでる感覚になるのも良いところです。チュウニズムにも小粒タップの流しやフリックの流しがありますが、やっぱり物理ボタンを通過していくのを手で感じられるmaimaiの方が個人的には好きだなと思いますね。
②音を"抜く"芸術
こちらも1-②で紹介した”制約”に関係してきます。
maimaiの音取りって、よく太鼓やってる人に「リズム訳わからん」とか言われるくらい特殊ですよね。というかそもそも、maimaiに収録できるリズムの曲とできない曲が存在する気がします。なんか、わかるよね?w
私は遅ればせながら最近SDVXを初めて、結構ハマってきてるので、最近は創作譜面でもSDVXの曲で譜面を書くことが多いんですが、BEMANIシリーズや鍵盤ゲー全般に収録されている楽曲で譜面を描こうとするとどうもしっくりこないんですよね。なんでかっていうと曲調が全然違うからです。音楽に別に詳しいわけじゃないので、あんまりはっきりしたことが言えないんですが、maimaiの高難易度で良い譜面な曲って、結構低速でメロディーの変化が豊かな感じしませんか?(Reglus、墓守、7thSense、PANDORA PARADOXXXなど)
もちろんmaimaiの曲を鍵盤ゲームに移植しても楽しい譜面って書けるんですけど、逆は難しいなあ、みたいな。楽しくてもmaimaiらしくない譜面に仕上っちゃうなって感じがします。伝われ〜
それってなんでかなって考えた時に、maimaiの譜面は「曲に完璧には合ってないんだけど、違和感のない範囲で音取り(リズム)を生成する」あるいは「音を抜く」ということをやっているなと思うからです。
最近だと躯樹の墓守の序盤とか、N3V3R G3T OV3Rとか。太古の譜面だとフレグラの音取りもすごいですよね。シュワルツ白はやりすぎ
CYCLES、Future、スリップフリップみたいな、メロディー丸無視で四分感覚でノーツ置きまくってる譜面があるのも面白いと思います。スライドの”一拍待つ仕様”(これも後で話します)も相まってこの音取りの面白い譜面が出来てるんだろうなと。
こういう素直に音をとらないmaimaiの雰囲気は、創作譜面を作る時も意識してます。最近だと面白い音取りできたのはこれかな?
この譜面は、
・歌声だけで音をとるのではなく楽器と融合させた音取りを作る
・強い音の部分にイーチを置いて打鍵感を盛り上げる
・音の高い部分にブレイクを置いて聴覚を盛り上げる
みたいな意識をして作っています。maimaiならではの音取りの作り方ですね。
とまあこんな感じで、maimaiは音取りが本当に特殊ですよね、っていうお話でした。
③スライドの一拍待ってから始まる仕様
これほんとにそこそこmaimaiやってればだれでも知ってるでしょうし、言うまでもないのはわかってるんですが、やっぱり凄い特徴じゃないですか??
FutureのRe:MASTERしかり、CYCLES、スリップフリップなど、4分音符の一個分待ってからタップを絡めてスライドがスタートする「始点タップ」の要素、これは間違いなくどの音ゲーにもないmaimaiのオンリーワンな要素だと思います。
一筆書きの配置なんかもこの仕様があるから面白くつくれますよね。
これは墓守のラストですが、3-7の直線スライドも一拍待ってくれないとできない配置です。流し、回転と絡めてこのルールも活用されることが多いですよね。
一拍待ってくれる仕様のおかげでこんなに奇抜な形のスライドも置けます。
maimaiのレギュレーション、というか仕様の会議をする時に、絶対に一拍待たない選択肢も存在してたと思うんですよね。一拍待ってからスライドを始動する仕様、思いついたの誰なんだろう。感謝したい!!!
④重力という快感要素
先ほど制約として説明した”重力”が関連する要素ですが、これのおかげで爽快感が生まれてる譜面も多数ありますよね。
これとか。
これとか。
まあ要はスライドでもTAP流しでも振り下ろしって楽しいよねって話です。
逆に重力に逆らう配置も楽しかったりするんですけどねw
でもこれ、maimaiが横向きの音ゲーだったら得られない快感だと思いませんか?
ほんとにこの仕様と筐体デザインをしてくれたコハD、ありがとうございます。
楽しいです!!!!!(急に何)
力尽きてだんだん内容が薄くなってきましたが、ここまでmaimaiの譜面が持つ制約と独特な要素について改めて振り返ってきました。
こうやってみると、結構唯一無二の音ゲーというか、10年経っても衰えないオリジナリティーだなと思いますね。譜面のルールに結構厳し目な制約があるのも、逆にmaimaiが面白い理由だと思います。なんでもできたらちょっと味気ない気がする。
こういったルールがある中で、配置のバラエティー性を追及するのは本当に大変だと思いますが、これからもノーツデザイナーの方々、応援しております!!(私もなりたい)
3. 最後に好きな譜面を紹介させてくれ〜
ということで、最後になりますが
「まだmaimaiの経験がそんなに深くない!」
「面白い譜面が知りたい!」
という方に向けて、譜面オタクのお気に入り譜面3選を紹介します!
選曲に困った時、なんか選びたくなる譜面ってありませんか?
そんな感じの、3曲です。
第3位
「Windy Hill -Zone 1」
MASTER Lv.13
動画撮ってきました↑
この譜面は、前述の音取りの観点で本当に面白いなーと思う譜面です。
大体一曲を通して同じ感じの曲調をしてるんですけど、最初は8分を中心に構成されたリズムにイーチのタップが混ざる配置から、どんどん16分の乱打が混ざるようになり、だんだん盛り上がってく感じが堪らない…!!!!
譜面製作者は、普段はプログラマーをしている「チャン@DP皆伝」さんなんですが、彼が書く譜面はこの絶妙なバランスのある譜面が多いんですよね〜。淡麗系醤油ラーメンみたいな。
他にもチャンさんの譜面はガラテアの螺旋 MASTERなどがありますが、未だに他に劣らないボス譜面のクオリティーを感じますね。
Windy Hill -Zone 1は、乱打譜面の総合的な練習になると思うので、まだやったことない人は是非遊んでみてください!
第2位
「Signature」
MASTER Lv.13
激レア譜面製作者「Techno Kitchen」の譜面。
彼の譜面はKing of シャレオツなんですよーーーーーーー
最近出た「BANG!」の譜面もおしゃれな音取りと配置が印象的でさすがテクノキッチンだと思いましたが、代表格はSignatureかな〜〜〜
特にSignatureで一番好きなのは”終わり方”で、最初に8番から6番の7センサー分の外周を右手で捌いたあと、7番から6番の8センサー外周を左手で捌かせるところ。
なんだろう、オシャレすぎない???
言葉で伝えられない、、、、
こちらは自分の動画がないので、Youtubeに上がっている外部出力などを見ていただければ幸いです。
まだまだテクノキッチンさんは引退されてないっぽいので嬉しい。
もっと譜面書いてほしいな、、、
第1位
「Backyun! 悪い女」
Re:MASTER Lv.13
こないだライブ配信でプレイしてたのでそちらを掲載しておきます。
(再生するとBackyun!のところから再生されます)
Jackさん〜!!
本気出し過ぎですよー!!!
記憶ではmaimai GreeNくらいからいる譜面製作者のJackさんの譜面。
このRe:MASTERはFiNALEあたりの時にmaimaiのオリジナルサントラが発売される記念で追加されたということで、初代の歴史あるオリ曲を各デザイナーが選んで譜面を書いてるシリーズなので、なかなかの気合いを感じますねー。
この譜面、マジで存在としては(申し訳ないけど)目立たないですし、知らない人もとっても多い(オトモダチ対戦の昇格戦に出たことはあるみたいですね)と思うんですが、私の中では堂々の一位です。
本当に譜面が完璧すぎる。
なにが完璧かというと、手の誘導が美しいほどに綺麗なんですよね、、、
6-1と6-3の直線の組み合わせだったり、
7,6,7,,4,5,4,,2,3,2,,みたいな横向きの16分乱打だったりと、現代の譜面ではあまり出てこない癖の強い配置(昔のニャインみたいな)が多いんですけど、ホールドやイーチ、その他の要素で綺麗に運指が誘導されてるんですよね。
そしてラストのこの配置。
これもうね、色気感じますよ、この配置。いや絶対に私だけだけど。
楽しいというかもう、絵画見てる感じなんですよ。
伝わらないだろうな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
でも私はこれが大好きなんです。
あと、まず曲が良かったね、Backyun!
以上、譜面オタクの好きな譜面ランキングでした。
なんと全部Lv.13。でもこれくらいの難易度がちょうど良いってことだよね。あと一番譜面制作のスキルが問われる難易度だと思います。
どれも悪い譜面は紹介してないと思うので、是非みなさんも遊んでみてね!
(ちなみに、このブログリレー企画の他の人のブログもちらっと読ませて頂いたんですが、みなさんこぞって初期譜面紹介してましたね。気持ちはめちゃめちゃわかります。いいよね、昔って。)
4. おわりに
というわけで今回は、創作譜面デザイナーとしての自分、そして本家譜面のオタクとしての自分の観点から「譜面」について語ってみました。
ブログをちゃんと書くの初めて+飛び入り参加で書かせてもらったこともあり、結構ぐだぐだな感じになっちゃったな〜。毎日ブロガーすごいわ。
でもまだまだ書きたいこと、譜面製作者の癖の話とかたくさんあるので、またの機会にこの記事の続きを書きたいですね!
maimaiの譜面はすごく特徴的ですが、10周年を迎える今からでもまだまだいろんな可能性を秘めていると思います。私も創作譜面という形でその可能性を探るのが楽しいです。だからやめられないんだろうな。
みなさんも是非、やったことない譜面、しばらくやってない譜面、初代の譜面などなど、この10周年を迎える機会に触ってみてください!!
独特な音ゲーを開発してきたmaimaiチームの努力を感じられると思います!!!
改めて、
maimai10周年、おめでとう!!
そしてありがとう!
ここまで読んでくれた皆さん、ありがとうございました!
まだまだ続く #maimai10周年ブログリレー
みなさんの投稿もお楽しみに!!
じょーじ
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