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栗村アイリと何者かになりたい自分、心の澱み ブルアカ「-ive aLIVE!」感想

暑かったり寒かったりして狂いそうです。
みなさまいかがお過ごしでしょうか。

私はといえば、相変わらずギルティギア三昧の日々を過ごしています。
ギルティを通して仲良くなった人たちとギルティ以外のゲームを遊んでみたり(ゴールデンウィークなのをいいことに朝6時までオーバーウォッチやって「外明るいやんけ!」ってなったりした)、同キャラでチームを組む対抗戦に出ることを決めたりといろいろやってます。ギルティについてのもろもろはまた別の記事を書いてみようと思ってますのでいったんこの辺で。

以下、イベント「-ive aLIVE!」のネタバレが含まれます。

-ive aLIVE!

スイーツ部のイベント来ましたね。
前回のスイーツ部のイベント(「放課後スイーツ物語 甘い秘密と銃撃戦」)のタイミングで私があまりブルアカをプレイできてなかったこともあったのと、今回のイベストを読むのも遅れた上に結局復刻されたイベントのストーリーを読む前に今回のストーリーを読んでしまった……とかいろいろあったんですが……良かった。なるべく早めに前回のイベントストーリーも読みます。

栗村アイリ。朗らかでいつも微笑んでるけど、どこかで自分のことを何者でもないと考えているような。
なんとなくですが、自分に”無個性さ”のようなものを感じているんじゃないかとは導入からの流れで思っていたし、キャラクター紹介やスイーツ部のいち部員という彼女のパーソナリティ、キャラクター性からもそういった要素は感じ取れていたプレイヤーもいるのではないでしょうか。
個人的にはデレマスのアニメの島村卯月をちょっと思い出してました。

何者かになりたいという焦燥感からバンドを提案したアイリですが、練習が遅れていること、大切な友達なのにすべてを悪い方向に捉えてしまい疲弊しきった彼女は姿を眩ませてしまう。

ツムギとの出会いやそこでかけられた言葉、先生との対話、そしてセムラの奪取を試みたスイーツ部の面々へ心情を吐露することで最悪の事態をなんとか回避するのでした。
最初に先生に心の澱みを吐き出せたのは本当に大きかったと思います。
そして先生に背中を押されスイーツ部のほかの部員たちにも真相を話せたアイリ。よかった……。

『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』でも弱音を吐くキラをアスランが叱咤して立ち直らせるシーンがありましたね。まあこっちはこっちで殴り合いに発展してもアスランは一方的にキラをボコしていたんですが……(そしてキラ、アスランの両者から殴られるシン……)。
いつも気丈に振る舞ってたり、いつも優しい人が身近にいる人に弱みを見せたっていい。
こういったエピソードを連続で浴びたのでなんだかいろいろと思うところがありました。

気のいい友達だったとしても言葉の裏を邪推してしまったり、よくない妄想や黒い感情に飲み込まれそうになったり、最終的に溝が広がり尽くして人間関係を壊してしまったりという経験は私にもあって、それらのほぼ全てが例外なく苦い記憶、思い出として頭の中に残り続けています。

私は対外的なコミュニケーションを基本的に苦手としています。
紆余曲折あって表面だけでも人当たりよく振る舞う技術というものをなんとか習得できましたが(常に実践できているかは別ですが……)、やっぱりふとした拍子にほつれてしまった部分からいろんなものが壊れてしまうんじゃないかという不安や思い込みといった部分は未だに自分の中からは消えません。

キヴォトスという超常的な、現実とは隔絶した世界の中でも人間の普遍的な感情の動きを垣間見ることができるのが『ブルーアーカイブ』というコンテンツだと私は思っているのですが、今回のイベントは一際その趣きが強いように感じます。アイリの境遇にはすごく共感できる。

ダメな自分、何者でもない自分、変わりたい自分……。
焦りから事態を悪化させてしまったり、人間関係で不具合を起こしてしまったり。
きっと私だけじゃなくてこういったことはいろんな人が経験してきているのだと思います。
正直に話すなら、アイリが羨ましいと思った。
先生やカズサ、ヨシミ、ナツに自分の思いを打ち明けられることが。

そもそも「放課後スイーツ部」はアイリの提案で結成されたことが作中で語られています。
日常の中でスイーツを食べ、同じ時間を共有する仲間がいるということ、それ自体が紛れもなくアイリの努力によって勝ち取られたもので、アイリは既に自らの手で道を切り拓いています

ヨシミのこの言葉が全てだし、このあとのナツの言葉もまた良いんだ

悩みを打ち明けたアイリはライブを成功させます。

本当にこのままでいいの?

もう大丈夫。
このままでいい。

きっとアイリ達はこれからもスイーツを食べながらおしゃべりを楽しんでいける。
栗村アイリに幸あれ。

半透明な棘が胸に溶け出す 底なしの夜でも探し始めよう
失ったものは もう戻らない だけど新しい絆がある
混沌の中で生まれた傷を消さないよ 輪郭を残したいから

―――『シャリーのアトリエ』「渇きの輪郭」

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