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ぼくは、老いた自分が、薄暗い部屋のベッドの上で、孤独死している姿をたびたび想像する。

心には、樹木や、懐かしい街と同様に、自身の墓場というものが存在する。
墓場、即ち「死」という地点から逆算して人生を歩むとき、「死」はさほど恐怖の対象でなくなる。
それゆえ、ぼくは墓場を必要とする。