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グノーシアとわたし

平素よりお世話になっております。みづさんです。


今回はちょっと趣向を変えて、最近遊んだゲームの記録をつけたいと思います。
このnoteを投稿しているアカウントで果たしてこんなnoteの内容に興味を持っていただけるのかわかりませんが、元より需要がない話ばかりしているので、まぁ、良しとします。

というわけで今回のnoteは、NintendoSwitch/Playstation Vita用ゲーム「グノーシア」のお話です。
ゲームの紹介と、わたしが感じた魅力と、実際にプレイしての感想がメインになります。

なお、軽くではありますが一部ゲームネタバレを含む内容となりますので、気になる方は閲覧を控えていただくことをおすすめします。
(エンディング内容などの重大なバレはありません)



グノーシアとは、公式サイト曰く「SF世界を舞台にした人狼ゲーム」です。

ざっくりとあらすじを紹介すると、まず、とある宇宙船に乗り込んだ乗員の一人である主人公=プレイヤーは、乗員の中に“グノーシア”という存在が紛れ込んだことを知ります。
"グノーシア"とは、未知の存在”グノース”に汚染された『元人間』を指す単語です。船外活動中にグノースに汚染されてしまった元乗員=グノーシア達は、グノースの意思に従い、船内の乗員たちをグノーシアの力をもって消滅させようと企みます。
乗員たちは自らの身を守るため、グノーシアを特定するための議論と、コールドスリープを行うことを決めました。乗員たちは一日に一人ずつ、グノーシアと思しき人物をコールドスリープして、半永久的に眠らせます。コールドスリープの対象は議論の後に行われる投票によって決まり、グノーシアを全員コールドスリープさせるか、残りのグノーシアの数が乗員数の半数以上になるまで毎日、議論と投票は続きます。

そして、とある理由から、プレイヤーはこの「対グノーシア議論/投票」を何度も繰り返すになります。プレイヤーがグノーシアを全員コールドスリープさせても、あるいはグノーシアに自身が消滅させられても、気づけばなぜか、プレイヤーは議論が始まる前の世界に遡っているのです。
議論を何度も繰り返しながら、乗員たちとも交流を深めていく中で、プレイヤーは「グノースとは何なのか」「自分はなぜ、何度も時を遡ってしまうのか」といった、船内で起きる事象の真相に迫ることになります。


ゲームとしてのグノーシアの特徴は、対戦相手が人間ではなく、ゲームの登場人物であるという点です。グノーシアはあくまで一人プレイ用ゲームであり、また通信対戦などの要素もないので、必然的に話し合いの相手もゲーム内のキャラクターになります。

で。個人的にここがゲームの特徴であり最大の魅力だと思っているんですが。このゲーム、キャラクターによって人狼パートでの動きが全く違うんですよね。
議論の進め方や発言・投票内容にキャラクターの個性が出ていると言うんでしょうか。キャラクターたちはあくまでコンピューターの判断によって動いていますが、それを感じさせない、実際に宇宙船の乗員たちと議論を展開しているような気分になるんです。本当に。

例えば、ゲームのパッケージにも起用されている赤髪の女の子「SQ」ちゃんは、ちょっとぶりっ子なキャラクターです。

ほかのキャラクターに責められたり疑われたりすると、わざとらしく哀しんだり、別のキャラクターに助けを求めたりして、自分を疑いにくい雰囲気を作ります。また、生き残ることへの執着が強い面もあることから、あえて嘘の情報を流したり、仲のいい相手と積極的に協力関係を組んだりといった行動もとります。
対して、彼女は論理的な推理が少し苦手という面も持ち合わせています。グノーシア陣営になった時に論理が破綻した嘘をついてしまい、それをきっかけとしてSQちゃんがグノーシアであるとバレてしまう。そんな事態もゲーム序盤の方では起こりがちです。
ほかにも、「人を騙すことがすきではないため、あえてグノーシアだとわかりやすい言動をする」「投票の際にはグノーシアかどうかは重視せず、自分が嫌いな人物に投票する」「女好きなキャラクターなので守護天使(※人狼ゲームでいう『騎士』『狩人』。自分以外の誰か一人をグノーシアの襲撃から守ることができる)の時には女性しか守らない」など、ゲームを進行するにつれキャラクターたちの個性が露わになっていきます。


察しの良い方はお気づきかもしれませんが、「グノーシア」は人狼ゲームを謳ってはいるものの、おおよそ人狼ゲームをまじめに遊びたい人向けのゲームではありません。

本来の人狼ゲームであれば、前述の「人狼が人狼であることを匂わせる」「議論内容を無視したメタ投票(すきな人には票を入れない/きらいな人に票を入れる)」といった行動は、場合によっては進行を阻害するNG行為にあたる恐れがあります。理由は言わずもがな、真面目に議論をしたい人の邪魔にしかならないからです。
でも、それはあくまで人狼ゲームでの話です。このゲームの中で行われているのは人狼ゲームではなく、乗員たちの命が懸かった、まさに命がけの議論です。
じゃあなおさら真面目にやれよと思われるかもしれませんが、彼らは種族や性別、産まれは違えど、全員が人間です。敵であるグノーシアですら、グノースに汚染されてはいるものの元々は人間です。嘘をついてまで、他人を消滅させてまで生き残りたいと思わない人もいれば、どんな手を使ってでも生き残りたいという人もいます。議論内での行動や投票先に、彼ら自身の生き方が反映されているといっても過言ではありません。


これは完全にわたし個人の私見ですが、グノーシアは人狼を通してキャラクターとの交流を深める、アドベンチャーゲームとしての側面の方が強いと感じています。
先日、友達との通話中にも「グノーシアめっちゃ楽しい」という旨の話をしました。ここまでnoteに書き殴ったのと似たような内容を必死に友達に伝えると、彼女は「人狼の部分はあくまでツールなんだね」といった相槌を打ってくれました。わたしはそれなりの音量で「そう!!!!!!」と同意をしました。まさしくそうなんです。
人狼パートを通じてキャラクター達一人一人を深く知っていく、グノーシアはそういうゲームなんだとわたしは思っています。


わたしは元々、このゲームを文字通り「人狼ゲーム」だと思いながら取り組んでいたため、最初のほうは人狼ゲームでの最適解を選びながら遊んでいました。けれど議論を重ねていくうちに、いつの間にか「人狼ゲームとしての最適解」ではなく「各キャラクターと接するに当たっての最適解」を選ぶようになっていたことに気づいた時、「このゲームめっちゃおもろいやん!!!!!!!!」の気持ちが爆発しました。
プレイヤーを含め各キャラクターには「演技力」「カリスマ」といったいくつかのステータスがあります。また、あくまでゲームの大目的は「グノーシアを発見すること/乗員を消滅させること」であることから、キャラクターたちのそれっぽい行動だけでゲームを完全攻略することはもちろん不可能です。とはいえキャラクターを知れば知るほど、その情報が攻略のとっかかりになることは間違いありません。逆に、キャラクターを知ろうとするためには繰り返し行われる議論を成功させていく必要があります。

この「勝ちたいから知る」「知りたいから勝つ」ループができるおかげで、本当にゲームの止め時がわからなくなるんです。

さて、ようやくプレイ感想らしいことを書きますが、ここまでの熱量からお察しいただける通り、グノーシアめちゃくちゃ楽しかったです。
ゲームは、自分を除く14人の乗員たちが持っている情報を集めていくことで物語が進行していきます。
わたしはおおよそ160回のグノーシア捜索会議を行い、その中でクリアに必要な乗員たちの情報をすべて集め、エンディングを迎えました。
ほかの方のプレイ記を見てないのでこの160回という数字がほかのプレイヤーたちの平均と比べて多いのか少ないのかは分かりません。また、160回のうち何回かは「これ負けたわ」と早々に勝負を投げてしまったこともあります。それでも、八割五分くらいの会議はあほみたいに脳汁だばだば流しながら遊んでました。

勝ったら嬉しいのでもう一戦、負けたら悔しいのでもう一戦。「あともう一回だけ!」がいつまでも続いてしまうゲームは久しぶりでした。
ここまで述べてきた、実在しているかのようなキャラクターとのやり取り・論戦が楽しかったというのもあるんですが、個人的には難易度も絶妙だったと思います。あともう一押しすれば勝てたとか、危なかったけど何とか生き残れたとかいう展開が(わたしの場合は)多く起こりました。そしてプレイヤーがゲームシステムに慣れ始めて自分のステータスもそこそこ上がった頃には、キャラクター側のステータスも上昇し、新しいスキルも覚え始めているという塩梅が、本当にちょうどいいと思います。
(※各キャラクターの情報を獲得すると、対象のキャラクターはステータスが上昇するというシステム)

肝心のキャラクターですが、これまたみんな個性的なんですよ。
14人いるキャラクター全員が一言で言い表せない尖った個性を持ち合わせています。キャラクターの印象も、議論や交流を重ねていく間にどんどん変わっていきます。かわいいな~と思ってた子がちょっと怖くなったりとか、いけ好かない奴だと思ってたらなんだかんだ良い奴じゃん!ってなったりとか、ばかだな~と思ってたら不意にシリアスな側面を見せたりとか。知れば知るほどキャラクターたちのことがだいすきにも苦手にもなっていって、最終的に全員に愛着が湧いてしまいます。
ちなみにわたしも順位がつけられないくらい全員のことがだいすきなんですが、あえて一人だけすきなキャラクターを挙げるならラキオ氏です。

ラキオは本当にいけ好かないやつです。議論中にも色んな所で口を挟んできたり、あえて役職を騙ったり、とにかく場をかき乱してきます。「ロジック」というステータスがめちゃくちゃに高いキャラクターなので、その口の挟み方も論理的に筋が通ってることが多いのもさらに歯がゆいです。
言動から察するにいわゆるツンデレキャラなのかなと思いきや、なかなかデレの顔を見せてこないのもすきすきポイントです。ずっとこちらを馬鹿にしたような、高圧的な態度を取ってきます。
でもこのラキオというキャラクター、あまりにもロジックの値が高く、かつ出しゃばりな性格が災いして、すごくコールドスリープされやすいんです。乗員であってもグノーシア側であっても、やたら喋り、やたら煽り、そして呆気なく吊られてしまうというシーンをこれでもかと見てきました。
なんかそういう、頭が良くて、場を乱そうという気もない(はずな)のに、結果的に場を大荒れにして去っていくという姿が、なんか愛しくて、わたしはラキオが嫌いになれないでいます。むしろだいすきです。

あと、ラキオは「汎性」というこのゲーム特有の性別のキャラクターでもあります。
汎性とは「後天的に選べる性」のことを指し、「無性」とも呼ばれています。いわゆる中性的なキャラクターというやつです。ちなみに汎性のキャラクターは彼以外にもいるほか、プレイヤーの性別を汎性に設定することもできます。
ゲーム内ではキャラクターごとに固有のイベントがあり、イベント用の特殊スチルも何枚か用意されています。ラキオは通常立ち絵も特殊スチルも、とにかく美を体現したような立ち居姿なのが本当にたまらんです。彼が持つ中性的な美しさや色気は、彼にしか出せない唯一無二の魅力だなぁと、プレイしながら何度も感じました。要するに見た目もすきという話。
ちなみに、

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フォロワーには性癖がばれてました。


今年に入って初めて買ったゲームがこのグノーシアだったんですが、良いゲーム体験をさせてもらったなと思います。エンディングを見た後にフォロワー氏から「似たゲームだと○○も面白いよ」とほかのゲームも進められたので、もしかしたらグノーシアも、システムとしては特段珍しくないゲームなのかもしれません。
それでも、あの宇宙船の中で幾度も繰り返した議論と交流は、わたしの心にめちゃくちゃな傷跡をつけていきました。エンディングを見終わった後に茫然自失としたゲームは本当に久しぶりです。
あくまでSF人狼というゲームジャンルである都合上、どうしても好みの分かれるゲームだとは思いますが、抵抗のない方や興味がある方はぜひ一度遊んでみていただきたいです。「対人戦は怖いけど人狼ゲーム自体には興味がある」という方には強めに推したいです。強要はしませんが。

ダメ押しのダイマをさせていただくと、ニンテンドースイッチのダウンロード版はまさかの2750円というお値打ち価格です。3000円を切るお値段のゲームとは思えないほどボリュームたっぷりです。お時間のある方はぜひに。

ぜひに。



というわけで、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
最終的にプレイ記なのかただのダイマ記事なのかわからないnoteになりましたが、本当に楽しかったんです。仕事終わりやほかのゲームの間に遊びつつ3週間くらいかけてクリアした後、この記事を書くのに1週間かけるほど、楽しかったんです。その楽しかった気持ちが少しでも伝わっていればうれしいです。

最近はファイナルファンタジー14という時間強奪オンラインゲームに入り浸ってる都合上、それ以外のコンテンツに関してはなかなか腰を据えて触れることができていないのが正直なところです。ゲームや漫画なんかは特に。
それでもたまにこうやって、ゲームや漫画や音楽、もちろん舞台や配信なんかの感想も書いていけたらいいなぁと思っております。それこそ、果たして需要があるのかは分かりませんが。

noteの感想などはお題箱に投げていただけると嬉しいです。
それでは、またそのうち。

ありがとうございました。


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