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笑顔の表現と、色の配置による演出について まっつくさんのJKC-v2-20Sを塗る


この記事は塗装に関して思ったことは最後まで無料で読めます。有料部分は他愛もない雑談です。

ニコッと笑った笑顔が特長で、良くできているせいもあって全身から感じられる元気なオーラがすごい。まっつくさんのJKC-v2-20Sの話だ。Pコートを着たこのフィギュアを塗る上で最高の楽しみは笑顔だ。白い歯とか口の中、唇とかをキレイに塗っていく作業はみるみる美人が出来上がるのはあまりにも満足度が高い。

良くできた笑顔の口の部分がうまく行ったので、目を描こうとする。いつも通りにやったはずなのに何かがおかしい。目が笑っていないのだ。「目が笑ってないよ」という言葉はこういう顔の人間に放たれるべき言葉だとすら思う。原因はチグハグさだ。口と目が表す感情が違っている。だからおかしい。なので笑顔の写真をいくつか見てみることにした。


笑顔はまず、口角が上がる。それに伴いほおの肉が上がる。そうして目の縦幅が狭くなる。すると目の中には黒目が占める面積が多くなる。なので、黒目をいつもよりも大きく塗ると良いということに気づいた。ただ、黒目のシェイプが難しい。下の弧を生かす感じ。とはいうものの黒目を大きくしすぎると目の表情が見えず、口が表現する笑顔とバランスが合わない。難しいけど楽しい時間。

何度も笑顔の写真を見ていると、ほおの肉が上がっているように見せる必要があると気づく。ピンクに寄せて暖色系の色にすることで膨張色の力を借りる。そうして盛り上がっているように演出する。ついでに目尻や目頭も少しピンクっぽくする。鼻の頭とかなんていうんだろう、皮膚が薄くなっているところをそうしていくというか。


そもそもこのフィギュアの魅力は笑顔だったので、この笑顔をうまいこと演出してやろうと思っていた。なのでオレンジのマフラーで生き生きした印象を出した。色というのは、隣接する色によっていかようにも雰囲気が変わるので、オレンジ色を使って肌の色を温かみのある方に引っ張っていく。下地に青色を使っていたのでオレンジと青の補色のバランスも互いの発色を引き立てあうので悪くない。

コートは顔まわりのコンビネーションの邪魔にならないように青く塗った。服はそんな風に地味にまとめる方向で進めた。今回は塗装面上で混色を行うというテーマもあったので、赤茶色を塗ってからそれを透かすように青色を塗り重ねて鮮やかさと重厚感を引き出した。グレイズメディウムを使って透明度の高い塗料を塗り重ねる方法は、鮮やかさを活かしながら重厚感が出るので最近気に入っている。

これくらいの(人差し指くらい)大きさのフィギュアになると、忠実に塗るというよりは色を置いていく感じだと思う。特に顔はそう。面相筆を使いながら色を置いていき全体のコンビネーションを見るのでタイル絵やちぎり絵のような感覚もある。色が並んで面を形成するという感覚がわかってくるとこういう遊びが一気に楽しくなってくる。

それによって遠くから見たときにどういう印象を抱くのかが大事だと思う。今回は生き生きしているのかをとにかく考えた。とはいうものの顔の愛らしさは欲しいので、そのいいとこ取りをやってのけるのが自分で塗装をする魅力の一つだろう。


このフィギュアは、頭、上半身、下半身、リュックにつける小物といったシンプルなパーツ構成のおかげで組み立てが楽だった。頭は二種類あるが、この前髪が揃った女性の場合は眉毛が隠れているのがポイントだと思う。それによって顔をキレイに仕上げるハードルが少し低くなっているからだ。

ありふれたシチュエーションだからこそ、微妙な角度とかポーズのニュアンスが癖になり魅力になっているフィギュアだと思う。ドラマチックな瞬間が多いのがまっつく先生の女子高生のフィギュアだが、この静かな姿がどうにも素敵で、一番好きかもしれないと思っている。


以下は他愛もない雑談というか、フィギュアと関係のあるようなないような話です。

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