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しむと建て物の感想02 -私には好きなものしか探せない-

私には、沈ゆうこさんの住んでいた部屋の写真集「しむと建て物」を見ても、彼女が好きなものしかわからない。

「へぇ、結構綺麗にしてるじゃん」招き入れた人に言われそうな言葉。私の場合は「落ち着いた色の部屋だね」とか「物が多いのにちゃんとしている」とか言われる。果たして人から見た私の部屋は本当に綺麗だろうか。

そんな風に部屋に誰かが上がり込んできたり、逆にお邪魔したりすると自然と部屋の様子を見てしまう。というか見回す。照明がオレンジ色なんだなとか、ベッドじゃなくて布団なんだとか。キッチンが広いとか狭いとか、冷蔵庫がデカイとか。そういう家具の様子を見ていると、徐々に目がなれてきて「ああ、これはこの人の趣味なんだな」と思うものにも目が行く。

それはカーテンやテーブルクロスの柄だったりとかそういう、生活用品のより細かなディテールから拾うこともできるし、私のように本や漫画を読む人であれば「この漫画を読むんだな」みたいな、そういうやつ。もしかするとフィギュアや絵が飾ってあるのかもしれない。これらを見渡しながら、外であったときとは違う人となりのようなものに触れることができる。

「沈さんは虹学派か」と思いながら「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」の表情をスケッチブックに描く女の子のフィギュアを見る。「いや、待てよ、あれはサンシャインの国木田花丸だ……全部見てるのか??」と思考は横に広がる。というか虹学あたりからキャラクターの名前をマジで覚えてないな……。

私は初代にどっぷりハマったクチなので初代の話をしたいけど、「初代はわからないんだよね」と言われてしまうかもしれない。というか、ラブライブって、初代の9人の性格と見た目と役割をシャッフルさせながらキャラクターを作って物語を展開している面白さとか、ストーリーの様式美がしっかりしていてそれが楽しいと思うんだけど、その辺はどう思っているのだろうか。

なんて思いながら、本棚を見ると、A子さんの恋人があったり、違国日記があったりする。どちらも良い漫画だよな……。私もA子さんの恋人は電子書籍を読んだ後に単行本をちゃんと買った。違国日記も買っても良い気がする。というか、こうして紙の本を買うことを諦めていない人なのがすごい良い。私は漫画はとうに諦めてしまった。


そうそう、沈ゆうこさんはタバコを吸うようだ。喫煙シーンが写真に乗っている。私は、今は咳がひどいので吸わない。しかし、吸わないと休憩がしっかり取れないという「気持ちが前のめりになりすぎている」ときは吸う。そのときには決まって、手巻きのタバコを吸うのだけど、彼女も手巻きのタバコを吸うようだ。銘柄は、巻紙は、フィルターは何を選ぶのだろうか。

なんていう「この人はこんな人っぽい!」延々と書いているが、好ましい共通点を探すというのは割と人と人が親交を深めるときに発生する現象だと思う。そして、よく言われるのは「苦手なものや嫌いなものが一致していると長続きする」という話だ。そういう意味では写ってないものに彼女の嫌いなものがあって、長く続いている彼女の友人知人はそれを瞬時に読み取れる人のかもしれない。


今後も製作記と他愛もない話をセットで書ければと思います。 サポートしてくださると嬉しいです。