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234. 830乃2


830乃1続き
高梨さんに向かう途中、海沿いの
道路に面した駐車場を確認したら
誘導されたかのようにスルリと
滑り込むように入ってしまった。


平日である事を忘れさせるほどの
地元の波乗り師が荒めの波と対話
しているのをしばらく眺めていた。
彼も毎週訪れていた記憶を引っ張り
出して今と過去を同時に樂しんで
いるように観える。

物心ついた時には土が怖いという
自覚があったわたしは、湿った
砂の匂いも苦手で、一般的には
良い香りとされる磯の香りも
不安を掻き立てる嫌なニオイ
としてインプットしていたはずが、
ゴーゴーと音を立てながら耳を
かすめる強風にもれなく乗って
くる磯の香りにホッとして心地
良さを感じている事に氣づいて
現世に持ち越したコトに関する
何かが癒やされたか手放せたの
だと理解した。
こうした一切の説明を要さない
納得はガチなので、よく分からない
ままでも感謝すると同時に自分を
褒めてやる事にしている。
ならば、素足で土の上に立てるか?
と問うと「それは無理。」と返って
きたので完全ではないらしいwww

とはいえ、過去世にて互いの命を
救い合った二人が海岸を訪れて
氣づいたささやかなコトは、
象徴的ではあると思った。

千葉県鴨川市坂下駐車場より


御目当ての高梨さんに到着。


3台分の駐車場は、地元で信頼を
獲得している証のようにフル稼働。
こじんまりとしたお店が醸し出す
〝味〟もまた、おかきと同じく良き。

食べる事が大好きな母もこの数年で
めっきり食欲が落ちているとはいえ、
口寂しい時には打ってつけの小粒の
おかきを買う事にした。
嫌いではないものの、わたしほど
お煎餅に執着のない彼は、わたしが
高梨さんのおかきを絶賛する理由を
知らない‥というか覚えていない
ようだから今回はインプットして
もらうつもりだ。

先客さんが贈答用の発送をオーダー
中という事もあり、ゆっくり選ばせて
もらって、道の駅では観かけた事が
ない濃いくち味もゲットしてお会計を
終えると、お店のご主人が「暑い日の
ご來店特典として差し上げているので、
この中からお一つずつどうぞ。」
と、サンプルと思しき小袋が入った
ざるの中から確実に美味しいと
分かっている唐辛子とプレーンを
選んだ。

程よく膨らんだ紙袋に入れられた
おかき御一行を抱えているだけで
ハートがキャッキャッと小躍り
しているのが伝わって來た。
ここから帰路に入るかと思いきや、
「キムピーって何時までだっけ?」
と彼。
ぉぉっ⁉🤩️💕✨
すかさずブクマフォルダチェーっク!
現在17:00で閉店は18:00だから
行けるってんで館山を目指す。

道中、小腹が減ってきて先程頂いた
おかきのサンプルを開封。
唐辛子味を運転してる彼の手の平に
乗せるとポンと口に放り込んで
ポリポリからの6秒後、

うん⭐︎ 旨い‥
ね⁉️

うん‥うん。これは旨い。
でっしょーー⁉️
ちゃんと餅米の味するやん?
醤油の塩味と味醂の甘みが絶妙やん?

旨いわ。 ※インプット完了‼︎ ( ̄- ̄)ゞ
ここのが食べたいってなるの
わかるっしょ?

ぁ‥そんなこと言って、ある日突然、
美味しいおかき食べたいなぁとか
言ってここまで來させる氣だろww

((*´∀`))なにそれw オモロぃけどw

美味しいおかき食べたいなぁ。
ねえ!ハルコ美味しいお煎餅
食べたくなっちゃったのよねって、
アンタって、いっつもそうよね。
そうよ、アンタってそういう人なのよ。
ノリちゃん(母)に言い付けてやる。

・。・(ノ∀`)σ・。・゚イーッヒッヒッヒッヒッヒ

運転好きのジジイと美味しいモン
好きのババア、どちらが欠けても
今この瞬間の幸福感は味わえない
と思うと良い組み合わせなんじゃね?と。
こんな風に彼とのドライブで幸せな
イマココを噛み締める事が多いのも
ドライブに出かける樂しみの一つだ。

見慣れた景色が目に飛び込んできた。
御目当てのキムピーこと〝キネピ〟は
近い。
ピーナッツ関連商品を扱う直売所さんの
こっくりとしたピーナッツソフト
クリームの濃さと舌触り共に
ドストライクの絶品で館山を訪れたら
なかぱんさんと並んで素通り出來ない
スポットだったりする。

ちょっとばかしご無沙汰していた
事が幸いしてピーナッツソフトの
クオリティーを再確認するに至った。
ぃぁー‥至福。❤️(´︶`)✨
ちょっ早で溶けるので一口食べたら
ノンストップで食べてしまったので
画像は以前のもの。

日没間近の18時ちょぃ前、辺りは
だいぶ暗くなってきて雨も降ったり
止んだりの間隔が短くなってきた。
館山から高速ですっ飛ばして帰れば
良いのかもだけど、本日の下道旅が
樂しすぎたので急ぐ必要もないから
下道旅を延長してゆっくり帰る事に。

ならば海沿いを走って帰ろうと
海沿いに出られないかとそれらしき
道に逸れてみるも、出られそうも
ないのでUターンしたら何故か
海沿いに出た。
辺りは既に真っ暗なのに携帯の
カメラが優秀なのか、朝とも夜
ともわからない不思議な写真
が撮れた。

岩井海岸 多分

試しに動画も撮ってみたが同じ。
良いんだか悪いんだか分からないけど、
なんか‥デジタルって凄いねww

元の道に戻って車窓を流れる
景色を眺めながめていると
前回にはなかった施設が増えて
いる事に氣づくも、施設から
発しているモノが元氣な外資と
感じ〝絶滅危惧種〟と世界から
揶揄される日本人としては
旅の最後で複雑な氣持ちになった。


この日のドライブは、風が強く
雨が降ったり止んだりを繰り返す
忙しい空だったためか〝氣配〟が
したと思うと途切れるの繰り返し
だったので氣配がしたら連写して
いたら、島に帰って久しぶりに
頼もしかったお爺の背中を見たら
小さくなってて…みたいなの撮れて
生きてるだけで良いじゃんよ…
と思わせてくれた。

いつかの島のお爺


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