見出し画像

58. 風に吹かれて


むむっ?! 
引きこもり生活の記録更新中なれど、今日は散歩に出ようとコアが言った先週、用事を済ませたその足で散歩に出かけた。
まずは川面を覗き込むも、曇った空が水面に白飛び現象を起こして水の中がよく見えないし、生体反応を感じないわけでもないから、もしかすると対岸側を移動中なのかもしれないと、諦めきれずに子どもかっ!ってくらい少し歩いては川面を覗き込んでなかなか進まない。 
そうそうボラの群れに遭遇することはないとはわかりつつ、コアが誘ったぐらいだからひょっとして‥なんて淡い期待を抱いたけどそう都合よくは行かないみたいだから諦めて「今日はボラっちいませんねぇー。」と周囲に誰も居ないのをいいことにフツーのボリュームで独り言をつぶやくと。

いるけど!

とばかりに大きな音をたててデカぃボラが跳ねたのが合図だったかのように、背後で数秒おきにポチャン!! ボチャッ!! と賑やかで、時折、バッシャーン!と、飛び込み失敗した時の、ヒトだったら真っ赤っかになって痛い級の音が聞こえるとつい「痛っ!!!!!」と痛くも無いのに呟きながら歩いていると、
鵜のランチタイムに遭遇。
これだけ泳いでいるのだから入れ食い状態のはずながら大変そうで、潜っては浮上を3回ほど繰り返した嘴で銀色にきらりと光る子ボラ。

画像4

自分を鵜と子ボラの双方に立たせて、相対する感情を味わっていると、今日は、風が散歩に誘ったのだとコアが教えてくれた。といっても、ファンタスティックだったりドラマティックなイベントが待っているわけではないことは分かっている。
それでも、風が呼んでくれたってだけで楽しくなってくるから不思議だ。
見晴らしの良い土手に到着すると同時にちょっとよろけるくらいの風が吹いて全身を包まれるくらいの想像してたら思いの外、ナシノツブテ。

ぉぃッ‥ 
ちょっとぉ、来たからぁっ! 

ここでようやく、ブホォォォォーーーーッ!!と横殴りの風が吹いてそちらに目をやると、川の上空で旋回してるヤーツがいる?!

画像1


ぇ 猛禽っ?! 
テンション一氣にだだアガリ。
目をこらすも、遠すぎるわ、曇ってるわで色もよく分からない。
カラスよりデカい氣がするが、この辺りでトンビは見たことないし、ノスリやチョウゲンボウほど小型じゃないし、腹も白っぽくない。
ここより上流地域で見かけるようになった猛禽と同種か?
近づこうと土手を降り始めたら、こちらの動きを察知して逃げられてしまったけど、4~5羽ほどで居たところを見ると若様なのかもしれない。
一体、アヤツは誰なんだ‥という疑問に、後日、オオタカの幼鳥説が浮上
したので、とりあえずそういうことに。

画像2



川岸と同化してりゃ戻ってくるかも?とか淡い期待を込めてオーラを縮めるも、上から何でもお見通しなのだろう、姿すら見えなくなったので諦めて歩き始めると、「ぉぉ! ススキじゃん!」て、地元の同級生に数十年ぶりに
会ったかのように声をかける。
ここ数年でパンパスグラスに追いやられ、ススキを見かけなくなって寂しかったこともあり、思わず声かけていた。
ちなみに、魔法使いのほうきを彷彿とさせるパンパスグラス、あれはあれでゴージャスっぷりが素敵だと思ってるけど、秋はススキに居てほしい。

再び土手の上に立つ。
風が呼んでるってワリには、いまひとつ繋がってる感がない。
どうしたもんかとだだっ広い川を見つめていると、「あの方法で‥。」との
コアの呟きのまま、自分の外側、五感で感じている風をハートから入れてみると、なんということでしょう!
何がどうなってこうなって‥という説明はできないものの、ハート部分の内側がスーッとしたよね。
ぁぁ、これこれ。 想像してたヤツこれだよ。
言葉にできないまま満足して帰宅する途中、そういえば、あれだけのボラがいたわりには、鵜が少なかったな‥と思ったところで、

いるけど!

とばかりに均等に浮いているブイの一つひとつに鵜が休憩して並んでるの図が目に飛び込んでキタ。
ハハハ‥ そうか、世界は創造主の思うままだったよね。
ちゃんと応えてくれていたんだよね。
これを中心に持ってきたいんだよな‥w
と、呟きながら風に吹かれていた。

画像4


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?