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77. トーテムアニマルに逢う


何でこんな所に?
ベストを着せたマルチーズ他、犬を数匹連れてバスロータリー内にいる。
散歩をさせているようなのだけれど、何でここ?
移動ミニ動物園規模と思しき弱小サーカス団に所属しているっぽい我々は、駐車中の大型のバスのすぐ後ろ、おそらくバスからは死角と思われる所にいる。
散歩の同行者は、実妹もしくは娘と思われる。
普段から彼女たちを言い間違えるほどだから氣配ではどちらなのか判断しかねている。

氣づくと、散歩させているのは犬だけではなく大型のネコ科も連れている。
この世的にはクーガー(ピューマ)に酷似している。
ショーでは、この大型ネコが人を襲うというのがサーカスの目玉らしく、団員は生贄の順番待ちをしつつ、ショー以外の裏方の仕事も兼任しているようだった。
この大型ネコ、普段からイライラしていることが多い上に突然、何かにキレて向かっていくから氣を抜けないことはもちろん、傍にいるだけで氣が急いてしまうからあまり好きな存在ではなかったのだけれど、或る日のショーで
の彼女に対して何かが引っかかっていた。
その日のショーで団員は命を落とさなかったばかりか、怪我も驚くほど軽傷だったのは偶然だろうか?というクエスチョンが頭の片隅にありつつの散歩中、ネコが何かにキレて暴れだした。

小型犬たちを非難させ、ネコのリードを持っていた自分が自動的に生贄となるわけで、恐怖心を一氣にMAXへと誘う唸り声と息遣いが迫りくる中、中途半端に生き残って苦しむより一思いに噛み殺してくれた方がいいんだけどなぁ‥上手く噛みついてくれよ‥なんてことを思った時、ネコが噛みついてきたのだけれど、アレ? 痛くない‥つか、甘噛み?
覚悟を決めて地面に倒れ込んだはずなのに‥と事態が把握できないままネコを確認すると、自分の膝にクネクネしながらスリスリしているようにしか見えず、混乱しているところに見た目が実妹で中身が娘の同行者が「やっぱり!」と言った。
「もしかして‥知ってた?」
「ひょっとしたらそうかな‥って思ってた。」
「わたしもなんだよね、この間も噛み方があまい氣がしたんだよね。」
「そうそう!」
懐いている風の大型ネコに思わず手を伸ばしてアゴを撫でたら一層、クネクネし始めてヘソ天しちゃってるネコから「夲当はあんなことしたくなかったんだよ。」と伝わってきた。

ぁぁ‥
生きるためにしたくないことをし続けてきたんだね‥‥。
四つ足も二足歩行もやってることは同じだ。


ネコに対して湧き上がる思いで胸がいっぱいになりながらなら、思いっきり彼女を抱きしめた所で、視界に大型バスが入ってきた。
「だから何でこんな所にいるのよ。
 もうこんな危険な所に居なくて良いでしょうに。
 ていうか、居ちゃいけない。 さぁ、もうみんな行こ。
 犬は犬として、大型ネコは大型ネコとして、ヒトはヒトとして在りつつ   一緒に暮らせる所に移動すっぞー。」

という所で目が覚めて一呼吸してからニヤリと笑った。
何の確証もないのに吉夢な氣がしたのは、ネイティブアメリカンの曼荼羅、メディスンホイールによる誕生月のトーテムアニマルがクーガーだからかもしれない。
そして、夢の中でも実妹と娘がカブっていたことに思い出し笑いをした朝だった。

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画像提供 Pixaboy / Corinna StoefflUSA-Reiseblogger

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