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令和5年(2023年) 日本語教育能力検定試験に合格しました

皆様こんにちは。
タイトルの通り、私は 令和5年(2023年)度の「日本語教育能力検定試験」に合格しました!!

「いや、まだ結果わからないよね?」と思われている方もいらっしゃるかと思います。
はい、公式の結果は12月22日に送付されますので、それまではわかりませんが
アルクの解答速報で自己採点をした結果、180/220(記述を除く) でしたので、仮に記述が0点でも十分合格できるラインです。
したがって、私はすっかり合格した気分でいます。

本日の記事は「合格を自慢したい」わけではなく
「なぜ一発で合格できたのか」ということについて皆様にシェアさせていただきたいと考えています。



一発合格の秘密

私は今回初めて試験を受けて、一発で合格しました。
合格率が30%弱の試験で、何度も挑戦される方が多い中
幸いにも一発で合格することができました。

なぜ合格できたのか、すなわち「どうやって問題が解けるようになったのか」これを紐解くと、
「ヒューマンアカデミーの日本語教師養成講座」を受けていたからというのが一番大きな要因かもしれません。

ヒューマンアカデミーの日本語教師養成講座

以前の記事でも書きましたが、ヒューマンアカデミーの日本語教師養成講座では、合計12回の科目テストに合格する必要があります。
私はこのテストですべてA判定、すなわち80点以上を獲得しています。
厳密にいいますと、私は90点以下を取ったことがありません。
ほとんどのテストが94点以上、12回中3回は100点でした。

何が言いたいかと言いますと、私はこのテストの対策を頑張りました。
100点取るつもりで毎回テスト対策をしていました。
この科目テスト、実は、日本語教育能力検定試験の簡易バージョンのような形式で作問されています。
ですので、このテストで高得点が取れる=日本語教育能力検定試験の基礎ができている。という状態になるので、私は養成講座を受けながら、自然に基礎的な試験対策も行っていたという風に感じています。

その他の試験対策について

上記、養成講座内で無意識のうちに基礎的な試験対策を行いながら
それ以外に私が行った試験対策は下記4つのみです。

1. ヒューマンアカデミーの赤本を1回通しで読む
2. 赤本の問題を1回通しで解く
3. 過去3年分の日本語教育能力検定試験過去問を解く
4. 試験Ⅱの対策を徹底的に行う

1. ヒューマンアカデミーの赤本を1回通しで読む

ヒューマンアカデミーからでている
日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド (通称: 赤本)」を1回通しで読みました。
多くの部分が日本語教師養成講座で勉強している内容と重複していますので、
学んできたことを復習しつつ、講座内では扱っていない+αの知識を入れていくようなイメージで取り組みました。

2. 赤本の問題を1回通しで解く

上記の赤本の章末に確認テストのようなものがついているので、これをすべて解きました。
その後、間違っているところはなぜ間違ったのか確認をしました。

3. 過去3年分の日本語教育能力検定試験過去問を解く

令和2年〜4年度の3年分の過去問を解いて、間違っていたところはなぜ間違ったのか、正答はなにか確認しました。
解答の確認については、「はま先生」という方のホームページを参考にさせて頂きました。過去問の解答が全て解説されていて非常にわかりやすく、勉強になりました。

ちなみにですが、私は2023年8月に初めて過去問(令和2年度)を解きました。
その時は 160/220 (記述抜き) でした。合格ラインはだいたい165
〜170点といわれていますから、ギリギリのところにいました。
ですので、日々の養成講座での学習がいかに試験対策に効果的だったかをご理解いただけると思います。

また、ここからは少し余談になりますが
過去問をやる時は「本番を意識する事」が大事だと私は考えているため、下記環境で行いました

1. 過去問は本番の時間割とおりに行う
(試験開始・休憩時間等含め全く同じ時間割で行う)
2. 飲み物や昼食・間食についても「本番と同じもの」を食べる&飲む
(食べた後に眠くなるか、尿意はどのくらいでくるのか、どの程度我慢できるのかを把握して慣れておくため)
3. Youtubeで「試験会場の環境音」のBGMを流す
(筆記音・ページめくり音・咳払いの音など、試験会場の環境音のBGMがあるのでそれを聞きながら問題を解く)
4. 部屋の窓を全開にして、車の通る音や外を歩く人達の話し声などが聞こえる状態にする

こんな感じで、可能な限り「試験当日」と似たような環境を作って
その環境下で最大のパフォーマンスを発揮できるように体を準備しました。

実は試験本番で、試験中に携帯のバイブが何度も鳴る人、小声でボソボソ何か呟いている人、咳やくしゃみをする人がいました。
(咳、くしゃみは生理現象なので仕方ないですが、携帯バイブと小声ボソボソに関しては「取り締まってよ!」と思いました。)
また、試験は大学で受けますので、校内で遊んでいる子供の声や、犬の鳴き声が聞こえました。
なので、どんな環境でも試験に集中できるように、自宅で過去問を解く時は、できるだけ集中できない状態にしておくと良いと思います。
私は事前準備・想定をしていたおかげで、本番で上記が発生しましたが気を取られること無く、ずっと集中状態を保つことができました。

4. 試験Ⅱの対策を徹底的に行う

過去3年分の過去問を解いて、試験ⅠとⅢに関しては70〜75%くらい、試験Ⅱは50〜60%くらい取れることがわかりました。
ⅠとⅢに関しては、範囲が広すぎるため、限られた時間の中でこれ以上点数を上げることは難しいだろうと判断しました。
逆に、試験Ⅱは毎年同じ形式の問題が出ることがわかったため、対策をすればさらに得点できるだろうと思いました。

そこで、試験Ⅱの分析と徹底的な対策を行いました。
まず問題1のアクセントは、
1音目と2音目のパターンは4つ(「高低」「低高」「高高」「低低」)しかありません。
なので、音声が2回流れるうちの1回目は最初の2音だけ聞く。
問題文によっては、最初の2音は同じで、3音目からバラけるパターンもありますが、その場合、2音目と3音目だけを聞く。
そうすると、選択肢が4つあるうちの2つに大体絞れます。
あとは、2回目の音声で2つのうちどちらかを集中して聞くだけです。

問題2は、選択肢の言葉の意味さえ分かれば満点が取れます。
「アクセントの下がり目」「句末・文末イントネーション」「プロミネンス」「特殊拍の種類」「特殊拍の位置」「ポーズ」などがありますが、
これらの「発音上の間違い」というのはどういうものか?が分かれば、
あとはその間違いがあるかないか音声を聞いて判断するだけなので簡単です。

例えば「アクセントの下がり目」の間違いというのは、
さかな(低高高) を さかな(高低低)で発音したら「アクセントの下がり目」の間違いです。
もっと簡単に言えば、音声を聞いて「あれ、今の単語の発音が変だったな?」というのがあればそれは「アクセントの下がり目」の間違いです。

「句末・文末イントネーション」だったら、句末・文末で疑問文でもないのにイントネーションが変に上がっていたら間違いです。

「プロミネンス」は、質問に対して答えになるべき部分以外を強調していたら間違いです。
例えば、「昨日はどこに行きましたか?」という質問に対して
「昨日は、東京にいきました。」と、「どこ」に対応する「東京」以外の部分を強調していたら間違いです。

・・・このような感じで、それぞれの選択肢の「間違い」がどういうものかを理解していれば満点がとれます。

問題3は聴解ではなく、知識問題です。
口腔断面図に関しては、「この図はこの調音点・調音法でこの子音」というのがセットで頭に入っていれば解けます。
パターンはそんなに多くありませんので覚えましょう。
私は下記動画を1日1回観て覚えました。
(慣れてきたら2倍速で観ていました。)
https://www.youtube.com/watch?v=9LMOizxi58o
(※上記動画の「はま先生」という方は、日本語教育能力検定試験対策のプロです。非常に有益且つわかりやすい情報をたくさん提供してくださっています。
上記動画以外にもご参考になるものがあると思います)

間違いの種類を選ぶ問題は、
「その選択肢の間違いは、子音の間違いなのか・母音の間違いなのか」をまずは理解しておけばOKです。
例えば、「調音点」「調音法」「声帯振動」という選択肢は子音の間違いです。
「舌の前後位置」「舌の高さ」「唇のまるめ」は母音です。
これが分かれば、たとえば「モッツァレラチーズ」を「モッチャレラチーズ」と学習者が言った場合、ツ→チ ですから子音の間違いだとわかります。
あとは、[ts]→ [tɕ] ですから 日本語のIPA(国際発音記号)で子音のアルファベットが2つは「破擦音」ですので調音法は同じ、そうなると違うのは「調音点」だけということになります。
([ts]無声歯茎破擦音 → [tɕ]無声歯茎硬口蓋破擦音)
こんな感じで、問題3に関しては口腔断面図と音声記号を覚えれば満点が取れます。

・・・というような感じで他の問題も徹底的に対策をして、
過去問では試験Ⅱで満点取れるようになりました。
しかし、残念ながら本番では34/40点でした。正直満点取れると思っていたので悔しかったです。(問題4,5で結構間違えました。)
それでも、当初よりも得点率が大幅にアップしたので、やはり試験Ⅱだけを徹底的に対策したのが功を奏したと言えます。

記述対策は?

記述対策は一切していません。
なぜなら、最初から「記述が0点でも合格できるライン」を目指していたからです。
記述に関しては、20点中10点取れれば良いやくらいに思っていまして、
下記4点さえ抑えて書けば、10点は取れるんじゃないかと個人的には思っています。

1. 質問に答える
2. その理由を説明する
3. 反対意見を考慮する
4. まとめる

1. 質問に答える

まず最初に質問に答えます。
「◯◯についてどう思うか」
「キーワードを使ってあなたの考えを〜〜〜」
「〜〜〜という条件で、あなたならどういう授業をするか」
などなど、いろいろ質問されると思います。
その質問に対する自分の答えをまず最初に簡潔に書きます。
質問は複数ある場合がありますので、漏らさずすべてに回答します。

2. その理由を説明する

「なぜなら〜」から文を始めて、その理由を書きます。
自身の答えと矛盾しないように、「私はなぜそう思うのか」を簡潔に書きます。

3. 反対意見を考慮する

反対意見もありそうなトピックの場合は
「たしかに〜」から文を始めて、反対意見にも触れつつ、自身の意見を支持します。
「たしかに◯◯という部分もあるしそれはそれで理解できる。それでも□□という部分で、私の考えの方がより多くの人(学習者)を救える」というような展開にできるとよさそうです。

4. まとめる

最後に、最初の自分の答えを簡潔にまとめて終わり

このフォーマットで書けば、最低でも半分の10点は取れると勝手に思っています。
あとは、内容次第でさらなる加点があればラッキーくらいの感覚です。
私は上記4点を抑えて書くことだけを頭の中に入れて、本番でそのように書きました。

最後に

ざっと書かせて頂きましたが、やはり冒頭でも述べましたように
「日本語教師養成講座」をしっかり受けて、科目テストの対策を毎回完璧にしていたことが日本語教育能力検定試験を一発で合格できた最も大きな要因だと考えています。
例えば、私が養成講座を修了して1年後に試験を受けたとしたら、もしかしたら受かっていないかも知れません。
なぜなら、養成講座で学んだ知識・模擬授業や教育実習を通して得た経験の記憶は、修了後にどんどん薄れていくからです。
私は養成講座を9月末に修了して、翌月に試験を受けましたから、比較的頭がフレッシュな状態で挑めたのではないかと思っていまして、これも一発合格できた要因の1つであると考えています。
勉強法は人それぞれ向き不向きもあると思いますので一概には言えないところではありますが、何かご参考になりましたら幸いです。


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