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ケータイ業界(法人)はどこへ行く?①

みなさん こんにちは  4DL Technologies株式会社CCOの荒巻順です。

旧ブログにも書きましたが、2022年度まで20数年間にわたって手がけていた某通信キャリア向けの代理店法人営業研修という仕事から撤退をしました。経緯はともかくとして、その結果ある程度自由に発言もできるようになりましたので、その辺の話をしばらく書いてみたいと思います。

世の中には、理想と現実がありますので、善し悪しではなくそのバランスを考える事が大事であることを大前提としてお読みください。

まず、通信キャリアにしても代理店法人にしても、ビジネスとして収益をどう上げるかがお互いの思惑(目標かな)。その中で、代理店はその名の如くキャリアの作る枠組みの中で、キャリアブランドでビジネス展開して利益を確保しなくてはいけない。

通信キャリアは事業計画の中で、どれだけ「事業数値」を上げるか。その中からインセンティブで代理店法人へ成績に応じた利益分配をするわけです。

通信キャリアの代理店手数料に関してはマル秘情報ですから、私も長年やっていましたがあずかり知らぬコトが沢山あります。しかし、色々と漏れ聞く話を総合すると、複雑怪奇とまでは言いませんが、他業界の代理店手数料体系とは似て非なる構造になっている。

この辺は、最近もたまにニュースになる「実質1円端末」とかが出てくる背景でもあるのだと思います。

というなかで、通信キャリアの法人営業HQが代理店法人に何を求めていたのかを整理してみます。

まず総論としては簡単な話で「顧客基盤 × 収益基盤」の両面を追うという簡単なビジネスモデルです。回線数を維持拡大する(顧客基盤としての通話通信料金)&付加価値商材を獲得(収益基盤としてのソリューション商材)すると言う話。

しかし、回線数を維持拡大をやいのやいのと言っても、これは世の中の普及率で頭打ちが来ているからむずかしい。

IoT分野などセンサー系での回線数獲得とかが今後も有望ですが、これはどちらかというと代理店の仕事ではなく通信キャリア直営法人の仕事です。理由は、案件としての足が遅い(検証や実証含め、システム開発が大がかりで契約までに時間がかかる)から。

やはり、代理店には足の速い(契約までに時間のかからない)ビジネスを担って貰うのが通信キャリアの根本的な要望でしょう。なので四半期毎に評価される仕組みになっている。

顧客基盤である、契約回線を拡大するにも純粋新規はもう今どきはそうそうない。
となると、他キャリアの回線をMNPで奪ってくる。これはシェア拡大という営業目標からすると、関係者一同いちばんありがたい話。

しかし、ここは完全に一般的な料金プランではないアイタイとかトクタイと言われる値下げ競争の世界なのは業界の法人部門の人は良くわかっていることですね。

通信キャリアとしてMNPで他社から奪還すれば、回線シェアは上がる。とは言え、値引き勝負の利益激薄の取組。まだうちのお客様である通信キャリアは、利益意識がしっかりしているけど、聞くところでは他の通信キャリアは、おいおいどう考えても、それ赤字でしょ、ってくらいスゴイ数字を出してくるらしいという噂、噂ですからね、噂(笑)

しかし、インフラ屋として基本料金+定額通信料が基本のビジネスDNAを持っている通信キャリアとしては、契約数シェアを維持拡大することは利益を拡大することと同義ではないが、モチベーションを潜在的に強く持つのは事実。

どうしても、昔のチャリンチャリンビジネスのDNAは消えない。というか、誰もがめざすビジネスモデルなんですけどね、最近のサブスクしかり(もちろん、サブスクと昔からのチャリンチャリンビジネスは似て非なるものなのは言うまでもない)

なので、顧客基盤の拡大はいつの時代も優先項目として指標に上がっている。とくにMNPを獲得するコトへのインセンティブは大きい。(らいしいとしておきます)

しかし、このMNPは通信キャリアだけではなく、代理店も間違いなく体力勝負の土俵。代理店だって、獲得のためには自社の粗利をどう削って、通信キャリアからのインセンティブであとからどう穴埋めして、評価指標を目達するかに知恵を絞るわけです。

商売ですから、コンプライアンス的に問題なければ最終的に黒字になれば何も問題はない。

しかし、たぶん業界プレーヤーの全員(他キャリア含め)が判っている「いつまで消耗戦やるの?」

ここを、脱却するかが「収益基盤」サイドへのシフト。業界的な言い方すると「ソリューション商材」の拡販。

お客様のビジネスフローの中に、自分たちの取り扱う各社のソリューション商材(docomo businessで言うところのdXストアちかビジネスプラスと言われる分野)を採用していただく。

電話はともかくとして、業務用のシステムに入り込むと継続利用も更に見込める(解約のハードルが上がりますしね、何らかの業務システムを使い始めると)

ここまでが、通信キャリアHQの戦略方針なわけです。業界の人は良くわかっている話ですが。

ちょっと話は変わりますが、昔から関係者一同「商材」って単語を普通に使う世界なんですよね、ケータイ業界は法人営業も。

「商材」がなんなんだ?その言葉になんの問題があるのか?やめれば何が変わるって訳では無いのかもしれませんが、私には昔からとても引っかかっている単語。お客様にも何度も色々とお伝えした記憶ありなんですが・・・

さて、続く。


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