見出し画像

競輪選手の妻のつぶやきvol.1(投稿者:妻)

皆様はじめまして。
競輪選手の妻としての目線で書くというのは初めてのことで、家庭のことを書くのはちょっとお恥ずかしいところもあるのですが、競輪選手の生活が少しでも皆様のご参考になればと思い失礼いたします。

vol.1

「亭主元気で留守がいい」とはよくいったもので、競輪選手である夫は基本的にレースが月に3回あるときは3分の1くらいしか家にいません。競輪選手はオフシーズンがない上、夏休みやお正月休みといったお休みもありません。ましてや、レースとレースの合間はトレーニングやボディケアをする時間に当てるので完全にオフという日はほぼゼロ。それでも「元気であれば何より!」なのですが・・・。
忘れもしません。結婚したその年の暮れ。
レース中に落車転倒し、そのとき私は中継で夫が出走しているレースを観ていました。

レース中、突然の落車。夫が落車してしまったのです。心臓がバクバクと音を立て手や足が震えて止まらなかったのを覚えています。
でも中継では落車した選手のその後の状況は放送されません。擦過傷程度なのか、骨折しているのか、あるいは意識はあるのかないのか・・・家族としてはすぐに知りたいところ。やきもきしながら、無事を祈りただただ待つしかありませんでした。

数時間たったそのとき、知らない番号からかかってきたので嫌な予感はしていたのですが、電話に出るとなんと病院からでした!それもとても慌てた様子で医師から直接「ご主人、今から造影検査をするのですがよろしいでしょうか?場合によってはご家族にすぐに集まっていただくことになるかもしれません」と。
目の前は真っ暗というより真っ白。ことの深刻さに素直に受け止めることができずにいました。
結論から言うと、一命はとりとめたものの落車の影響で、恥骨結合離解といって恥骨をつなぐとても大切な部分が外れてしまい歩けなくなってしまったとのことでした。復帰どころか歩くことさえできないという、とても大きな怪我となってしまいました。
すぐに病院へ駆けつけると、本人はケロっとした表情でいました。今思うと心配かけまいと思ったのでしょう。意識も食欲もしっかりあって「モスバーガーが食べたいから買ってきて」なんて言ってましたが・・・笑。手術するまでの間、寝たきり状態で本人も相当きつかったと思います。
それから手術、リハビリを経て、3か月ほどで復帰しました。アスリートのこの回復力と早く復帰できた理由についてはまたおいおい書きたいと思います。担当医も「こんなに短い期間で復帰できるなんて前代未聞です!」とおっしゃっていましたが。
何より本人が気持ち腐らずまた一から頑張るぞと臨んでいることが私としては良かったなと思いました。
それにしても結婚して早々、落車の洗礼を受けてしまいましたが、このことで家族の絆が深まったのと、改めて命と背中合わせのスポーツなのだということを実感しました。

  

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?