『プレミア割られた』ってそんな珍しい話なの??
こんにちはこんばんは、しばいぬです🐕
なんとなくの思い付きでブログ的にnoteを書き始めることにしました。
本当になんとなくです。別に何か売るとかはないですしフォロワーを増やしたいとかも特になく、単に自分の思考の整理くらいの感覚ですね。
ちなみにですが、戦略的なことについては特に書かない予定です。
いくつか理由はありますが、代表的なところとしては
・自分が書かなくてももっとすごい人たちが十分戦略的なことは書いている
・戦略的なことを一般向けに公開するメリットをあまり感じてない
・賛否の議論に巻き込まれるのが面倒
って感じ。
もちろん戦略的な勉強はたくさんしてますが、それはまぁまたなんか別の形で。
それよりもポーカーにおける戦略外のあるあるや、精神的な向き合い方について自由に書いていきます。
まぁあくまでブログ的な感じなので、ね。
ってことで前置きはこれくらいに本編に行きます。
『プレミア割られた』ってそんな珍しい話なの??
はい、ポーカーやってると日々ツイートで目にするやつですね。
みたいなやつ。
はい、まぁお気持ちは非常に分かります。
自分も参加費20万円するAPTのメインイベントで
フラドロ絶対降りないマンにpot betについてこられてAAのセットを割られた時は流石に焼けました😇
AA vs AAのPFAIで1枚フラッシュ引かれたこともあります笑
と、まぁ『プレミア割られる』『薄いアウツを引かれる』なんてのはあるあるなわけですが
これって果たしてそんなに珍しいことなの?ということなわけですね。
よく見るシチュエーションの代表的なEQを出してみましょうか。
<プリフロップのEQ>
まぁこの辺がPFAIする典型的なやつでしょう。改めてまとめると
って感じ。スートやポケットのランクによって若干変わりますがざっくりとしてはこんな感じ。
<フロップ開いた時のEQ>
AAを最も割るスーコネ。
Flopでスーコネ側に何かしらがついたときの確率ですね。
って感じ。フロップのトップセットですらガットには18%で捲られるわけですね。
とまぁいくつか例を挙げましたが、意外とこんなもんです。
この確率を高いと捉えるか低いと捉えるかは人によりけりですが、
別に割られることってそこまで大したことじゃない、ってのが見てわかるかなと。
プレミアの勝率を身近な確率に置き換えると?
ここまで色々なパターンでのEQを出してきました。
で、これらの確率ってどんなもんやねんって話なんですが
例えば
上ポケ(81%) vs 下ポケ(19%)
ですが、サイコロと比較してみましょう。
サイコロで特定の目が出る確率は
1/6 = 16.7%
ですね。
下ポケの勝率19%に割と近い数値。
つまり、
『サイコロ1回振って1の目が出るくらいの確率でAAは割られる』
ってな話なわけです。
(なんならそれよりちょっと確率は高い)
そう言われると別に珍しくもなんともないですよね。
サイコロを振って1の目が出るくらいなんて普通にあること。
でも何故か人はAAを配られると勝手に勝ちを確信する。
まるでサイコロの1の目は絶対に出ないように錯覚するわけです。
フロップ時点でのフラドロなんて引かれ目の塊みたいなもん。
オーバーペア(66%) vs フラドロ(34%)
ってのはさっきのサイコロに言い換えれば
『サイコロ1回振って1か2の目が出るくらいの確率』
って感じ。
もはや珍しくもなんともないわけです。
"ドローに引かれた"なんてのはもはや悲劇でも不運でもなく
『サイコロ振って1か2が出ちゃった』
くらいのわけですね。
(ドローの種類にもよりますが)
確率ってのは案外それくらい脆いものです。
AAも所詮ただのワンペアですからね。
確率は複数回の事象にすると劇的に変化する
とは言え、やっぱりAAは強いです。
全てのハンドに対して8割近く以上の勝率があると言うのは化け物。
まぁそうそう負けはしないです。
ですが、これはあくまで1回キリの勝負をした場合の話。
確率って複数回の事象にすると一気に数値が小さくなるんですね。
例えば
上ポケ(81%) vs 下ポケ(19%)
を見たとしても
3回連続で勝つってだけで実は50%くらいの勝率になっちまうわけです。
でも実際はAAを3回に1回でも割られた日には
「AA割られたぁぁぁぁぁ」
とカタストロフィー状態。
「いやフリップ負けたくらいの感じやで」って感じなんですけどね。
2Day、3DayのイベントであればAAが来るのは5,6回くらいが平均かな?って感じですが、その間AAが1回も割られない方がむしろラッキーなわけですね
ポーカーにおいては必ずと言っていいほど、運に身を委ねた戦いはあります。
✔️PFAIをcallしてフリップ勝負やAハイキッカー勝負になる
✔️TurnでヒットvsフラドロのAI勝負になる
などなど、Riverまで開く前にAI callになるシチュエーションはたくさんあります。
特にトーナメントを走るには、この運勝負を一定以上勝てないと厳しい。
いくらEQが勝っている勝負をし続けても、この運勝負に全部勝つとなれば
とんでもなく低い確率になってしまうし
カバーされていれば、負けた瞬間にそこでトーナメント敗退となってしまう。
これこそがトーナメントは運要素が強いと言われる所以なのかなぁと。
チップリでFT行っても、フリップ2回負ければ
たちまちアベレージ以下になったりしますしね🥺
ポーカーにおける確率のワナ
はい、でまぁハンドvsハンドのEQはそれ以上でもそれ以下でもないというか
上ポケ(81%) vs 下ポケ(19%)
ってのは天地がひっくり返ろうとも81% vs 19%なわけなんですが
ポーカーという競技性を加味するとこの確率は歪むわけです。
いくつか典型的なパターンをご紹介。
<引かれたほうが覚えてる>
一番典型的なやつですね。
みたいな感じ。笑
本来的には誰と誰が当たってもAAとKKの勝率は81% vs 19%なわけですが
自分がAAで負けた時の印象だけ強いので、さも自分のAAが19%以上に負けているように錯覚しちゃうわけですね。
上記のAA vs KKは大体の場合はプリフロップで全弾入るので目に見えますが
目に見えないパターンだってあります。
例えばこんなケース。
フロップでスーコネ側にフラドロがついて、
ターンラグ→リバーでフラッシュ完成 or notを考えましょう。
<フラッシュが完成した場合>
ってなった時にAA持ってる人は
「ドローについて来られて引かれたんだけどぉぉぉ🥺🥺🥺」
ってなりますね、はい。
じゃあ一方でリバーでフラッシュが完成しなかった場合どうなるか。
<フラッシュが完成しなかった場合>
ってなって、この時AA持ってる人は
「ヒットを降りたのかドロー滑ったか分かんないけど、リバーはvalueなかったなぁ」
くらいにしか思いませんね。この場合印象にも残らず終わってます。
で、これポイントなのが
ってところです。
フロップのフラドロはEQ33%なので、
上記のパターンで言えば
前者のフラドロ引かれるパターン:3回に1回
後者のフラドロ引かれないパターン:3回に2回
ってなるわけですが
(実際は双方のとる戦略によって統計上の数字は変化しますが)
後者の『3回に2回』の方はそもそも目に見えず、
前者の『3回に1回』の方が目に見えるので体感値としては
『自分のAAはいっつもドローについて来られて割られる』
みたいに感じてしまうわけですね、カナシイ🥺
<確実に『チップを増やせる』というバイアス>
これは確率的な話ではなく、完全にメンタル的な話ですが
『人はAAが配られた時、大きなポットが自分のものになると勝手に確信めいたものをイメージしてしまう』
って事実が、確率の数値的なものに歪みを与えているのかなと。
まぁほとんどの人がAAを配られた時に
みたいな気持ちになっちゃうわけです。
まさに
「オレのターン!!!ドロー!!!」
ってなっちゃうわけです。
そりゃカウンター食らった時のメンタルへの影響も半端ないと。
実際は20%で負けるわけだし、そもそも
ポットが大きくなる = 相手にも一定のEQがある
なわけで、そんな都合よく大きいポットが確実に自分のものになるなんてことはあり得ないわけです。
プリフロップでAAが配られた時の高揚感と
いざShow downまで行って割られたという事実
この両者のギャップが一層大きいメンタルへのダメージになるわけですね。
例えばですが、
UTGのJ9sや、BTNのA2oみたいなレンジの下限ハンドでオープンして
それがBBの変な2ペアとかストレートに負けても大して何も思わんやろと。
AAを始めとしたプレミアハンドはあくまで
プリフロップのEQが高いだけであって
いざフロップが開かれれば、そのEQは大きく変化します。
過度な期待をすればするほど落差がすごいので、
AAが配られようがKKが配られようが期待しすぎないようにしましょう🥺
<そもそもEQの低いハンドはついてこない>
これは先ほどのフロップのフラドロの話に似てますが、
そもそも一定のEQのないハンドはついてこない
って話です。
MTT 8maxのUTGで100bb持ちからAdAcでraiseしてBBがcall
flopがJT3ttになったと考えましょう。
GTO戦略上はUTGのAdAcは66% or 100%betの混合戦略を用います。
ここでは仮に66% betを用いたとしましょう。
それに対するBB側の抵抗rangeは下記の通り。
で、そもそもBB側は当然ゴミハンドはfoldしているので
BB側がcallするハンドは一定以上のEQを有するものしかありません。
ターンはEQに大きい変化を与える9dが落ちたとしましょう。
BBにはドンクの頻度がありますが、ここではドンクをしなかったものとして
それに対するAdAcの戦略は以下の通り。
ここでは最も頻度の高い33% betの戦略をとったとします。
それに対してBBがcallするrangeは以下の通り。
まぁこんな感じで、BB側は自身の持つハンドのEQの高いところから順に
call or raiseしていくので、そりゃシンプルに
「betしてcallされるってことは相手に一定のEQがあるんだから、
そりゃAAも一定の確率で捲られる」
ってことなわけですよ。
捲られ目のない安心安全な状態なら、そんなところにvalueはそもそもないわけで。
まぁちなみによくありがちな展開は、RiverでAcAdにとってスケアなカード
(K〜7のダイヤ以外の全てのカード)
が落ちたにも関わらずbet。相手にx/r AIされてAA降りれず。
「AA割られたぁぁぁぁ🥺🥺🥺」
って焼けてるやつ。
Riverで捲られたのは気の毒だけど、そもそもRiverでIPからbetするなと…笑
プレミアハンドとの正しい付き合い方
最後にまとめじゃないですが、プレミアハンドとの正しい付き合い方を。
そもそもプレミアハンドなんて、あくまでプリフロップのEQが高いだけ。
EQが高かろうが割られるときは割られるし
(しかも確率を冷静に見るとそこまで珍しいことではない)
いざフロップが開けば著しくEQが下がることもある
ってのが実情です。
プリフロップでAが2枚配られたり、Kが2枚配られて高揚するのは
ポーカープレイヤーなら誰しも同じこと。
ましてやそれが高額トーナメントの重要な局面や
もしくはその日ずっとポットが取れず苦しい展開が続いていたなら尚更。
でもそれこそが最大の落とし穴でもあるわけです。
プリフロップの強さだけを過信して
本来betできないボードで打ちすぎてしまったり、
どう見ても相手に強い役があるのに降りれなかったり。
「ハンドと結婚するな」
なんて表現があったりしますが、これはもはや結婚ですらなく
重すぎる片思いを引きずっているだけなんです🥺
確かにAAはプリフロップにおいては最強ですし、
4bet AIされようが、5bet AIされようが、6bet AIされようが喜んでcallできるハンドではありますが
別に勝利を確約されたわけではありません。
単に最もEQが高く、最もEVが高いというそれだけ。
72oにも割られるときは割られるわけです。
まぁスタックが20bb切ったくらいであれば
プレミアを始めとしたプリフロップでEQの高いハンドは気にせずぶっ込んでおけばいいんですが
特に100bb以上のdeepな状況でのOOPのプレミアハンドほど危険なものはないと思ってます。
自分も100bb以上のdeepな状況でOOPでAAを持っているときは
「どこまで行ってもAAって降りにくくなるから、特にdeepな分慎重にならなきゃ」
って思いながらフロップが開くのを見てます。
それくらい言い聞かせないとオーバープレイをしてしまうのがプレミアハンドの怖いところでもあるので。
ってことで今回の記事は終わり。
次回はポーカーにおいては避けては通れない
確率
期待値
分散
この辺について書いていきたいと思います。
ポーカーの戦略的な学びはご提供できませんが、
まぁポーカーを取り巻く面白い数字遊びくらいに思ってもらえれば
(おわり)
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