銀河フェニックス物語【少年編】第八話ムーサの微笑み(まとめ読み版)
戦艦アレクサンドリア号、通称アレックの艦。
銀河連邦軍のどの艦隊にも所属しないこの艦は、要請があれば前線のどこへでも出かけていく。いわゆる遊軍。お呼びがかからない時には、ゆるゆると領空内をパトロールしていた。
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「ねえ、ヌイ。ギター弾いてくれないかなぁ」
食堂でアルバイトをしているレイターが僕に初めて話しかけてきた時のことは、よく覚えている。
レイターは十二歳と聞いている。
自分の十二歳の頃を思い出してみるが、こんなに幼かっただろうか。クリクリする目で頼んで