マガジンのカバー画像

「銀河フェニックス物語」初めて読む方におすすめ

121
「銀河フェニックス物語」を初めて読む方にお勧めです。<出会い編>第一話から最新話までのまとめ読み版を連載順に集めました。舞台は宇宙。恋あり、笑いあり、アクションありのハードボイル… もっと読む
運営しているクリエイター

2021年6月の記事一覧

銀河フェニックス物語 【出会い編】第三十六話  クラスメイトと秘密の会話(まとめ読み版)

・銀河フェニックス物語 総目次 ・第三十五話「わたしをバトルに連れてって」 「この小型船、わかります?」  研究所の資料室で、わたしはクロノスのエンブレムがついた二人乗り宇宙船の3D写真を広げた。 「うわあ、古い機種だね。百年以上前の型だ」  ジョン先輩は驚いた顔でわたしを見つめた。 「間違いなくうちの会社の製品だけど、型番とかわからないんだよね?」  わたしはうなずいた。  型番がわかればわたしでも検索できる。画像検索をかけてもうまく引っかからなかった。 「カタログ

銀河フェニックス物語 【出会い編】第三十七話  漆黒のコントレール(まとめ読み版)

・銀河フェニックス物語 総目次 ・第三十七話 まとめ読み版 ・第三十六話「クラスメイトと秘密の会話」  同期のチャムールから誘われた時は、気乗りがしなかった。  連邦軍の宇宙航空祭。 「結構、人気があるんですって」 「ふ~ん」 「アーサーから家族パスをもらったの。ティリーと来たらいいんじゃないかって」  チャムールの彼氏、アーサーさんは連邦軍最高指揮官である将軍の跡取り息子で次期将軍。  優しくていい人で、わたしがイメージする軍人さんとはかなりかけ離れている。  チ

銀河フェニックス物語<少年編> 腕前を知りたくて(上)

レイターとアーサーが十二歳。出会ってまもない頃のお話です。 ・銀河フェニックス物語 総目次 ・<少年編>マガジン  戦艦アレクサンドリア号、通称アレックの船。  銀河連邦軍のどの艦隊にも所属しないこの船は、要請があれば前線のどこへでも出かけていく。いわゆる遊軍。お呼びがかからない時には、ゆるゆると領空内をパトロールしていた。 *  僕たちの船は、惑星ガガーブに立ち寄ることになった。  燃料を補給するその日は街へ出て遊んでも、艦でのんびりゆっくりしても個人の自由だ。  

銀河フェニックス物語 【出会い編】第三十八話  運命の歯車が音を立てた (まとめ読み版①)

・銀河フェニックス物語 総目次 ・<少年編>腕前を知りたくて (上)(中)(下) ・<出会い編>第三十七話「漆黒のコントレール」 「フェルナンド、ったくどういう筋書きのシナリオなんだ?」  警備担当の控室でレイターさんが僕に突っかかってきた。 「僕が書いたわけじゃありませんよ」 「俺のティリーさんに手を出すなよ」  そう言い捨ててレイターさんは、一足早く惑星デューガ・ワンへと出かけて行った。僕の従妹である営業のベルをフェニックス号に乗せて。  僕がティリーさんに手を出さ