93、オリンピック

2020年の開催予定だったオリンピックはコロナ感染拡大の為に
2021年に延期されたが、コロナの異変種が増大して無観客で行う
らしい。とまれこの様な状態での開催は無理だろう、又はそれら
の莫大な予算を国民に減税して戻すと言う意見もある。
反対派はそれなりに理由があり、賛成派の理由も理解出来る。
ただ予算を国民に給付金として配ったとしてもコロナ禍での
国民1人当たり10万円の給付金は何に使ってどこへ行ったのか?
多くの人はその行方がわからないだろう。

ぼくは自分自身がスポーツ、特に日本武道の空手を長年やって
来たので一般の人以上にアスリートの気持ちは良く分かる積りだ。
オリンピックに参加する為の 0,1秒 0,01秒、或いは1mm, 1cmでも
より早く、高く、遠くへ記録を伸ばす為に4年に一度の晴れ舞台に
立ちたい気持ちは良く分かる。ぼくはオリンピックとは無関係だった
が、稽古でしごかれ、死ぬ様な思いで練習を積み重ねて来ただろう
事も推測出来る。ぼく自身稽古で疲れ朝起きて「生きてた」と言う
感じが何度あっただろうか。昔は練習中に水を飲む事は禁じられて
いたが現在は汗をかいた後の水分補給は必要と考えられ、どれだけ
苦しさが無くなったか。

つい最近、女子水泳で池江璃花子選手はアジア大会で目覚ましい
活躍を遂げた後に白血病と診断され闘病生活に入った。その後は
人に言えずに再起を自分に誓い、2021年に日本選手権100m
バタフライで優勝し感涙に咽ぶ映像は実に感動的だった。彼女の
体調を優先しつつ400mメドレーリレーのメンバーとその他計3種目
に参加出来る事になった。素晴らしいストーリーであり、日本
のみならず、世界の白血病患者や他の病を持つ人達に勇気を与えた。

日を変えずして全日本体重別柔道選手権が行われ、バルセロナ
オリンピック71kg級で金メダリストの古賀稔彦氏はこの試合の
前3月24日に53歳の若さで亡くなり、その10日後の60kg級で
次男の古賀 玄暉はその悲しみを乗り越えて優勝を遂げた。ちなみに
古賀稔彦氏の1987年から1992年までの体重別日本選手権6連覇は
未だに破られていない。

水泳、柔道の次にアメリカのメージャーリーグの野球の話になると
今年の大谷はシーズン開始直後1試合で投打の本当の二刀流をやった。
それも投手として161キロ以上の速球と打では時速153キロの球速
を打ち137mの特大ホームランをかっ飛ばした。また野球ファン
には欠かせないダルビッシュや前田健太の活躍も目が離せない。
日本ではサッカー人気に押され子供達の人気が落ちて来たそうだが、
どんなスポーツでもヒーローが出ると人気が湧いてくる。

日本選手の活躍は日本よりも海外での活躍が華を咲かせるが
やはり今年のゴルフは松山英樹のマスターズ優勝に尽きるだろう。
ぼくは放映時間が朝3時4時から起きて(9時就寝) 興奮と感動で見た。
日本のゴルフ界は女子の活躍が目立ち、2019年に全英オープンで
20歳の渋野日向子が1977年以来がメージャーの一つ全米女子プロ
選手権獲得後42年ぶりの快挙を成し遂げた。その後女子ゴルフ界で
黄金世代と言われる20歳、プラチナ世代の19歳などの躍進があり、
日本の男子はどうしたと言われる時代になった。そして松山の
マスターズ優勝の1週間前には17歳の梶谷翼が世界女子アマチュア
選手権でマスターズと同じコースで見事優勝を飾った。

1週間後松山は報道陣や視聴者達を感動感涙にさせた同じオーガスタ
のコースで見事優勝した。日本人として初挑戦した1936年から85年
ぶりだと言う。丁度10年前日本は東北大震災の大被害にあい、1月後
のマスターズに参加すべきか否かと躊躇し、松山は背を押されて参加
1アンダー27位でベストアマになった。それは震災被害者達に取って
も大きな喜びであったに違いない。
最終日のバックナインは混戦になると言われるが、まさにハラハラ
ドキドキだった。世界ランク1位のダスティン・ジョンソン、同じく
トップレベルのマキロイなどは予選落ちし、いかにこのコースが難しい
かを証明した。

ぼくも1月に2度ほどの地球イジメのゴルファーだが(アメリカでは
月に4~5回?)コロナ禍でソーシャル・ディスタンスのスポーツとして
広いグリーンと青空に囲まれ白球を思い切り叩き打つのはストレス解消
にもなり若い人達に流行り出しているそうな。ゴルフ場も早朝は格安で
提供していると聞く。

コロナ禍でオリンピック反対をする人達も大勢いるが、ぼくはスポーツ
ほど興奮と感動を与える事はないと思っている。観客半分、或いは
無観客でもアスリートや世界のスポーツ愛好家達の為にも大賛成する
一人である。その確たる証拠に1977年王貞治から始まった国民栄誉賞
受賞者は27名に挙がりスポーツ関係は野球、相撲、レスリング、柔道、
マラソン、スケート、そして2018年の女子サッカー・W杯の選手達で
あり、計12名であり、野球のイチローは受賞を辞退し続けている。
他に音楽関係6名、映画関係5名、漫画家、冒険家、将棋、囲碁に各1名
いる。人々が感動するのは絵画、陶芸など芸術面もあるがスポーツには
予期せぬ興奮がある。オリンピック、パラリンピックのために4年間
以上の猛練習の成果を是非見たいと思っている人達も多くいるのでは
ないか。今日コロナ大感染の状況の中でこそタメ息をつく事ではなく
息を飲むような感動を得る事の方が大切だと思う。

終。


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