差別語・不快語について
音声収録・編集の仕事をしていると、時々 “差別語・不快語問題” にぶつかります。つまり、「これは差別語でNHKも使うのを避けているから、別の言葉で言い換えよう」といった具合です。
あくまで個人的見解ですが、差別語だからといって言葉狩りをする必要も、機械的に言い換える必要もないと思っています。そこに、差別意識がなければ良いのではないでしょうか。とはいえ、言葉の発信者が企業だったりすると、どうしても慎重にならざるを得ませんが。
例えば「外人」という言葉を「外国人」と言い換えたりしますが、その言葉が発せられた状況や文脈から、差別意識を含むか否かは大体理解できます。
「外人さんに道を尋ねられたけど、英語が苦手だから身振り手振りで答えたんだけど、かなり感謝されてチップまでもらっちゃったよ〜」
ここに差別意識は微塵も感じられません。しかし次の文ならどうでしょう。
「外人だから、何をしでかすか分からない」
……こうなると、もはや「外人」を「外国人」と言い換えたところで意味は変わりません。
音声コンテンツの制作においては、差別語をただ機械的に言い換えたり、むやみに蓋をするだけでは無意味と思います。“何故その言葉を選択したか” を熟考し、その言葉が生まれた歴史的背景も鑑み、言葉を慎重に選ぶ姿勢が求められるのではないでしょうか。
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