パリ出張録音 #1

急遽、録音のためパリに行くことになった。具体的な日取りは伏せるけれど、本当に “急遽” だ……何しろパスポートの期限が切れていたので慌てて申請し、出発日の4日前くらいに取得できることがわかって安堵している。

依頼主も現場の状況がつかめず録音プランも立てられないので、3案くらい考えて最低限の機材で挑む。機内持込のキャリーバッグに重要機材を入れ、重いケーブル等は預け入れのキャリーバッグに振り分ける。

さて、気になるのが税関(通関)。音楽家が楽器を没収されたなんて話もあるので色々調べてみると「カルネ申請」という言葉が出てくる。「絶対やっておいたほうがいいよ!」と力説するブログもあるが、経験者談では「申請したものの結局カルネは使わなかった」という声も多い。

……結局、今回はカルネを使わないことにした。

カルネ(JCAA)のページをよく読むと、こう書いてある。

ATAカルネは便利な書類ではありますが、「必ず使用しなければならない」書類ではありませんし、各税関でのフリーパスを保証する万能の書類でもありません。ATAカルネを使った方がよいか、それとも各税関で法令ないし税関員の指示に従った通常の通関をした方がよいかは最終的に皆様のご判断によります。 

職業用具(=本人の職業の用に供することを目的とし、且つ、必要と認められる貨物)は旅具通関の範囲でもあるので、機材名や製造番号を記した詳細なリストを持参することで通関を切り抜けるつもりだ。

(つづく)


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