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AIでの契約書審査

◆弁護士 飛田 博

2023年2月6日 日経新聞朝刊15頁

「法テック、普及8割超」「AIで契約審査など 質には不満も」「『使いこなす力』課題に」との見出しの記事から。

リーガルテックの質に関する不満解消のためには、利用企業側の「使いこなす力」も必要だとの指摘もある。角田氏は生産性向上には「AIレビューだけではなく、データをためて知識共有など機能全般で使い込んでもらうのが理想的」と話すが、企業側からは「ベテランほど『自分がやった方が速い』と使わなくなる」との声も多い。

(飛田コメント)
 AIによる契約書審査のサービスは私も使ったことがあります。そのときから、既に技術は進んでいるのかもしれませんが、私が思うところ、①AIが審査できる契約書の類型が、秘密保持契約とか簡単な不動産売買契約といった比較的ひな形が出回っているものが多く、したがって、我々のような実務家から見ると、「そこはわかっている。もう少し多くの契約に対応できないの?」という場合が多いのと、②AIは契約書で必要とされる条項を漏れなく追加しようとするのですが、実務の観点からは、相手との力関係によって、どこまで相手方に有利な条項や不足する条項の状態を許容できるかが問題となることが多く、そこまでまだAIでは対応できない、というところに課題を感じました。したがって、今後はAIで契約書審査する会社と、法律事務所がタイアップして、企業側がAIを使って契約書審査する場合のノウハウを法律事務所が提供するパターンが増えるのではないかと思います。記事によれば、既に始められているようですね。

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