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小松未歩Love goneを何通りもの解釈で楽しむ~Love goneナイト振り返り

先日、2022年2月22日22時22分、2が10個並ぶ記念すべき時に、twitterのスペース機能を使って、小松未歩の歌詞解釈だけでえいちびぃさんと1時間トークするという不思議なラジオ企画をやっておりました。

noteでえいちびぃさん、花の砂時計さんと小松未歩の歌詞解釈が大変盛り上がったことから、このメンバーなら1曲だけで1時間語ることもできるのでは、という思い付きから始まった企画。2~3人でもリスナーが集まればよいなあと思っていたところ、開けてびっくり、20名もの方に聴いていただき、多数のツイートもいただきました。

そこで見えてきたのは、ファンがそれぞれいろんなストーリーをこの曲に思い描いていること。そのどれもに、20年分の小松未歩とLove goneへの愛が詰まっており、それぞれの楽曲観、小松未歩観を教えていただくことで、まだまだこの曲を味わうことができるということでした。

解釈アンケート結果

ラジオを終えた後、改めてこの曲の解釈についてアンケートを取ってみたところ、多数説は私が思っていたものとずいぶん違うものになりました。

4つの解釈を表で並べてみる

このtwitter多数説をもとに新たに楽曲解釈をしたもの、また、真さんに楽曲解釈を教えていただいたもの、当日ラジオで披露した私とえいちびぃさんの解釈の、計4つを表にして並べてみたものがこちらです。びっくりするほど違うストーリーを1つの曲に思い浮かべていたことが分かります。

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私とえいちびぃさんの解釈は別記事にありますので、それぞれこちらをご覧ください。この記事では、twitter多数説と真説をご紹介します。

twitter多数説

twitter多数説はアンケートの多数結果やコメントから私が再構築したストーリーになります。twitter多数説は、自分は相手のことが好きで会いたい気持ちが強いのに、なかなか会えず、気持ちのずれが広がってきているように感じる。この辛い気持ちから楽になるために別れるのか、それとも駆け引きをしてもう一度あなたを振り向かせようとするのか、何度も気持ちが行ったり来たりしてなかなか決められないという物語です。

【1番メロ】会いたいと思って電話をかけてもまったく通じない。あの人はいったい今どこにいるのだろう、そう思いながらあてもなく街をふらつく歌い手に、「会いたい」という思いと切なさが積み重なるようにハラハラと舞う雪が降り積もっていく。

【1番サビ】この辛い気持ちから楽になるために私から振ってしまった方がいいのだろうか、それとも別れるような言葉を伝えることでもう一度あなたの気持ちを振り向かせる「駆け引き」の材料になるのだろうか。

【2番メロ】ふと足が向いてしまった「二人よく来た公園」。二人で初めてのキスをした思い出の場所なのに、しばらく来ないうちにすっかり風景が変わってしまったよう。あのときの記憶を風化させたくないのに。

(2番サビは1番サビとほぼ同じ)

【Cメロ】あなたとはほぼ会えないままで、恋は自然消滅寸前。もはや偶然会ってくれることもなさそうのに、あなたに似た影に今でもハッとして、恋が再開することを期待してしまう。

【3番サビ】まだ会えていた頃、あの頃私たちは抱き合うことで、寂しい心を慰め合っていた。だけど、もうそんなこともできない。そろそろ昔のとりとめのないただの出来事だと思うようにしないといけないんだろうか。

【ラスサビ】もう終わりかかっている恋のはずなのに、いまだに気持ちの整理がつかず、「出口」が見えない。それくらい私はあなたのことを誰よりもずっと愛していた。今さらこんなことをあなたに伝えても、もうあなたの心を動かせないのだけれど。

真説

こちらは、twitterにて小松未歩の楽曲につき気軽に話していく企画の幹事をされている真さんが寄せてくれた解釈です。真説では、Cメロの「ショーウインドウ映る」昔の恋人に似た影を見て蘇ってきた当時の気持ちと今の思いを綴った歌として解釈しています。真さんからいただいた解釈を私がリライトさせていただいたものがこちらです。

付き合ってしばらく経つなかで、次第に恋人との価値観の違いに気づいていきました。主人公としては記念日を大事にしたり、少しのことでもまめに連絡を取り合いたいと思っていたりするのに、恋人は記念日を忘れていたりしばらく連絡をくれないことがあったりと、自分としては大事にされていないと感じ、すれ違っていく日々。そんな中でふと会いたいと思ってかけた電話がつながらなかったことから、心の亀裂はどんどん大きくなっていったので見える

【1番メロ】何度目かの付き合い始めた記念日、いつものことながら事前にあなたからのアクションはなく、毎度自分から動くことに疲れ何もしないまま当日を迎えた。夜になってもあなたからの連絡はない。そこでようやく自分から電話を掛けてみても電話に出てすらくれない。会いたいと呟いてはみるけれど、鳴り続けるコール音は、私たちの関係をどんどん切り裂くいていくよう。そろそろこの関係も限界なのだろうか。

【1番サビ】望む過ごし方、付き合い方が違う二人。お互いに違うものを求め合ってケンカが絶えない二人。その場を取り繕ってなんとか関係を続けているけれど、お互い傷を増やすだけじゃないだろうか。私が口火を切ればこの日々は終わらせることができる。

【2番メロ】あなたの影を求めて引き寄せらるように、気づくとふたりよく来た公園に着いてしまう。そう遠い過去ではないはずの記憶なのに、今の私からは色褪せて見える。悲しいけれど色褪せてと感じるこの気持ちが現実なのだと突きつけられてしまった。

【2番サビ】今回の記念日のことで二人で激しい口論に。私は今回も記念日を覚えてくれなかったことを責め、あなたは自分を試すような行動をした私に腹を立てる。私としては決して試したわけではなく、いつも自分が大切に思っているものを忘れられていることが悲しかっただけ。そしてまた何度もそれを繰り返すことに限界を感じただけ。けれどもうどうせ終わるのだから、その誤解を解くことさえももう必要ないと諦めてしまう。

【Cメロ】ふたりはそのまま別れ、時が過ぎたある日、ショーウィンドウに映ったあなたに似た影に、当時の記憶が不意に蘇ってきた。あれほどすれ違い続けた二人にたまたま重なるような偶然なんて皮肉、起こるはずがないのに。

【3番サビ】別れる直前、あの頃二人の心はすれ違いながらも、なんとか抱き合ってひとつにとどまれていた状態だった。でも、今の私にとってもそれはただの昔の出来事。少し強がりかもしれないけれど、今は、ひとつの過去の物語と言えそう。

【ラスサビ】あの頃私は確かにあなたを誰よりも愛してた。ただ、その出口(伝え方)を間違えただけ。そんな遅すぎる告白、もうあなたに届けることさえできないけれど。

小松未歩自身も100通りの物語を想像していた?


実はこの曲、小松未歩自身もいろんな解釈ができることを語っています。

"この曲は何回歌詞を書き直したんですが、書いても書いても結論が出せなかったので「まだ気持ちが宙ぶらりんのままなんだな」ってことに気づかされました。それなら今、決めなくてもいいのかなとも思ったし。なので「この後どうなるの?」みたいなことを曲の余韻で考えてもらえたら嬉しいです。きっと100人いたら100通りの答えがあるんでしょうね。"(セルフライナーノーツより)

今回は4通り、だいぶ違ったストーリーを描くことができましたが、まだまだ違うストーリーを思い描いた方、近いものはあるけどこの部分はちょっと違うと思っている方、いろいろいるのだと思います。

歌詞解釈には正解がなく、正解がないからこそそれぞれの人が思い描いたストーリーを何度でも楽しむことができます。この記事を面白いと思っていただいた方、ぜひ、あなたの解釈を断片だけでも教えていただけたらうれしいです。