いらないけど、足りない。

「時計の音、時計の針が動く音。
 自分の音、自分が動く音だったり心臓の音。
 夜ひとりで過ごす時間は
 寂しさだったり苦しさだったり
 孤独を感じる。
 だけどどこか心地よさもある。
 
 その時間が僕は大嫌いで、大好きです。」


わたしのだいすきなバンドのボーカルが
ピアノの音を途中途中にはさみながら

会場全体を見渡しながら
幸せそうに、だけどどこか苦しそうに

いつか消えてしまうんじゃないかと思わせるような
そんな甘くて儚くてやさしい声で

メンバーに支えられながら
ファンに見守られながら伝えた。



いまのわたしにそんな時間はない。

孤独に感じる時間がない。

精神的には孤独を感じても
ひとりではないから
時計の音には"物音"がだいたいついているから

過去のわたしにはその時間がたくさんあった。

だからこそ真っ暗な部屋でひとり晩酌したし
無意味にぼーっとしたし
いつの間にか朝になってることもあった



最近はその時間が無くなった。
きっといいこと。


だけどなにか失った気もする。


1年前のわたしは音楽を聴いて泣くことがあった
今はない。さみしい。

2年前のわたしはライブハウスで号泣した。
今はない。かなしい。



ひとりの時間が大切な人間だったのに
その時間がなくなってるから
自分を見つめる機会が失われてるんだ。


今年は特に休むことなく走り続けてきたから
自分の振り返りができてないんだ。


だから感受性が鈍くなってるんだ。




きっといまが幸せすぎる。



じぶんから孤独に感じる必要はないけど
たぶんいまのわたしには足りない。

もうちょっと自分を大切にしたい。
もうちょっと自分を知りたい。
もうちょっといろんなことを経験したい。


「I threw away my TV that already not being used
 and walk in the light with favorite songs
 I lost my best friend and lover
 World is messed  up more and more
 I don't wanna be sad anymore
 Now this silence is so comfortable」



この歌が心に響く日がきますように。

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