懲りない・・・

「30年間働いて仕事の手の抜き方は覚えましたが、お酒に対しての手の抜き方は未だにわかりません」

これは僕が師匠と勝手に呼んでいた某メガバン常務が言っていたことだ。はっきり言って当時の僕にとっては雲の上の人だったが、なぜか異様に可愛がられ、よく飲みに連れて行ってもらっていた。とにかく酒癖が悪く、酔うと若手の女性社員(最悪の時はクライアントの女性社員)に対してセクハラ発言を連発。飲むと必ず泥酔状態になり、「帰りたくない!」とダダを捏ねるこの常務をタクシーに詰め込むことが僕たちの仕事だった。(で、セクハラ発言を浴びた人たちに平謝りw)

「○○さん!もう少しちゃんとしたほうがいいですよ。もう立場も立場です!いつか足元掬われます!」

そう諫言していたのだが、本人に改善する意図はなし。

「馬鹿野郎!俺は銀行時代なんて言われてたか知ってるか!グリコって呼ばれてたんだよ!」

これは笑った。脇が甘いどころか、ノーガード。開いてるやん・・・

まあ、事実、この人は本当に足元をすくわれる形で失脚することになったわけだが、その時は側近一同みんなが泣いた。僕も泣いた。基本、仕事は部下に任せ、責任だけはとってくれていた。本当にいい上司だったと思う。

仮に彼が完璧超人だったらあそこまで人はついていっただろうか。失脚を取り消すように最高責任者に直談判する、と言う部下が現れただろうか。

きっとそうはならなかったと思う。欠点が多い人だったがそれが見事に長所にもつながっていた。だからきっと失敗を続けていることにも意味があるんだよ・・・


そう二日酔い状態でこのノートをしたためて思うのであった。。。。

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