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偽善者と偽大学生の10分Zoom面談×6set

タイトルにして気づいた。私、偽善者ごっこに1時間も費やしてしまっていたんだね。
実際には10分と言いつつ伸びて20分ぐらい話していることもあったので、実際はもっと長いはずだ。
これほど時間を使う意味(メリット)があったかといわれるとそうでもないのだけれども、故に飲み会でこの話をしてもシラケそうなのでここで消化することとする。
どうぞ、お付き合いくだされ。


まず登場人物としては、
「私=偽善者=大学生に協力的なフリをしながら相手の動向を観察する暇人」と「偽大学生=駅前で話しかけてきた自称心理学専攻の大学生」と「Zoom面談に突如乱入してきた自称心理カウンセラーまりこ」の3名。

ことの発端は大阪出張でひと仕事した後、駅前で人を待っているとき。
男女2人組に話しかけられた。
彼らは大学生で心理学を専攻しており、レポートのためにお題に沿ったイラストを描いてくれる被験者を探しているとのことだった。手にはB5サイズのスケッチブックとえんぴつ。
なんじゃそれと思いながら、減るもんでもないのでイラストを描いて差し上げた。
これで終わりかと思ったのだが、同じ被験者が複数枚イラストを描くことでよりレポートに効果的な検証ができるので、良ければ何度かZoom面談形式で協力してほしいときた。
ここで私は普通に人並みの警戒心がある人間なので、「本当に彼らは大学生なのか?」と思ってさらには「さてはマルチかな」と思った。

思ったうえで連絡先を交換した。

別に相手がイケメンだったとかマルチに実は興味があってとかではない。
元営業職の名残か「全くの他人を大学生に扮してマルチに勧誘するトークスキル」に興味が湧いてしまった、それだけです。
ちなみにこの地点で完全に大学生だと信じてはない。だって学校名名乗らへんねんもんこの人たち。
よってこの地点で大学生に協力的な偽善者の構図も完成した訳です。

そうして数日後、本当にZoom面談は実施された。
内容は、まず口頭で伝えられるお題をその場で紙に描き、それを写真に撮って相手に送る。そしてそのイラストから読み取れる人柄の傾向と私の人柄がマッチするか検証するというものだった。
その場で聞いたことを即座に描き、かつ1日の上限は1枚でないといけないらしく、複数日10分協力してほしいとの指定も後ほど伝えられた。
ダルッて思ったけど、マルチトークを知りたかったから顔には出さなかった。

お題は毎回違う。家とか船とか蛇とか、簡単なお絵描き。
「この描いてもらった家にドアも窓もないってことは、統計的にはあまり自分のことを人に話さない人が多い傾向なんですけど、当たってますか?」
とかそんなもん。
はたから見たらヘタクソお絵描き見せびらかして何してんのな状態だが、こちらの内心としては「このトークからどんなふうに繋げてくるんだ!?」と肩の力が入っていた。

ただ正直、結論を申し上げると期待はずれだったと言わざるを得ない。
なぜなら何も買わされずに6set終えてしまったから。

何度かそれらしき素振りはあったんです、以下のように。
・ストレスがかかっている場合や環境を変えたい場合などの質問が比較的多い
・おばあちゃんがうつ病になったので心理学を志した話を唐突にされる
・前の打ち合わせと間違えたフリをしてZoomに心理カウンセラーまりこが入室してくる
・スケジュール合わせるときに大学生が「僕も仕事しながら調整してるんで」とこぼす

これだけわかりやすいともはや下手といいたくなるけれども、「実験に1時間強も協力した暇人」と「本物大学生」の関係性だった可能性も僅かながらにあるので敢えて言葉にするのはやめておく。

ちなみに、
「この井戸には何%水が入ってると思いますか」
「80%です」
「実はそれ、どのぐらい充実しているかを指し示す数値なんです。平均皆さん10~30%なんですけどね」
というやりとりから私が人生満足マンすぎて騙しにくいと判断された可能性もある。

突然現れた心理カウンセラーまりこに、
「mbtiとかご存じですか?よろしければワタクシも診断いたしましょうか?」と問われ、
「自分のことにさほど興味がないので結構です」
ときっぱり断ってしまったことでコイツは無理と判断された可能性もある。
まりこ笑顔ひきつってた。ごめんな。

あとは私が約束してた時間に爆睡してもうてたこともある。ほんまにそれは偽でも偽でなくても大学生ごめん。

かくして、偽善者と偽大学生の10分Zoom面談は波風立たずに終わりを迎えた。
マルチトークを習得するわけでも、壺を買わされるわけでもない、
drawとも言えない、強いて言うなら双方Loseのような結末……。
オチがないので関西人この話、外でよう話しませんわ!

以上。

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