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ライブ用双眼鏡の魅力と選び方

今年7月に双眼鏡を購入し、それ以降乃木坂のライブに持参しているのだが体験価値への貢献が非常に大きいため周囲に勧めたいと思った。ここではその魅力や私なりの選び方を伝えられればと思う。結論から述べると『Vixen アトレックII HR8x32WP』 及びそれと同等のスペックを持つ製品を推奨する。概ね2~3万円程度となるがその程度の価値はすぐに得られるだろう。

双眼鏡の魅力

前置き的な話になってしまうが購入のきっかけになったのは32ndアンダーライブである。スケジュール上の都合でモバイル先行に応募できず支払い漏れを辛うじて拾うことができた。名古屋国際会議場は3000人規模のホールだが3階席ともなるとステージまでの距離がかなりあった。補正視力がやや足りていなかったこともあるがスクリーンも無いため「よく分かんねー!」となってしまった。そのため、次に参加する7月の全ツに向けて用意することとなった。

使用した感想としては非常に満足しており手放せなくなった。そして過去のライブ(特にスタ誕ライブ)において所持していなかったことを後悔さえしているのだが、その魅力は3つの切り口から語ることができる。

1つは自分の好きな所を見れる自由度の高さだろう。特に私は特定のメンバーに注目したいためスクリーンに画角に囚われないのは強いし楽しい。2つ目はメンバーの動きの良し悪しが分かりやすいという点だ。最近では会場のスクリーンや配信映像を見ているとフレームレートによる限界を感じるようになった。当然、双眼鏡ではその概念が取り払われるためだ。33rdSGアンダーライブでは小川彩や佐藤楓の動きが目立ったが、これは従来では気付けなかったと思う。私の場合、元々メンバーのダンスにそこまで注目してこなったためライブを楽しむファクターが増えた価値は大きい。このような要因からスクリーンで見るよりより強い印象を脳に刻むことが出来ている。これらの点については以下の動画でも語られており魅力が伝わると思う。

最後はライブ中の無駄な時間が無くなるという点だ。前提として、私は基本的にコール最優先でありそれ以外の時間に双眼鏡を覗いている。コールが一切無い楽曲も多数もあり、その時間を有意義に使えるようになればライブ全体の満足度も向上する。

選び方

一通りその魅力に触れたところで、少しでも興味を持って頂いた方に向けて私の双眼鏡選定のプロセスに触れたい。先述の通り『Vixen アトレックII HR8x32WP』 を購入しているが、比較対象になった他の3製品と違いにも触れながら主要なスペックについて簡単に説明する。主観的内容が中心となってしまう点、また図や説明に誤りが生じ得る点はご容赦願いたい。技術的説明はニコンのサイトが分かりやすい。

価格は2023.10.17時点

まず大前提として重量400g以下に拘った。これは自宅で同重量の重りを首に掛けた際ストレスにならないと判断した限度である。私は以下のようにチケットホルダーに双眼鏡を掛けて運用しているが、これ以上重い物は掛けれない。地蔵前提ならこの限りではないが、常に双眼鏡を持たずに参加する者にとって400g以下というのはスペックと快適性をギリギリ両立できるラインだと思う。また、私は遠征でライブに参加することも多く、あまり重い荷物を持ち運べないという事情もある。そのため、この条件内かつ現実的な価格でなるべく見やすい物を探した。なお、この重量であれば片手持ちも可能だが実際は両手でないとブレてしまうと後から分かった。ちなみこの2つを繋いでいるストラップはエツミE-6972だが、ワンタッチで付け外しができるため重宝している。

本体のみの実重量が約380g、チケットホルダーと合わせると約433g

倍率はこの価格帯では概ね8倍or10倍となる。正直、1万人規模の会場で後方となると8倍では個人にフォーカス出来ずやや物足りない。大阪城ホールや横浜アリーナでの使用においてヨドバシカメラ作成の図と概ね感覚的に一致しているが、それでもまずは8倍を推奨したい。

その理由として、一つは倍率が上がるほど手ブレが起きやすいためである。現状の8倍でギリギリストレスが無い状態であるため10倍であればそこに思考のリソースを割かれてしまうのではないかと思う。もう一つは倍率と明るさがトレードオフであるという点である。暗い場所を見る場合でなくても明るさの数値が大きいほど綺麗な、きらびやかな像となるため体験価値に直結するのだ。店頭で覗いた印象から、これが一桁の製品は選択肢に入らなった。

なお、同じ倍率で明るさを上げるとなるとより大きい対物レンズ有効径が必要になるが、32mmを超える42mmクラスとなると一気に重量が増えてしまう。このことからも8×32の基本スペックがベストと判断した。

実視界7.0°未満のモデルも没入感の低さから選択肢から外した。とはいえ実際は中央に意識が集中するため極端に広い必要は無いと思う。この点で①アトレックの7.5mmは良い塩梅だと思う。実視界のと相関があるのかよく分からないが、②ウルトラビューEX③PROSTAFFは目を当てるレンズの径が大きく、直感的に「これは凄い」と感じた。

私のようにメガネ越しで見る場合。アイレリーフが短いと上手く見られない。概ね15mm程度あれば安心のようだ。高頻度では無いが屋外でのライブもあるため防水機能も備わっているが安心して使うことができる。また、マルチコートの出来によって見え方が変わるようだがいずれについてもこの価格帯であれば基本問題無いだろう。あとは重量だけでなくサイズ感もチェックしておきたいところ。

最初に惹かれたのは③PROSTAFFだった。視界の広さによる没入感が圧倒的で価格や質感も素晴らしい。しかしサイズと重量が惜しくも許容レンジから外れていた。これには個人差があるためもし許容できるようであればこれを選べば間違い無い。④SGEXは特に軽量かつ見え方もギリギリ許容範囲内だった。価格を抑えたい場合に一考の余地あり。

①アトレック②ウルトラビューEXの2つは見え方に決定的な差を感じられず最後まで迷いに迷った。ウルトラビューEXが昨年発売の新商品でカタログスペック上は完勝しているのだが、その反面レビューが少ない。一方でアトレックはライブ用双眼鏡の定番商品として複数サイトで紹介されていた。そしてウルトラビューについて特に引っかかったのがリプライを含む以下の一連のツイートである。

言われてみればになるが、確かに酔いやすい感覚は確認することができた。加えて、ビルドクオリティへの不安もあった。店頭に置かれている実機はどれもヒンジが緩んでしまっていたのだ。もちろんアトレックでも緩んでいたものはあるし、そもそも実使用でヒンジを開閉する回数は店舗のそれと全く比較にならないのだが、長期使用に対する不安が残ったのは事実であり選ぶに至らなかった要因の一つである。

質感の高さも気に入っている点の一つ

アトレック雑感

ここまで述べてきた通り、アトレックは軽量かつ各種スペックのバランス感に優れており実使用においても快適性が高い。万人受けする名機だと思う。但し一つ注意点があり、それは色温度がやや高く黄色っぽく見える点だ。これは同社の製品全般に見られる傾向のようだが、なるべく肉眼そのままの色を映して欲しい身からするとやや不満である。但し色の表現自体には全く問題が無いし、ライブ中には気にならないどころかより上品(?)な印象を与えてるいるようにも捉えられるのであまり気にしていない。

最後に商品画像をもう数枚貼っておく。ここまで読んで下さった方にとって何かしらの役に立てば幸いである。

本体、キャップ、ケース合わせて約477g
その他付属品


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