(一次小説 ・ ダークファンタジー )奈落の王 その十九 前線の伯爵公子。そして砦に入城する銀仮面卿
何人が人数を減らすことになったロラン達一行の前に、辺境伯の城に負けず劣らずの石壁とそれを覆う蔦に囲まれた、ずっしりとした石造りの砦が現れた。
屋上には見張り台がさらに増設されて、肉眼か魔術なのかはわからないが、物見らしき塔がある。
そしてその塔には三人、片手剣を腰につるしている他、弓や弩弓を持った兵士がいる。兵士の鎧はおそらく煮固めた革で、軽いなりにそれ相応の硬度を持つ品と見受けられた。
ロラン──銀仮面卿の一行を見、いつもの輸送隊であると気が緩みかけたところで、彼ら物