(ダークファンタジー) 奈落の王 その十四 伯爵公子閣下の望み
ハルフレッドのテンションはまだまだ上がる。
ロランはそんな彼……実質的な主人の……姿と言葉をまるで別人を見るように、もしくは貴族とはこんなものかと驚いて、ただ眺める。
「そして、大々的な夜会をやって、晴れてお前も妹も社交界デビューだ」
「はあ? 無理言うな、賤民は賤民だよ、犬猫が奇麗な服を着て、レスリングをするようなものだ」
うん、格闘大会ではボロを着ていないとすぐ傷み破れるものだ。
だがハルフレッドは今のたとえが気に入ったようで。
「あはは! よく言った! だが