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ドブス・ザ・ライド 最終章


洗車編


棺桶に入れられたドーブズ達の前に、棺桶の隙間から突然まばゆい閃光が走り、棺桶が開かれた。
それはさらに未来で開発された人間蒸発器の光線攻撃によるものだった。
もっと未来からドーブス・マクフライの子孫と思われる人達が助けに来てくれたのだ。
霊柩車の運転手はたちまち肉塊と化し、車の中は血で溢れていた。
すると子孫達は
「洗車しよう」と言い出した。

洗車か。
敵に追われる身なのにそんなことしててもいいのかと思ったが、やはり必要だと考え改め、ドーブズは洗車することを選んだ。
ドーブズ達は無人のガソリンスタンドに入った。
彼らの顔は世間ではもう知られてしまっているからだ。

ドーブズと阿知波は洗車を始め、車の中を水で子孫達と共に洗い始めた。

阿知波はドーブズの子孫達に、こう話を切り出した。
「未来の地球はどうなっているんだい?」

すると、子孫達はピュアな瞳でこう答えた。
「地熱発電がエネルギーの主流になってます」

「では、阿知波家の人間は生きているかい?」

「実は」

「なんだね?」

「実はもう阿知波家の人間もマクフライ家の人間も、もういないんです」

「え?」

「実は私たち、タネオ・ビフの親族なんです」

「ビフは過去にも未来にも行って、マクフライ家の人間を全員ビフ家の人間に変えてしまったんです」

そのセリフを言った途端、ドーブズの体が透けだし、消えかかり始めた。

「おい、毒。俺なんか変だよ」

そう言い残して、ドーブズ・マクフライは姿を消した。

「嘘だろ、嘘だろぉ」

阿知波はパニックを起こし始めた。

「嘘だ!そんなもの嘘に決まっている!!」

「おじいちゃん、落ち着いて、悪気はなかったの」

「だまれぇ!! 近寄るな!! お前らみんな悪魔だぁ!」

「なんでそんな怒るんですか?」

「俺はいままでマクフライ家の人間を救おうとしてきて頑張ってきた。でもそれがもう無駄だったなんて、ショックすぎるよ!!!ふざけんな!!!」

「お前らみんな嫌いだ!!俺が見た未来にドーブズ・マクフライの親族も、俺の親族も生きていた。だが、もっと先の未来に行くと、こう誰も居なくなってるとは驚きだよ!大嫌いだ!!」

もう、


全てが憎い!!!




決戦編


阿知波はタネオ・ビフの城に戻ってきた。
城の周りはバイクを爆走させた護衛隊が構えており、裏口の排気管から阿知波は潜入することにした。
排気管は狭く長い。
しかし、それで何とかバレずに殿様のいる庭園に辿り着いた。

「ビフ! 待たせたな! 俺は生き返ったぞ!」

それと同時に、阿知波は刀を抜いた。
すかさずタネオ・ビフも刀を抜いた。

「これが最後の戦いになりそうだ」

バチン!!
と音を立て、ぶつかり合う二つの刀。
城内の庭園に風が静かに吹き抜ける中、阿知波とタネオ・ビフは向かい合って立っている。

「俺は絶対に負けん。マクフライ家の命運も俺が握っているのだから」力む阿知波。

「ふふふ、そうだな。あんたもよく持ちこたえたものだが、今日こそは俺が勝つ時だ」そう言ってほほ笑むタネオ。

激しい刀の音が庭園に響き渡る。彼らの刀が激しくぶつかり合い、火花が散る。

「わしゃ、絶対に負けない!」阿知波が叫ぶ。

「お前はまだ弱い。学者としての名誉も何も持ち合わせていない」タネオが煽る。

二人は再び激しく刀を交える。阿知波は力強く、技巧的に刀を振るい、タネオ・ビフは冷徹な攻撃で応戦する。

「私はこの未来を守る!そして、お前の野望を打ち砕く!」

「フハハハ、愚か者め、お前は既に敗北している!」

戦いは激しさを増し、庭園には二人の息づかいと刀の音だけが響き渡る。

阿知波はこう叫びながら、刀を振るう。

「私は負けない…この友情、この命を守り抜く!」


すると、阿知波は驚異的な反撃を見せる。タネオ・ビフは阿知波の力に驚愕し、最後の一撃を背中にくらい倒れた。その時、広場に響くのは阿知波の勝利の叫びだった。

「な、なんだと、なぜ、貴様に、俺が」

「お前の敗因はたった一つだ」

「くっ、何故だ何故だぁ」


「俺が勝ったのは、

俺がドブス顔面キモ人間だからだ」




おわり


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