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ドブス・フィクション

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哀を死る、全醜類に捧ぐ
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#高校編

Chapter 6 「学園の先で...」

あれは確か、二年前の夏。 いや、明確には2017年の6月。梅雨の時期だった。 俺は当時高2で、自分の進路について先の見えない恐怖から焦りだし、また帰宅部故に、この退屈な学校生活に耐えがたい孤独を感じていた。 梅雨の時期特有のあの腐ったような雨傘の臭いと、濡れた制服から少し透けて見える女子の下着。その幻想的かつ汚らしい空気を纏った校内の空気は、まるで白昼夢のようだった。 その理性を失わせる梅雨の陰鬱とした空気と、7月の中間試験に対する途方もない不安。当時の俺は、正直言っ

Chapter 7「異端者・孤立者・沈黙者」

ド・ブーズ 最初のメンバーは、全部で4人。 俺と、ユウキと、ナガヤマと、ヤマネだ。 俺たちは全員同い年で、それでもって全員ドブスでもあった。 ドブスってのは、つまりは他人を寄せ付けないレベルの不細工ってことだ。 言っちゃ悪いんだが、そん中でも正直ナガヤマはズバ抜けたブスだった。 これ以上ない程のブスで、臭かった。 デブのブスで、年中脂汗を垂らした不潔な奴。俺からするとアイツのことは、ずっとそういう認識でいた。 俺はそんなナガヤマのことが、嫌いだった。一緒にいるの