Chapter 10 「眠れぬ哉、前夜」
2017年8月14日。
あの日、俺はナゴヤから見える、あの大きな煙突を夕暮れ時に眺めていた。ただただ、じっと電車を待ちながら、これから起こる惨事についての想いを馳せていた。
水族館までは電車で20分ほどだ。考える時間はまだ割とある。その間に俺はどうやってヤマネを調理するのかを考えなくちゃならなかった。
これからのことはきっとユウキ達がなんとかやってくれるだろうと、内心甘く考えてはいたが、正直、これまでの流れから言って俺には汚れ仕事を任せてくるんじゃないだろうか。と、そん