Chapter 6 「学園の先で...」
あれは確か、二年前の夏。
いや、明確には2017年の6月。梅雨の時期だった。
俺は当時高2で、自分の進路について先の見えない恐怖から焦りだし、また帰宅部故に、この退屈な学校生活に耐えがたい孤独を感じていた。
梅雨の時期特有のあの腐ったような雨傘の臭いと、濡れた制服から少し透けて見える女子の下着。その幻想的かつ汚らしい空気を纏った校内の空気は、まるで白昼夢のようだった。
その理性を失わせる梅雨の陰鬱とした空気と、7月の中間試験に対する途方もない不安。当時の俺は、正直言っ