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連続小説 侵略者

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現代と実体験と、素直な妄想の交錯図
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侵略者 第五章

"Walking With The Dinosaur" 俺達はつつじ通りを抜けて、裏の路地へと入って行った。 岩美は何かを求めているような瞳で、正面を見つめて歩いている。その眼の先には、美しい夕焼けが映っていた。 「綺麗だな…」 そう俺は呟いたが、岩美は黙ったままだった。 不思議な沈黙が、俺達二人の間に流れた。 それは何とも形容のしがたいベールのような空気で、俺たちの周りを取り囲むように流れていた。 この美しく包まれた黄昏時の空気を壊してはいけない。 そんな空気感が流れ