夕暮れ

薄汚れた部屋の中に私はいる。
ZARDの眠れない夜を抱いてを聴きながら。
夕方という矛盾。汚れているのにZARDという矛盾。
この世に矛盾という美しいものが存在していたことに私は驚いた。
カーテンを挟んだ下界からは綺麗な蜜柑色の夕焼けが僕を優しく照らしている。
たまに通る車のエンジン音で世界を確認して、
たまに吹く風にあたって世界と繋がる。
人々が疲れ帰宅をする時間から動く自分が好きだ。
人と違う動きをすることが嬉しい。
明日もバイトか...なんてため息を吐くことすらどこか気持ちよく感じる。
人と繋がることは、外と関係を持つことは疲れることなのだ。分かりきっている。
それでもそれを辞めれば孤独感に包囲されて死んでしまう。
だから思考や声といった部分的に繋がれるインターネットが好きなのだ。
私が私である場所は結局のところインターネットの中だけなのかもしれない。
それは本性とか素顔とかじゃなく、自分が行きやすい場所という意味で。
今日も僕の一日が始まる。
シャワーも浴びた。
そとにでなければ。

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