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Mtg Arena エクスプローラー赤単の調整記録

①経緯・目的

2022/6/18~19にエクスプローラーBO3・フォーマットで行われたmtg arena予選ウィークエンドに向け、約1.5か月にわたり赤単デッキを調整した。
結果は1-2で初日敗退、ランクも最高Mythic #231と振るわなかったが、自分なりに調整した際の思考プロセス、及び調整過程で浮かび上がった課題を改めて記述することで振り返りを行う。

②結果・結論

予選ウィークエンド 1-2(初戦敗退)
Mythic最高ランク#231
BO3ランクマッチ勝率72%(74-29) P69%/D59% Platium4→Mythic#231

・雑多なデッキは圧倒でき、不利マッチでも十分なチャンスを作れる最低限のデッキパワーはある。特に《暴れ回るフェロキドン》は不利マッチでの勝ち筋になることが多い。
・《ゴブリンの鎖回し》《暴れ回るフェロキドン》がほぼすべてのマッチアップで強く、赤単を組むならこの2種8枚は確定としたい。
・1-2マナ域が弱く、1スロット2~4枚分ブレの大きいカードが入ってしまう。1-2マナ域で強力なカードが追加されれば大幅な強化が見込める。
・従来型の赤単のリストに対して、tier1であるラクドスミッドレンジ・ジャンドフードとの相性差を超不利→微不利~五分まで改善。
・従来型の赤単のリストに対して、緑単アグロ・セレズニア(バント)天使との相性差を超不利→微不利~五分まで改善。
・アゾリウスコントロールと同サイズ以下のアグロには圧倒的に有利。
・対コンボに対しては不利。相性改善には根本的な構造の変更が必要。
→現在のメタゲームでは戦えるがグッドポジションではない。

③環境認識・現状分析

調整当初の環境認識と現状分析を記載する。
(1)前提
エクスプローラーは制定間もなく、また大きなイベントもないことから、パイオニアや旧スタンをベースに各プレイヤーが手探りでデッキを模索していた。メタゲームはランク戦による各プレイヤーの主観とインフルエンサーによる情報発信、直前に行われたプレイインイベントによって形成された。
赤単を選択した理由は単純な好みと、前シーズンでの使用感の良さによるものであった。

(2)メタゲームの認識
時期により変動はあるが、最終的なメタゲームの認識は下記の通り。

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(2)-①ミッドレンジ(ラクドス・ジャンドフード)
盤面の形成能力に優れ、細かい交換を繰り返す中で少しずつアドバンテージを獲得して勝利を目指す。盤面に依存するアグロ全般に強く、盤面に依存しないコンボ・コントロール、一枚で盤面を支配するランプ系に弱いが、根本的なデッキの安定感、ハンデスによる干渉、早いクロックによるショートレンジのゲームプランを取れることによって不利な相手にも極端な相性差がつかない。

(2)-①-1 ラクドスミッドレンジ
【強み】デッキの主軸である《鏡割りの寓話》《砕骨の巨人》《墓地の侵入者》《反逆の先導者、チャンドラ》がどれも単品でアドバンテージを獲得できる。/単品のクロックが高い為盤面への対処を求められる。/《思考囲い》によって最低限コンボ耐性あり。/《鏡割りの寓話》と《税血の収穫者》の血トークンのルーターで安定性が高い。/肉質の良さ、《踏みつけ》・《致命的な一押し》により軽いアグロへの制圧力が高い。【弱み】《踏みつけ》が当たらず、肉質勝負で押し負ける緑単系アグロはやや苦手。/盤面の細かいアドバンテージに依存しないランプ・コンボ戦略が苦手。【総合評価】苦手なマッチアップでも除去・ハンデスのかみ合いやそもそものデッキの安定性、早いクロックによる押し付けなどによって大きな不利はつかない。

(2)-①-2 ジャンドフード
【強み】《大釜の使い魔》《魔女のかまど》+《波乱の悪魔》によって、回避能力のない地上戦力は足止めし、低タフネスクリーチャーは制圧できる。/《パンくずの道標》システムによって簡単に・継続的にアドバンテージを獲得できる。/《フェイに呪われた王、コルヴォルド》によって急激にライフへのプレッシャーをかけることができ、対処できたとしてもドローによって優位を確定できる。/上記3つのゲームレンジを状況に応じて選択できる。/《鏡割りの寓話》と《パンくずの道標》により安定性が高い。/《思考囲い》により最低限のコンボ耐性あり。【弱み】大釜の使い魔》《魔女のかまど》+《波乱の悪魔》で止まらない回避能力持ち・高タフネスクロックが苦手。/盤面の細かいアドバンテージに依存しないランプ・コンボ戦略が苦手。【総合評価】苦手なマッチアップでも除去・ハンデスのかみ合いやそもそものデッキの安定性、《フェイに呪われた王、コルヴォルド》による押し付けなどによって大きな不利はつかない。

(2)-② 青系コントロール(WUコントロール)
主にカウンターによってコンボデッキ・遅いボードコントロールを狩るポジション。UR系も存在するが《表現の反復》禁止により下火。また、単品除去のために黒をタッチしたタイプも存在するが、色拘束がきつく安定性に懸念あり。【強み】全体除去を採用できるため遅めの生物デッキに対して有利。/カウンターを構えられるためコンボデッキ・ランプ系デッキ全般に有利。/盤面に依存しない為ミッドレンジ2種の強みをある程度無視できる。/デッキの地力が高く、雑多なデッキに対して渡り合える。【弱み】但し単体除去が弱いため早いアグロやクロックパーミッションが苦手。【総合評価】弱点が少なく様々なデッキと渡り合える。メタ上のポジションも〇。

(2)-③ コンボ(ジェスカイ独創力・グルール異形化・エスパーパルへリオン・マルドゥパルへリオン)
トップメタのミッドレンジ2種に対して、盤面をほぼ介さずに1ショットでゲームを決めることで優位を取ることを狙う。カウンターがないデッキ全般に強く、逆にカウンターを構えられるデッキには滅法弱い。また、コンボ対策やそもそもの安定性の部分で難点を抱える。

(2)-③-1 ジェスカイ独創力
宝物を貯めて《不屈の独創力》を撃ち《裏切りの工作員》を複数展開することで盤面を支配する。《表現の反復》禁止によりデッキの安定性が低下、未だ最適な構築が見つかっていない印象。【強み】《不屈の独創力》がカウンター・ハンデス以外で対処できない為コンボの成功率が高い。/特定の強力なパーマネントに依存するデッキに対して《裏切りの工作員》がクリティカルに刺さる。【弱み】特定のパーマネントに依存しないデッキに対して、コンボが決まって《裏切りの工作員》が出ても勝てない。/サイド後に《裏切りの工作員》と入れ替えて強いフィニッシャーがおらず、上記の弱点を改善できない。/ソーサリーアクションが多いためカウンターデッキに弱い。【総合評価】環境初期に《裏切りの工作員》に弱いデッキが淘汰されてしまった為ポジションが悪化。ポテンシャルはあるが現在のメタゲームでは勝ちきれていない。

(2)-③-2 グルール異形化
《異形化》から《産業のタイタン》をサーチする。【強み】インスタントタイミングでの種クリーチャー展開から最速3ターン目に《産業のタイタン》が着地する。/《異形化》がなくても《エシカの戦車》《反逆の先導者、チャンドラ》で盤面形成可能。/ゲームが長引けばマナサポートから《産業のタイタン》素出しも可能。【弱み】《不屈の独創力》と異なり変身の種がクリーチャー限定なのでインスタント除去一枚で止まってしまう。/キーパーツに依存するためカウンターデッキに弱い。【総合評価】爆発力はあるが除去で止まってしまう為コンボの利点が薄い。干渉手段の薄いアグロに強く、その他には不利。

(2)-③-3 エスパーパルへリオン
《帳簿裂き》《策謀の予見者、ラフィーン》により《パルへリオンII》《大牙勢団の総長、脂牙》コンボへの依存度を下げたデッキ。【強み】メインはコンボに触れない相手に有利。/サイド後墓地対策で詰むことがなく粘り強く戦える。【弱み】マルドゥタイプに比べてコンボが揃う確率が少し低い。/《帳簿裂き》《策謀の予見者、ラフィーン》によるビート自体はそこまで強くない。

(2)-③-4 マルドゥパルへリオン
エスパーと異なり《パルへリオンII》《大牙勢団の総長、脂牙》コンボにオールインしたタイプ。【強み】《鏡割りの寓話》2章でのルーター後(=4ターン目)はかなりの確率でコンボが決まる。/サブプランとして《死の飢えのタイタン、クロクサ》を搭載。【弱み】サイド後は墓地対策をもろに食らう。《思考囲い》《ポータブルホール》《削剥》《断割》で墓地対策対策必須。【総合評価】コンボの成功率が高く、除去・カウンターを構えられないデッキでは愚直な墓地対策が必須。

(2)-④ アグロ(緑単・青単・セレズニア(バント)天使・赤単)
アグロの中でも各デッキごとに性格が全く異なる。個別項参照。

(2)-④-1 緑単アグロ
サイズの優秀な緑のクリーチャーで直線的に攻めるアグロデッキ。【強み】サイズが大きく、点数除去・地上での殴り合いに強い。/《ラノワールのエルフ》からのブン回りパターンあり。/《集合した中隊》により爆発力・復帰力高い。【弱み】ドロー操作がないので下振れしやすい。/干渉手段が少ないのでコンボデッキ全般や強力なシナジーのあるセレズニア天使に不利。/全体除去をもつWUコントロールもやや苦手。【総合評価】トップメタのミッドレンジ2種に対してサイズ差で優位を取れるのが魅力だが、安定性の問題あり。欠点を補うためにタッチ黒で除去と《思考囲い》を採用する形もある。

(2)-④-2 青単アグロ
軽量のスピリット・クリーチャーを展開しカウンターを構え続けるクロックパーミッション。【強み】早いターンに《執着的探訪》を付けた飛行クリーチャーで殴り始められれば殆どのマッチで有利。/カウンターを構えられるのでコンボや要所が重いWUコントロールや緑系ランプに有利。【弱み】軽い干渉手段のあるミッドレンジ系や打点で大きく劣る単色アグロには大きく不利。【総合評価】有利な相手を狙い定めて使うポジションデッキ。ミッドレンジがトップメタにいる間は使いたくない。WUコントロールに明確な有利を取れるのは〇。

(2)-④-3 セレズニア(バント)天使
《翼の司教》《正義の戦乙女》の天使シナジーを中心としたアグロデッキ。【強み】《翼の司教》《正義の戦乙女》シナジーを形成できればライフ・サイズが爆発的にupしアグロでは攻略不可能。コンボ系に対してもサイズで圧倒可能。/《集合した中隊》一発での盤面形成が可能。/キーパーツの《翼の司教》《正義の戦乙女》がどちらもタフネス4なので点数除去に強い。【弱み】シナジーを形成できない場合はただの遅いアグロになる。/干渉手段が乏しくコンボを妨害できない。/全体除去に無力。【総合評価】相手からシナジーパーツに干渉されるマッチアップはやや不利だが、相手の展開の上から盤面を制圧する爆発力がある為WUコントロール以外には絶望的な相性差はない。

(2)-④-4 赤単アグロ
本記事のベースとなる内容なので細かく記載する。現在の赤単の主流のリストは下記。

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1・2マナからクリーチャーを大量に展開し《エンバレスの宝剣》《朱地洞の族長、トーブラン》で刺しきる直線的なアグロデッキ。除去スロットを《砕骨の巨人》《ゴブリンの鎖回し》に頼ることでクリーチャーを大量投入している。【強み】速度は環境随一でメイン戦のブン回りを捌くことは困難。【弱み】対ミッドレンジに対しては相手の除去が全て効果的に刺さり、3ターン目以降相手の地上戦力でコンバットが通らなくなる。/コンボに対しては干渉手段がないため最速ターンにコンボが決まってしまう。/緑単・天使に対しては除去が1点・2点しかない上にクリーチャーサイズも劣るためまずコンバットが成立せず、特に天使はシナジーが完成すると宝剣でも巻き返せないライフ水準まで逃げられてしまう。【総合評価】上位メタに対してほぼ不利がつくバッドデッキ。WUコントロールに有利な点だけが魅力。但し、予選ウィークエンド直前のBO3プレイインで下記リストが登場し、一部相性を改善することに成功している。

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【強み】除去枠に《無謀な怒り》を採用することで緑単・天使・パルへリオンに対して軽く対処ができるようになっている。【弱み】《無謀な怒り》を撃つために採用している《損魂魔道士》と《遁走する蒸気族》がどちらもトップメタであるラクドスミッドレンジ・ジャンドフードに弱い。
総じて、《エンバレスの宝剣》に頼った構成の赤単は現状のメタゲームに置いて優位性がほとんどないと判断できる。

(2)-⑤ 緑系ランプ・ボードコントロール(オムナスランプ・スゥルタイ系ランプ)
ラクドスミッドレンジ・ジャンドフードよりも上のマナ域で戦うことで構造的優位を形成することを目指したデッキ。環境初期にミッドレンジメタとして台頭したが、ランプという特性上安定性に欠けること、同じくミッドレンジメタとして台頭したコンボやWUコントロールに不利なことから下火に。現状評価に値しない。

(2)-⑤-1 オムナスランプ
《創造の座、オムナス》を主軸としたランプデッキ。《発現する浅瀬》を採用したエレメンタル型が主流。《創造の座、オムナス》は強力だがランプの特性上引きムラが大きく安定しない。

(2)-⑤-2 スゥルタイ系ランプ
スゥルタイ系とまとめたが、《世界を揺るがす物、ニッサ》主軸のタイプや《出現の根本原理》をゴールとするタイプなどがある。共通することは、マナを伸ばして重量級スペルで一気に盤面を掌握すること。盤面への干渉を黒い単体・全体除去に頼ることが多い。基本的にはボードコントロールの側面を持つが、エクスプローラー環境の多様な攻め手を受け切るだけのデッキパワーには達しておらず、重いスペルを撃つ前に刺しきられることが多い印象。

(2)-⑥ メタゲーム総評
・ラクドスミッドレンジ・ジャンドフードに対して各デッキタイプが攻略を仕掛けているが、デッキの地力の高さ・多彩なゲームレンジにより優位は取れておらず、依然この2種がトップメタ。但し、相応の意識をされ、かつ同型も多いので勝ちきるにはプレイ習熟の上で運の要素も大きい。
・上記トップメタへのメタデッキに強く、かつ直接対決でも渡り合える地力のあるWUコントロールがポジション〇。
・ラクドス・ジャンドフードに優位を取ろうとするデッキはどれも安定感に欠け、デッキの地力が低いため勝ちきれない。但し緑単アグロだけはその中でも安定している。

④デッキ構築の狙い → 評価

上記環境認識から、デッキを構築する上での狙いを整理する。ここで、考慮すべき主な仮想敵は、
・ラクドスミッドレンジ
・ジャンドフード
・WUコントロール
であることがわかっている。他デッキに対しても一定数存在する事を想定し、苦手部分にはある程度の手当をする必要がある。

【構築の狙い→評価】
④-1 対ラクドスミッドレンジ
>【強み】デッキの主軸である《鏡割りの寓話》《砕骨の巨人》《墓地の侵入者》《反逆の先導者、チャンドラ》がどれも単品でアドバンテージを獲得できる。
→【構築の狙い】ダメージレースで優位に立てる(最悪でも相打ち)《砕骨の巨人》《暴れ回るフェロキドン》《ゴブリンの鎖回し》《朱地洞の族長、トーブラン》を同数以上採用することで消耗戦の末に盤面を掌握する。サイド後は各種PWに加えて《実験の狂乱》による物量勝ちを狙う。

【評価】◎:適正ターンに、かつ相手と同数以上3・4マナのカードをプレイできた場合は想定通り消耗戦を制することができた。特に《ゴブリンの鎖回し》と《暴れ回るフェロキドン》の先頭を盤面だけで止めることはできず、後手に回ったところを《朱地洞の族長、トーブラン》で押し切る展開が多かった。サイド後の《実験の狂乱》は触られることがないので置くターンを作れてしまえば圧倒的な展開となった。

>【強み】単品のクロックが高い為盤面への対処を求められる。
→【構築の狙い】常に攻めに回りプレッシャーをかけることで対処に回る展開を減らす。
【評価】△:適正ターンに、かつ相手と同数以上3・4マナのカードをプレイできた場合は想定通り攻めに回ることができたが、2マナ域が弱い(後述)為特に後手番で受け切られてしまうケースもあった。

>【強み】《鏡割りの寓話》と《税血の収穫者》の血トークンのルーターで安定性が高い。
→【構築の狙い】常に攻めに回ることで手を整える余裕・整えた手をうまく使う余裕を与えない。
【評価】×:上述の通り、受けに回る展開も多く、《鏡割りの寓話》と《税血の収穫者》の血トークンのルーター分で負けるゲームが多かった。赤単側はドロー操作がないためどこかで下振れるとそれを返せずに押し切られてしまう。

>【強み】肉質の良さ、《踏みつけ》・《致命的な一押し》により軽いアグロへの制圧力が高い。
>【弱み】《踏みつけ》が当たらず、肉質勝負で押し負ける緑単系アグロはやや苦手。
→【構築の狙い】肉質勝負で互角以上かつ、タフネス3・マナコスト3以上の《砕骨の巨人》《暴れ回るフェロキドン》《ゴブリンの鎖回し》《朱地洞の族長、トーブラン》を厚く採用することで相手の除去をうまく使わせない。《踏みつけ》で除去されてテンポ損する生物は可能な限り採用しない。
【評価】×:3~4マナ域は想定通りに機能したが、2マナ域がそもそも弱く、《致命的な一押し》を温存されて負けるケース多数。《炎樹族の使者》もただの《灰色熊》になることが多かった。そもそもカードプール上に強い1・2マナクリーチャーが足りておらず、《義賊》《遁走する蒸気族》のようなブレの大きいカードを取らなければいけない状態。

【対ラクドスミッドレンジ総評】
2マナ域が弱く、思った通りに攻めに回れない展開が多かった。ライフにプレッシャーをかけられないので、除去をうまく合わせられたりルーティングで手を整える時間を与えてしまうのが負けパターン。メイン・サイドの3~4マナ域は良く機能し、上述の課題をクリアできれば十分渡り合えるポテンシャルがあると考えられる。
対ラクドスミッドレンズ戦績:10-6
勝ち越しているが高ランク帯での勝率を考えると大目に見て五分程度。

④-2 対ジャンドフード
>【強み】《大釜の使い魔》《魔女のかまど》+《波乱の悪魔》によって、回避能力のない地上戦力は足止めし、低タフネスクリーチャーは制圧できる。
>【弱み】大釜の使い魔》《魔女のかまど》+《波乱の悪魔》で止まらない回避能力持ち・高タフネスクロックが苦手。
→【構築の狙い】《暴れ回るフェロキドン》《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》《エンバレスの宝剣》によって《大釜の使い魔》《魔女のかまど》での足止めを防ぐ。タフネス1のクリーチャーを極力排し《波乱の悪魔》で壊滅しない盤面を作る。
【評価】◎:特に《暴れ回るフェロキドン》が覿面に効果があり、対処されなければ一方的な展開に。但し《致命的な一押し》の的になるので過信は禁物。《波乱の悪魔》は3マナ域同士のぶつかり合いで優位を取れ、《稲妻の一撃》でも簡単に処理できる為、従来リスト程致命的ではなかった。

>【強み】《パンくずの道標》システムによって簡単に・継続的にアドバンテージを獲得できる。
→【構築の狙い】攻めに回ることで《パンくずの道標》を起動する・《パンくずの道標》で引いたカードを使う時間を作らせない。
【評価】◎:《パンくずの道標》を設置するゲームでは赤単側の3ターン目のクロックが十分に間に合う。よほどかみ合わない限りは《パンくずの道標》を複数回起動する時間・マナは作れない。むしろ《パンくずの道標》の設置と起動にマナとカードを使ってくれる展開は赤単側に有利に働く。

>【強み】《フェイに呪われた王、コルヴォルド》によって急激にライフへのプレッシャーをかけることができ、対処できたとしてもドローによって優位を確定できる。
>上記3つのゲームレンジを状況に応じて選択できる。
→【構築の狙い】《フェイに呪われた王、コルヴォルド》自体には対処できないので、横並びでプレッシャーをかけて《フェイに呪われた王、コルヴォルド》着地ターンに《朱地洞の族長、トーブラン》《エンバレスの宝剣》で詰め切る。
【評価】〇:ジャンドフードも最速《フェイに呪われた王、コルヴォルド》着地を目指してくるので基本的にスピード勝負になる。《金のガチョウ》を除去すること、《致命的な一押し》でメインアタッカーを除去されないこと、を満たせれば基本的に赤単側が早い。但し、サイド後は《食肉鉤虐殺事件》X=3で場が壊滅してターンを稼がれ、消耗戦の末《フェイに呪われた王、コルヴォルド》着地パターンがある。裏目もあるが、《実験の狂乱》をサイドインして常に全力展開していくのが吉。

>【強み】《鏡割りの寓話》と《パンくずの道標》により安定性が高い。
→【構築の狙い】攻めに回ることでアドバンテージを生かす時間を作らせない。
【評価】〇:前述のとおり、対ジャンドフードは3ターン目のクロックが間に合うことが多い。

【対ジャンドフード総評】
従来の赤単に対して相性は劇的に改善。タフネス1を排したこと、《暴れ回るフェロキドン》のメイン採用が大きい。その上で、《致命的な一押し》《フェイに呪われた王、コルヴォルド》《食肉鉤虐殺事件》により攻守を入れ替えられるので一手差が致命的になるタフマッチアップ。このマッチアップの為だけに《エンバレスの宝剣》を2枚とりたい。
対ジャンドフード戦績:5-2
勝ち越しているが相手の構成や習熟度に大きく左右される。肌感覚では五分~微不利、先後手差でひっくり返るレベル。

④-3 対WUコントロール
>【強み】全体除去を採用できるため遅めの生物デッキに対して有利。
→【構築の狙い】メインは序盤生物で押し込み、最後の6~8点は土地+本体火力で削りきる。サイド後はエンチャント・PWを絡めてより対処を難しくする。クロックを調節しカウンターと《放浪皇》のプレイタイミングを誘導する。
【評価】◎:メイン・サイドともに赤単側の脅威の種類・手数が圧倒的なのでプレイタイミングを誤らなければ問題なし。

【対WUコントロール総評】
超有利マッチアップ。サイドに非クリーチャーのダメージ・アドバンテージ源を4枚(他マッチアップ用と共用で可)取っておけばまず負けない。《乱動する渦》《勝負服纏い、チャンドラ》が強力で早いターンに着地するとあとは適当にいなしているだけで完走できることもある。《放浪皇》のターンに《暴れ回るフェロキドン》を置いて-2のゲインをさせない、-2させた後に《ゴブリンの鎖回し》《熊野と渇苛斬の対峙》で落とす、ところがポイント。ミシュラランドは《冥土灯りの行進》で対処されるので過信しない。
対WUコントロール戦績:8-0

④-4 対アグロ(緑単・天使・青単)
【構築の狙い】対クリーチャーデッキは《ゴブリンの鎖回し》《暴れ回るフェロキドン》《砕骨の巨人》すべてが有効。にらみ合いになったら《朱地洞の族長、トーブラン》《エンバレスの宝剣》で突破する。
【評価】〇:緑単・天使はもともと不利マッチアップだが、《ゴブリンの鎖回し》《暴れ回るフェロキドン》は大きいクリーチャーに対しても殴っていけるので従来型赤単に対して1~2ターン攻めを継続でき、押し込みに貢献する。特に天使に対しては《暴れ回るフェロキドン》が定着すると機能不全に陥るので、劇的に相性が改善する。それでもかみ合いが求められるが先手では有利が取れるレベル。青単についてはもともと有利なので特にコメントなし。

対緑単アグロ戦績:5-0
対天使戦績:2-1
対青単アグロ戦績:5-0
対緑単は5-0だが先手後手でひっくり返る・マナクリを焼けるかどうかのかみ合いもあるので肌感覚では五分前後。対天使はn数足りないが、天使側が回った時に《暴れ回るフェロキドン》《乱動する渦》が定着すれば勝ち、しなければ負け、そもそも天使側が回らなければ勝ち、くらいの印象。

④-5 対コンボ(独創力・異形化・パルへリオン)
【構築の狙い】メインでの対策は不可なので、《エンバレスの宝剣》による最速勝ちきりを狙う。サイド後ヘイトパーマネントにより相手のコンボを止めている隙に殴りきる。
【評価】△:プランは良いが、それでも相性差は覆らない。サイド後はヘイトパーマネントを引けるかどうかだが、マリガンしすぎるとコンボ以外の要素で簡単に負けてしまう。サイドスロットにも限界があるので、メタ次第で枚数調整するしかない。

対ジェスカイ独創力戦績:1-2
対グルール異形化戦績:1-1
対エスパーパルへリオン戦績:2-1
対マルドゥパルへリオン戦績:2-6
マルドゥパルへリオン以外はn数不足なため相性図りきれていないが、ジェスカイ独創力は《裏切りの工作員》が比較的効きにくいためマシ、エスパーパルへリオンはコンボ要素が薄くコンボ以外の戦略に対しては有利なのでやや有利、グルール異形化は《産業のタイタン》がどうにもならないので不利、という印象。

以上。個別のマッチアップの詳細やプレイガイドは気が向いたら。


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