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社会的証明の原理

社会的証明の原理とは、他の人たちが何を正しいと考えているかを基準にして物事を判断するということです。簡単に言うと何かするときに周りの判断に沿って行動する傾向が高いということです。これは普段の生活でもかなり多くの部分で使われています。最も身近なところだとテレビの笑い声です。これは既に録音された音声を映像に合わせて流しているだけなのですが、それを聞くとつい面白いものだと錯覚してしまうのです。また、拍手が聞こえると会場全体に拍手が広がるのもこの原理が作用しています。この拍手をするいわゆるサクラとしての仕事があったくらいです。

この原理は不確かさ、類似性、模倣という3つの要因が大きく関係しています。

今では何気なく使っているショッピングカートですが、スーパーに導入された時は誰一人として使いませんでした。なぜあんな便利なものを使わないのかと疑問に思うかもしれませんがこれこそ不確かさを表すものです。今まで使っていないものがいきなり生活の中に組み込まれたときにすぐ使いたくなるでしょうか?ならないですよね。この時にショッピングカートを使うように協力者を何人か用意し、実際に使ってもらうと一気に使用する人が増加しました。これは集合的無知の典型例なのですが、よく分からないものを周りが使わなければ自分も使わないのです。

類似性の代表的な事件があります。ある町で殺人事件が発生しました。しかも公衆の目の前で起きました。次々と殺されていく現場を38人が見ていたのにも関わらず誰一人通報しなかったのです。この時何が起こっているのかわからないという不確かさに加えて同じ傍観者がたくさんいるという類似性から行動に移さなかったということが考えられます。誰かが通報してくれるだろうという責任転嫁がこの事態を招いたのです。何か緊急事態が起きた時は誰か一人に依頼することが重要です。

模倣については場合によってはかなり危険な性質を持っています。ニュースで黒人が暴行を受けたものが報道されると同じ黒人が暴行される事件が増え、白人の場合になると同じ事が起きます。自殺の報道がされると自殺の件数が増え、事故の報道がされると事故の件数も増えます。これは類似性とも関連が強く、普段の生活で特に注意しなければならない部分です。


子の協力な原理に対処するために意識しなければならないことは
・客観的事実
・以前に自分が体験したこと
・自分自身の判断

この3つに沿って判断することです。大事なことほど周りに簡単に合わせることなく判断していただきたいです。ただ、人は無意識が大半を占めているのでなかなか難しいんですけどね(笑)。

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