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ラクシャーサが壊れたテレビを叩いて直す【P4G感想】
ペルソナ4ゴールデンを今更遊んだ感想。
序盤こそ、出会って数日のよく知らない人が己の内面と格闘する姿を見せられる、どう感じればいいのかわからないゲームだったが、日が進むほど面白くなっていった。
ダンジョン攻略やRPG的なあれこれよりも、とにかく「田舎の高校で気のいい友人たちとワイワイ楽しむ1年間」が楽しい。
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四季折々のイベントが用意されているが、仲間から誘われる季節イベントはなんと参加を断ることもできる※。読書・釣り・プラモ作り・猫との交流など一人遊びも充実しており、引きこもり自己研鑽、バイトに没頭…など「自分らしい1年間」が楽しめる。
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最後はバレンタイン以降を飛ばされたことや友人らのしっとりとした別れのセリフもあって「終わってほしくない」と久々に感じたゲームだった。
※ 周回用の措置なのかもしれない
駆け足プレイのため難易度調節を活用しまくったが、何回も探索することでレベルを上げ、期限内までにダンジョンを踏破するシステムを受け入れればダンジョン攻略も楽しかったのかもしれない。
◆なぜ・どうして遊んだか
真・女神転生Ⅴを遊んだときに、ラクシャーサという悪魔を好きになった。
そしてP4では主人公が装備可能なペルソナにラクシャーサさんがいると聞いていつかやろうと思っていた。
筆者の想定では数体の選び抜かれた悪魔が選出されるものだと思っていたが、実際にはほとんどの悪魔が使用可能だったし、どのペルソナを装備しようが実はさほど変わりはないが、クリティカル発生時に主人公が悪魔の名前を呼んでくれるので嬉しい。ラクシャーサ!
アニメで主人公がラクシャーサさんを愛用してくれているらしいのでいつかラクシャーサさんの活躍を見たい。
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とにかくラクシャーサを使いたかったのだが、スキル習得・スキル強化・ステータスの上昇などがシャッフルタイムで行えるため、手軽に悪魔の強化が出来るのが楽しかった。
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真の男はラクシャーサ以外のペルソナは使用しないが、まともに高難易度攻略している人がちゃんと色々な用途の最強ペルソナを作成し、使い分けている姿を見て本来の遊び方(やりこみ?)も楽しそうだな…と思った。
◆今更P4を遊ぶとこんな弊害がある
「足立が黒幕だと知っている」
ペルソナシリーズについてはぼんやりとした知識しかないにも関わらず、足立が黒幕なことだけはなぜかかなり強烈に知っていたのでノイズだった。絶対堂島を殺すだろと思っていた。これは違った。
直斗が後輩であることも、ハートエプロン+顔に傷のあざといキツネがいることも、クマの声優が山口勝平さんであることも、クマに人間の姿があることも、何も知らなかったのに、足立が犯人なことは知っていた。
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「犯人は足立」の印象が強烈すぎる。本当にP4の知識が無くてもこれなのでこいつが犯人というのがネタにされすぎなのかもしれない。
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「おっと新メニュー発見伝」のスラングの元ネタが足立でびっくりした(これはマジで知らなかったため急にネットスラングを喋り出す根暗オタクなのかと思ってしまった)。
◆クマとかいう好きになれるわけないキャラクター
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プレイ前から外見は可愛いと思っていたのだが、実際遊んでみると声も性格も可愛くなく、「戦闘中ずっとコイツの声を聞くのキツイな…」と思っていた。(俺屍2のコーチンもそうだが、そもそも戦闘やダンジョンで常に喋ってくるキャラクターはそれだけで鬱陶しい)
ただ一心に主人公一行をサポートしてくれるわけで、物語の進行とともに嫌悪感も薄れていたのだが…。人間になるなんて聞いてない!
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本人がシャドウ由来の存在でありアイデンティティに悩んでいたため、望み通り人間の姿を得ることができたのは祝福すべきことなのだが…マスコットだからギリギリだったセクハラ描写がとにかくキツイ。
サポーターを降りたことでセンセイに言及する機会が激減し、結果として女性に対して欲情し続けるバケモノの面ばかり際立つようになる。
外見も個人的には好きになれず、意味のない胸元のバラがかなり厳しい。なんかもっと元のマスコットのガワに寄せられなかったのか?いややっぱ急に人間になられても困る。
こいつのファンとかいたんだろうか。
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女装姿はかわいかった。クマ、女になれ。
◆好きだったコミュ
長瀬と一条
はじめにコミュレベルがMAXになったキャラクターであり、6月にはその域に達していた。「部活を休むわけにはいかない」という心理が働き、ラクシャーサが剛毅なのも後押ししていたのだが、これはかなり遊び方を間違えていたっぽい。
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主人公に似合いそうなのでサッカー部を選んだが、バスケ部に入部したら一条がメインの話運びになるのだろうか?長瀬を心配に思う一条の気持ちは分かるが「この人バスケ部に居場所ないのかな…」と心配になる。
パーティメンバー以外に「仲のいい部活関係の友達」がいるのが非常に好感を持てた。
何なら濃い味付けをされたパーティメンバーとのやりとりよりも「青春」や「高校生活の良さ」が濃縮された友人がストーリーの要所要所で出てきてくれるのが良かった。
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スクショを見返して思ったが、部活に参加しまくるのはともかくコミュMAXになった後も他の人をほったらかして長瀬と喋ってるの狂気だろ。
小西尚紀
「ストーリー上必ず殺害される被害者」の弟。コミュがあることにしばらく気付いておらずスタートダッシュは遅れたが、コミュの存在に気付いて以降は「絶対に完走したい」と思った。
アットホームとは形容しがたい家庭内の異性のきょうだいの死、周囲から求められる「遺族としてのふるまい」……彼を取り巻く環境はあまりにシビアだ。
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田舎の閉塞感に生きにくさを抱えている姿に胸打たれ、とにかく「俺がいい距離感で寄り添ってやらんといかん…」と感じた。
結果として彼のコミュはとてもよかったし、作品を通して最も印象に残ったキャラは彼だった。気持ちの整理をつけて、覚悟を決めて、事件現場を目にして初めて涙が出てきたシーンが印象深い。
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身近な人物の死に対して 泣くことだけが正しい反応ではないが、感傷的になりたくなくて敢えて対峙することを避けていたものを、受け入れて、前に進めたのであればよかったと思う。
惣菜屋の前で主人公に向かって一方的に笑い話をしているシーンが好き。話してみると意外と普通の奴なところがいい。
https://x.com/fo4papa/status/1698111451603620282?s=46&t=iShEkndQE3CtHTqUPnK5iw
(↑ Xの埋め込みが死んだ)
話題がコロコロと変わって、笑いどころも自分本位で、あまり話すのは得意じゃなさそうな語り口調が妙にリアルで……P4の世界で最も「生」を感じた人物だった。
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◆その他キャラクター関係
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狙った配置だと思うのだが、完二・りせ・直斗の後輩トリオはそれぞれ設定の根本からアイデンティティに揺らぎを抱いており、ゆえに各々のコミュはよかった。
直斗は初期案では美少年だったらしいが、「子供っぽさ」一本で人格の揺らぎを表現するのは難しいので、性自認をテーマに取り入れたのは正解だったと思う。
ただ完二はいろいろと雑だし、単に直斗の女性性を受け入れることが正解だとも断言できない。特に直斗は手触りは典型的な萌えキャラなのに、内面に抱えているものが難しすぎる(直斗は彼女にしようというムーブを取らなければまた違った印象になるのかもしれない)。
それをふまえると、作られたキャラクターだと認識している「りせちー」もまた「りせ」である、と結論付けた りせのコミュが好きだった。バレンタインの対応も一番いい。
恋愛のアルカナを持つキャラクターとして登場し、主人公への好意を全開にしていたので、彼女の好意を拒否するのはなかなか辛かった。
それと完二のコミュ完走のアフターストーリーが「手芸教室をやることになった」なのは非常に好き。
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一方でいつものトリオのコミュは特に面白味がない。雪子と交際したのでそういう意味(仲良しコミュニティのマドンナ的存在とこっそり付き合う優越感とか)では楽しかったが、内容はどうでもよく、恋愛対象として見なければ無味乾燥だと思う。千枝は更に主人公を好いている感じがないので薄く、陽介に至っては完走できなかった。
なのでよく言われる「陽介は番長を好きすぎる」「陽介はゲイ」をあまり実感できなかった。
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陽介、登場当初は股間をぶつけたり、「漏れる!」と騒いで公開排泄を試みたり、下ネタ一本でいく気か…?と震撼したが、その後特にそういう空気はなかった。初期の陽介は何だったんだよ。
パーティは千枝・雪子・完二だった。雪子はアギ系のスペシャリストで、他二人はプレイヤーが物理好きゆえの選出だ。千枝は完全に技の構成を間違えたので何をすればいいか分からない人になった。完二のデバフが意外にもボス相手に役立っていた。
スクナヒコナの外見が好きだったので直斗も使いたかったが、技が多彩すぎてどう育てればいいか分からず挫折した。
12月に事件が解決するので冬のイベントは心から楽しむことができる、それはそうと「マリーの行方」という主人公にとってのみ強烈なフックになる謎で物語を最後まで牽引するストーリー構成は見事だとおもったが、マリー云々はゴールデンの追加要素なのだとしたらけっこうプレイ感が変わる。
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龍が如くから来たので、叔父の名前が堂島なだけで面白かった。
堂島が殺されると思っていたのに菜々子が死んで驚いたし、やっぱり菜々子は死んでなかった。この死ぬ死ぬ詐欺があったのでマリーの息がない云々の件でドライな対応になってしまう。
菜々子は「理想の妹」「理想のいい子」という作り物感が強く好きになれなかったが、堂島と主人公と3人で家族をやれていたのは楽しかった。
足立は必要以上にしょうもない存在だったと思う。
こんなことやってないでちゃんと勉強していい職業についていいお嫁さんみつけなよ(笑)は足立の立場から何を言いたいのか、それを言うことで何か変わるのか…もっとサイコ犯人を期待していたのでしょうもない奴だと思った。
菜々子と堂島とジュネスに買い物に行って、友達をこっそり見るイベントが好き。猫の相手をすると猫が増えるのも好き。あと時価ネットたなかはかなり良かった。
◆アトラスのダンジョンは嫌いかもしれない
※ この自説はP5によって覆った(それはそうとP4のダンジョンはつまらない)
初見はヒロインの中だと一番好きだな…と思ったが「ばかきらいさいてー」のような口調とポエムとツンデレムーブが好きになれず、彼女にせず終わった女性:マリー。
彼女が司る永劫アルカナのコミュをMAXにしたプレイヤーに襲いかかるのは、クソダンジョンだった。
(着せ替えスキンは変更可能にしてくれよ…)
戦闘終了後SP半減という酷いデバフ、徐々に回復量の多くなる装備を見た時は「階を進むごとに制限が緩くなって、爽快感を演出するタイプのダンジョンか!」と合点したが、何かがおかしい。回復量は1ケタのまま、その後装備が更新されることはなかった。
マジでこれずっと続けるのこのダンジョン?
その制限ゆえに別に敵が強くないのもまったく面白くないポイントだ。見えるエンカウントは逃げるのが正解。強制エンカも強くはない。ギミックの性質上 工夫のしようはなく、するとしたら敵を生殺しにしてターンを稼ぐだけ…。
確かにマリーの深い拒絶を表現するとしたらクソダンジョンにするのは正しいのだが…なんか真Vといいダンジョン攻略において、プレイヤーを楽しませる気がないのでは?と感じてしまう。
通常戦闘は虚無だが、1回だけヤバいエンカウントが…と思ったら中ボスだと後から検索して知った。もっとちゃんと中ボスとわかるようにしてくれ…。
属性攻撃はすべて無効。物理は耐性持ちだが、命中率低下を含む状態異常バラマキという勝つ気のない技構成とカウンターが牙を剥く。こちらの攻撃が当たらないし当たっても反射される地獄のようなバトル。クソダンジョンにお似合いのクソボスでここまでくると逆に好き。
雑魚エンカだと思って耐性を削除するアイテムを温存したのが悪手だったが、ここで使っていたらラスボス戦で枯渇していたので結果的にはよかった。
かくしてマリーにはクソダンジョン生成罪で死刑判決がくだり、霧と一緒に消えた。一番面白かったのはボスの連戦でしっかりSP半減された点。一生こんなギミックを使うなよ。
◆不満点
・ダンジョンフェーズがつまらない
ダンジョンはいずれもガワを変えただけの同じものに見えた(ガワのクオリティは高いと思う)(ミニマップ見るとかなりワンパターン)のと、ザコの使い回しが多い割に耐性が系統で統一されておらず混乱するのは良くない点だった。石みたいな外見の敵にジオが通用する。
RPG的には武器が豊富かつ外見に反映されるところやシャッフルタイムや映画を見ることでステータスを盛れるあたりは好き。
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・分岐への期待の持てなさ
選択肢を選んだ時の相手の反応を見て「どの選択肢を選んでも同じ反応になるようになってそうだな…」と感じることがままあった。選択肢による展開変化への期待が全く持てない。どれを選んでも同じだな…と思いながら選択肢を選ぶゲームはゲームとしての楽しみに欠ける。
・よく知らない人に自分の内面と戦われても…
出会って間もない相手が自己の内面と向き合って「こんなの私じゃない!」と否定する姿を見せられるが、そもそも表向きの人格すらよく分かっていないのだ。主人公「それも含めて**だ」とかこの転校生は相手の何を知っているんだ?
シャドウの対処法が分かっているのに毎回目の前で自己否定され暴走させているためシラけてしまう。
・露悪的に振舞うシャドウ
マヨナカテレビの設定に合わせて露悪方面に振り切れ、雑※だったり誇張されすぎで本人の内面からはみ出ていない?と感じてしまう。シャドウの目的として、力を得るために自己否定される必要があるので、目的達成のために過度な誇張を行なっているのではないか。
※ 雪子という名前があまり好きではない…のにぶりっ子演技をさせたいがために一人称:雪子の女が出てくる…等。
・恐怖のメシマズ空間
常軌を逸したメシマズ描写(「チョコレートに魚を入れる」みたいなの)が嫌いなのだが、直斗以外全員終わっとる!
菜々子に明らかに不味い飯を出された時はめまいがした。雪子は確か料理修行しているようなコミュだったと思うんだが…。
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書いていたらめちゃくちゃ不満部分に対して筆が乗ってしまっていたが、本当に楽しんでプレイしていた。総じて不満もあるが「1年間の楽しい高校生活」を味わえるゲームとしては格別だった。そんな感じ。
書いてすぐ記事を出すはずが気づけばP5Rもクリアしていた。友人がP3を好きなのでP3もやりたいと思う。
◆スクショのコーナー
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季節イベントが豊富で本当に楽しかった。
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浮気もできるけどグサリと胸を刺すようなことを言ってくれるのが非常によかった(直斗の誘惑に勝てなかった)
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マヨナカテレビの仕組み自体に首を捻る部分はあったが、全体的にテレビを意識したデザインになってるのがとても洗練されていて良かった。音楽も本当に好き。チャンスエンカウントはテンションが上がる。
そんな感じ。
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